○
国務大臣(柳澤
伯夫君) 公共性の面については、
一般に言われていることは、何よりも決済機能を持つネットワークの一環であるということですね。これはもう決済が、決済というのはもうぎりぎりのところで決済をしていきますから、これが滞ってしまえれば、これは連鎖的ないろいろな不都合な
状況が生まれてくるという性質のもので、ただその一行にとどまらない影響を広く持つわけでございます。それから、やっぱりもう
一つは、不特定多数の方々の大事な預金を預かるというようなことで、やはりその仕事のしぶりについてはそういったことを強く意識しなければいけないと、こういう面があろうと思います。それから第三番目には、今、
委員が御指摘のような信用あるいは金融の仲介機能というものがこの任務としてゆだねられていると。こういうようなものをひっくるめて、一言で金融の公共性ということであろうと思うわけでございます。
そういうことであるのでございますけれども、今このような経済の
状況の下で自らの健全性も維持しなければいけないと、それからまた、経済が非常に不振、低迷の
状況のときにも、よく日ごろ培った眼力を発揮して本当に必要なところには必要な資金を供給していくということに殊のほか大きな使命を負っているというのが現状の金融機関の立たされている立場だろうと、このように思うのでございます。
そういうことなんですけれども、これもいろいろ十年ほど前にあったバブル経済の盛んなときに、金融機関というのは非常に審査機能を自ら弱めてしまったというようなことがありまして、その再建をしなきゃいけないというときになって今のような厳しい客観情勢が存在していると。この矛盾を一体どうやって解決していくかということでございます。今、
山下委員はかつての御職業の経験から、現場は混乱していると言わざるを得ないではないかというようなことまでおっしゃられたわけですけれども、私も、その一端でしょうけれども、若干のことを聞いておるわけでございます。
そういう中で、じゃ、この審査
能力の再建というものをどういうふうにやっているかというと、
一つには、やはり率直に言って、今
情報のいろいろな技術も発達しておりますので、そうした計数を大量的に処理して一定の判断基準を習得する、それと照らし合わせて取りあえずまず予選のスクリーニングをすると。そのスクリーニングに通過したようなものについて、あるいは通過しないものもボーダーラインのものについてはもっと念入りに、人的なソースを使ってこれを審査するというよう、いろいろ金融機関においても工夫をしていることも、あるいは
先生も既に御存じのとおりかと思います。
いずれにせよ、そういった努力で、非常に厳しい
状況ではありますけれども、金融に課せられた公共性ということの使命を全うするために、とにかくありとあらゆる工夫をしてもらいたい、それで自らの存立のためにも、ぴっちりした融資をすることによって収益も確保していただきたい、こういうことを私ども常日ごろから金融機関に対して申し上げているところでございます。