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国務大臣(
武部勤君) 農協系統の
実態については最も詳しい国井
先生でありますから、農協の現状を見て、どこをどのように改めたらいいかということについては一番よく熟知しているんじゃないかと、私はかように思うわけであります。
BSE
発生を契機に、あの
調査検討委員会の
報告においても、一九九六年の肉骨粉の取扱いについて行政指導にしたことは
農林水産省の重大な失政だと、こういうふうに
報告書では述べられているわけです。私は、これは大変厳しい御
指摘だなと思いましたが、それを厳粛な気持ちで受け止めて、
農林水産省の改革に着手しているわけでございます。
これは、改革ができなければ
農林水産省解体だというぐらいの重いものとして受け止めて改革に邁進しようという決意を私は持っているわけでございますが、市場原理で世の中がどんどん変わりつつございます。その中で、今日の農業というものは大変困難な
状況に置かれているということを考えますと、これを克服していくためには、私は、まずは
生産者自身の組合であります農協がどのようにこの困難を乗り越えていくかという、そういう意識改革の下に決意を持って
実行してもらわなけりゃならないんではないかと、私はこのように思うんです。
細かいことは時間の関係で余り申し上げられませんが、これから農協の周辺というのは、私の身近なところでも音を立てて変わってきていますよ。
一つは、こんな話聞きました。ある元の組合長ですが、年収四百万も与えているのに、お茶も出さなければ、お客さんが来てもあいさつをしないと。それで、こんな者とてもこの事務所で使っていられないから、Aコープの方に配置転換したんだと。私は驚いたですね。事務所でお茶も酌まない、あいさつもしない、そういう人を何で
消費者、お客さん相手にするAコープに配置転換して物になるんだと。
私は、今コンビニエンスストアとかいろいろとどんどんどんどんできていますけれ
ども、農協系統で言えば、全国ネットなんですから、ああいうAコープなんかはもうコンビニエンスストアみたいに分社化してやったらいいんでないかと、その組合長に話したことあるんですけれ
どもね。やっぱりかなりAコープ辺りも
消費者離れしているんじゃないでしょうかね。
それから、組織が肥大化していまして、若い職員と私はいろいろ懇談しますと、目輝かして私と話したがるんですよ。なぜかというと、私の話というのは生の
情報だからですよ。それで、もう本当に若い職員なんかは新しい
情報を求めていますね。
それで、もう
一つは、これは
一つの悪い光景なんですけれ
ども、農家の若い人たちがみんなで海外旅行をしたりしますね。海外へ研修に行ったりします。で、戻ってまいります。職員はそういったものを知らないんですね。外国の事情というのは、本見なけりゃ分からないと。本見た知識しかないというようなことで、自信持って指導もできないというような。そして、こうすべきだ、ああすべきだというものを上に上げようと思うと、理事でありますとか組合長でありますとかから、余計なことを言わなくてもいいというようなことを言われるというようなことも私も現場でたくさん聞いているわけなんです。
やっぱり農協が今の時代に最先端を行く改革をして、そういった
生