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2002-02-01 第154回国会 参議院 本会議 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十四年二月一日(金曜日)    午後五時五十四分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第四号     ─────────────   平成十四年二月一日    午後四時 本会議     ─────────────  第一 平成十三年度一般会計補正予算(第2号   )  第二 平成十三年度特別会計補正予算(特第2   号)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、日程第一及び第二  一、日本電信電話株式会社株式売払収入の   活用による社会資本整備促進に関する特   別措置法等の一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)      ─────・─────
  2. 井上裕

    議長井上裕君) これより会議を開きます。  日程第一 平成十三年度一般会計補正予算(第2号)  日程第二 平成十三年度特別会計補正予算(特第2号)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。予算委員長真鍋賢二君。     ─────────────    〔審査報告書本号末尾掲載〕     ─────────────    〔真鍋賢二登壇拍手
  3. 真鍋賢二

    真鍋賢二君 ただいま議題となりました平成十三年度第二次補正予算二案につきまして、委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  補正予算内容につきましては、既に塩川財務大臣財政演説において説明されておりますので、これを省略させていただきます。  補正予算二案は、去る一月二十一日、国会に提出され、二十三日、財務大臣から趣旨説明を聴取した後、衆議院からの送付を待って、三十日から本日まで、小泉内閣総理大臣並びに関係大臣に対し、質疑を行いました。  以下、質疑の若干につき、その要旨を報告申し上げます。  「NGO参加問題に絡んで国会が紛糾し、衆議院では、野党不在のまま、本補正予算採決が行われましたが、こうした異常な状況の下で、参議院予算委員会審議を迎えたことについて、総理はどう認識しているのか」との質疑があり、これに対し、小泉内閣総理大臣から、「本来、外務省内部の問題が国会全体を巻き込み、政府全体の問題となったことから、当事者の田中外務大臣野上外務事務次官鈴木衆議院議院運営委員長に対し、事態打開のための協力をお願いした。今後は、正常な形で一日も早く、補正予算を成立させ、現下の厳しい経済情勢等の諸問題に対応していきたい」旨の答弁がありました。  また、補正予算について、「政府は、昨年十一月の第一次補正予算に続き、今回、第二次補正予算編成したが、その位置付け経済への波及効果はどうか。NTT株式売却収入補正財源としているため、有効な雇用対策が取られていないのではないか」との質疑があり、これに対し、小泉内閣総理大臣並びに関係大臣から、「経済の停滞が続いているが、産業構造が大きく変わろうとしており、改革を進めていく中で、新しい企業創出雇用ミスマッチの解消、不良債権処理等を支援していくことが必要と考えている。昨年九月に米国テロ事件が発生し、世界同時不況の様相を呈している面もあることから、デフレスパイラルを回避するとともに、構造改革を更に促進する観点で、第二次補正予算編成した。GDP押し上げ効果名目で一・二%程度、実質で〇・九%程度と見込んでいる。また、本補正予算では、直接的な雇用対策は講じていないが、建設業失業者の増大に配慮して、高い経済効果期待できる事業追加を行い、雇用の確保にも努めている。一次補正とは方法が異なるが、雇用に対しても大きな効果があると考えている」旨の答弁がありました。  質疑は、このほか、牛海綿状脳症対策特殊法人改革有事法制必要性不良債権問題、ペイオフの解禁、地球温暖化対策高齢社会対策大綱、新エネルギー問題、若年層の失業問題など多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、民主党新緑風会を代表して高嶋理事反対自由民主党保守党及び公明党を代表して入澤委員賛成日本共産党を代表して紙委員反対国会改革連絡会平野理事反対の旨、それぞれ意見を述べられました。  討論を終局し、採決の結果、平成十三年度第二次補正予算二案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  4. 井上裕

    議長井上裕君) 両案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。若林秀樹君。    〔若林秀樹登壇拍手
  5. 若林秀樹

    若林秀樹君 私は、民主党新緑風会を代表して、政府提出平成十三年度第二次補正予算二案に反対する立場から討論をいたします。  戦後、日本は敗戦の焼け野原の中から、血のにじむような努力によって、奇跡的な経済復興、そして高度成長を成し遂げました。一生懸命頑張ってきたのです。しかし、自民党政権金融政策などにおいて致命的な過ちを犯したことによって、バブルの誕生と崩壊という事態が生じ、今までの努力文字どおり水の泡になってしまいました。その後、自民党政権は、景気対策と称しては旧来型公共事業中心財政出動を繰り返すだけで、根源的な問題の先送りを続けてきました。そして、生み出されたものは、巨額の財政赤字と長期にわたる不況という有様です。  そのような八方ふさがりの状況を打破してくれるのではないかという国民期待を一身に背負って小泉内閣は誕生しました。しかし、どうでしょうか。既に九か月が経過しましたが、改革実現への国民期待は完全に裏切られ、今や国民の間には改革に対する落胆とあきらめの気持ちが渦巻いております。  昨年五月、小泉政権が発足してから、日経平均株価は一万四千円から一万円前後と約三割下落し、失業率も四・八%から昨年十二月には過去最悪の五・六%に上昇、昨年の企業倒産は一万九千四百十一件、これは戦後二番目、バブル崩壊最悪でございます。まるで坂を転げ落ちるかのごとく日本経済は悪化し続けています。また、グローバル経済が進展する中で、空洞化問題、産業再生具体策については全く議論が深まっておらず、貿易黒字は縮小し、あるシンクタンクの予測では、五年以内に経常赤字貿易赤字に陥る可能性があると言われています。  総理はこの間、小泉流構造改革を進めれば当然痛みが生じ、職を失う人も出てくるが、サービス部門中心に今後五年間で五百三十万人規模雇用創出期待でき、希望にあふれた、自信誇りに満ちた日本社会を実現できると叫ぶだけで、実効性ある施策を打たずに、ただ傍観するだけであります。  さきの衆議院での審議においては、大変残念なことが起こりました。日本のNGOのアフガニスタン復興会議への参加問題をめぐって審議が中断し、協議を求めた野党側を無視し、予算委員会財政金融委員会、そして本会議において与党単独採決を行いました。正に民主主義を否定する暴挙と言わざるを得ません。  そして小泉首相は、田中眞紀子外相野上事務次官、そして鈴木宗男議院運営委員長を辞任させましたが、事実関係究明をせずして、三人の首を切って事足れりとしたのは、大きな誤りでございます。  族議員と官僚が一体になって政治を牛耳る手法は自民党の積年の体質であります。小泉首相は、構造改革政治改革をうたいながら、今回はそれに目をつぶる首相の姿勢は断じて許せるものではありません。今後とも真相の徹底的な究明が必要であります。  民主党は、現下の厳しい経済情勢雇用情勢にかんがみ、必要な財政措置を取ることは否定しませんが、以下、本補正予算反対する具体的な理由を申し上げます。  まず第一に、この補正予算を組む経過と時期の問題です。  昨年十一月十六日、第一次補正予算が成立しました。審議の過程では、本会議、そして様々な委員会において、総理を始め各閣僚は、第二次の補正予算編成するつもりはありませんとはっきり断言されました。しかし、予算成立たった三日後の十九日、舌の根も乾かぬうちに、小泉総理は第二次補正予算編成を指示しました。これは一体どういうことなのでしょうか。正に国会を軽視することも甚だしいものであり、ひいては国民信頼を裏切るものであります。また、第一次補正予算を実行する前から第二次補正編成するということは、第一次補正予算効果について国民に疑問を投げ掛け、更なる消費マインドの減退を生むものではないでしょうか。  そして、いよいよ本予算審議すべき年度末のこの時期に、一時的な支出にすぎない補正予算をわざわざ組むことに何の意味があるのでしょうか。全く理解に苦しみます。本気で日本経済を立て直すために改革をする気があるなら、補正を組む資源をすべて十四年度予算に盛り込み、より効果的な予算編成を実施すべきではなかったでしょうか。  第二に、補正予算の中身と経済効果であります。  改革推進公共投資と冠が付いていますが、官庁営繕費に約二百三十九億円、公務員宿舎施設費に約百十億円など、独立行政法人中央省庁等官公庁施設費に総額の三〇%近く、実に六千六百億円程度も費やしています。この予算のどこが改革推進なのでしょうか。  第三に、補正予算は、国債発行三十兆円のメンツを保つために、平成十四年度予算歳出削減緊縮予算に見せ掛け、入り切らなかった公共事業関係費を入れる帳じり合わせのために組まれた補正予算であります。今回の補正予算がどうしても必要で、なおかつ国債発行三十兆円枠を堅持しようとするならば、まず真っ先に政府自らが身を削るような歳出削減を行い、それこそ乾いたタオルを絞り込むことにより財源捻出努力するのが当然であります。  それから第四に、新たな国債発行をしないと言いながら、本来、国債償還に充てるはずのNTT株売却益を転用することは、実質的に隠れ借金を作る以外の何物でもありません。長岡藩の米百俵の精神とは全く逆のことであり、今ある米どころか、返さなければならない米さえ食べてしまうということであります。  大半を占めるNTT利子貸付事業のいわゆるBタイプ補助金型は、無利子付けとは名ばかりで、後で国が同額の補助金を交付し、同時に地方自治体に裏負担を強制するものであります。これは、更に国の財政を悪化させ、逼迫した地方財政も更に窮地に追い込むものであり、到底容認できるものではありません。  また、NTT利子貸付事業収益回収型も名ばかりで、問題の三セク等に貸し付けているところが多々見られ、損失が出ると税金で補てんされるケースが多いことであります。しかも、情報開示が不十分であり、いい加減な使い方がされる可能性が高いと言わざるを得ません。  そして最後に、第五番目の理由は、現下の最重要課題である雇用対策中小企業対策が何ら盛り込まれていないことであります。  日増しに悪化する経済情勢雇用に対して深刻な影響を及ぼしており、失業率も過去最悪を更新しています。このような状況からすれば、雇用セーフティーネット拡充ワークシェアリング推進のための環境整備民主党が主張する雇用保険財政安定化のための基金を創設することなどが喫緊の課題であることはだれの目にも明らかであります。本補正予算によって今後一年間に見込まれる雇用創出効果は十一万人、わずか〇・一%の改善にすぎないということを政府自らが試算しているわけであります。  また、先ほど申し上げましたように、企業倒産件数が急増する中で、中小企業からは、金融機関自己資本比率維持等のために、貸し渋り、貸しはがしを行っているという悲鳴が聞こえてきます。  一次補正においては、民主党の提言により、中小企業者が保有している売り掛け債権に着目した信用保証制度が創設されました。不十分とはいえ、新しい中小企業対策が盛り込まれたことは一歩前進と評価しました。しかるに、今般の二次補正には、中小企業対策費が完全に欠落しており、大きな問題だと言わざるを得ません。また、ベンチャー企業・新産業創出につながる施策も完全に抜け落ちております。  民主党は、小泉流構造改革には、いかなる経済社会構造を目指すのか、全く将来社会に対するビジョンがないと訴え続けてまいりました。小泉流構造改革ビジョンがあるとすれば、それは既得権益を持った一部の人だけが自信誇りに満ちた生活を送れるようになり、まじめに働くその他大部分の人は安心して生活できず、中小企業は切り捨てられる社会を作ることだと思わざるを得ません。  以上が、第二次補正予算二案に反対する主な理由であります。  我々は、これまで小泉内閣九か月の政権運営を見てまいりました。小泉流構造改革とは、本質的な問題には手を付けず、改革を連呼し、看板を付け替えるだけという実態が本二次補正予算二案でも明らかになりました。自らの無為無策により、国民生活を不安に陥れ、それを平気で放置するのが小泉内閣の本当の姿である、そのことを最後に指摘し、私の討論を終わらさせていただきます。(拍手
  6. 井上裕

    議長井上裕君) 野沢太三君。    〔野沢太三登壇拍手
  7. 野沢太三

    野沢太三君 私は、自由民主党保守党及び公明党を代表いたしまして、ただいま議題となった平成十三年度第二次補正予算二案に対し、賛成立場から討論を行います。  小泉総理は、昨年春の就任以来、聖域なき構造改革基本方針の下、懸案となっていた諸課題に対し、積極果敢に取り組んでこられました。中でも、特殊法人改革についてはかつてない思い切った改革に踏み込み、また、経済面でも、昨年十一月に雇用中小企業セーフティーネット整備拡充中心とした平成十三年度第一次補正予算編成するなど、国民生活安定のための環境づくりに尽力されております。  しかしながら、我が国経済は、昨年秋以降、米国同時テロなど不測の事態に見舞われ、消費意欲の落ち込み、設備投資の減少など、景気は一段と厳しさを増しております。  かかる状況下で、構造改革を円滑に進め、真の経済再生を図るためには、改革推進重点を置いた景気対策の実施こそ何よりも求められております。  本補正予算は、政府が先般決定した緊急対応プログラムに基づき、我が国経済活性化に資する諸般の措置が盛り込まれたものであり、大いに賛意を表するものであります。  以下、賛成する主な理由を申し述べます。  賛成の第一の理由は、本補正予算は、現下の厳しい経済情勢を踏まえ、景気に配慮した内容となっていることであります。  本補正予算には、二兆五千億円の公共投資追加が盛り込まれ、その規模事業費ベースで実に四兆一千億に上っております。内容的にも、都市再生型の公共事業自然共生型公共事業など、いずれも構造改革促進するとともに、民需や雇用誘発効果が高く、即効性のある事業重点化を図っております。  かかる施策が相まって、今後一年間で名目GDPを一・二%程度押し上げるとともに、十一万人もの雇用創出効果が見込まれております。正に時宜にかなった予算として早急に実施されるべきものと考えます。  賛成の第二の理由は、科学技術IT振興など二十一世紀の発展基盤整備として、独創的、先端的な研究施設整備産学官連携による研究開発推進に必要な経費など、成長フロンティアの拡大に資する分野に約九千億円の予算を計上しております。  賛成の第三の理由は、少子高齢化対策推進のため、保育所整備を進めるほか、特別養護老人ホームなどの介護関連施設子育て支援拠点施設整備のための経費等が盛り込まれております。  賛成の第四の理由は、厳しい財政状況に配慮した内容となっている点であります。すなわち、国債増発を極力避けるため政府保有資金を最大限活用することとしております。  以上、本補正予算に盛り込まれた諸施策は、直面する経済問題に効果的に対処し、我が国経済早期回復国民生活の安定、向上のために緊急かつ不可欠の内容であると確信するものであります。  最後に、アフガニスタン復興支援会議へのNGO参加問題で国会が混乱したにもかかわらず、本日ここに議了を迎えたことは、政府議会関係者それぞれの時局に配慮した努力によるものであり、ここに改めて感謝をいたします。  外交は、アフガニスタン問題を始め要人の来日等重要問題が山積しており、一日もおろそかにできません。  総理始め、すべての閣僚、すべての政治家が一致団結し、一刻も早く国民の、そして世界信頼を取り戻すよう最善の努力をしていかなければならないと思っております。  以上のことを強く申し述べ、私の賛成討論といたします。  ありがとうございました。(拍手
  8. 井上裕

    議長井上裕君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  9. 井上裕

    議長井上裕君) これより両案を一括して採決いたします。  両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  10. 井上裕

    議長井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  11. 井上裕

    議長井上裕君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十一     賛成            百三十六     反対             九十五    よって、両案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  12. 井上裕

    議長井上裕君) この際、日程追加して、  日本電信電話株式会社株式売払収入活用による社会資本整備促進に関する特別措置法等の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 井上裕

    議長井上裕君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。財政金融委員長山下洲夫君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾掲載〕     ─────────────    〔山下洲夫君登壇拍手
  14. 山下八洲夫

    山下洲夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本法律案は、社会資本整備促進を図るため、日本電信電話株式会社株式売払収入による国債整理基金資金の一部を運用した国の無利子貸付制度について整備改善を図るとともに、これに伴う財源措置その他必要な事項を定めようとするものであります。  委員会におきましては、無利子付けの対象となった事業内容景気に及ぼす効果、二〇〇八年度の国債大量償還に向けた政府対応NTT株式売払収入の全額を貸し付けることができる根拠等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、民主党新緑風会を代表して円より子理事日本共産党を代表して池田幹幸委員国会改革連絡会平野達男委員より、それぞれ本法律案反対する旨の意見が述べられました。  討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  15. 井上裕

    議長井上裕君) これより採決をいたします。  本案賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  16. 井上裕

    議長井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  17. 井上裕

    議長井上裕君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十三     賛成            百三十九     反対             九十四    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  18. 井上裕

    議長井上裕君) 本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十二分散会      ─────・─────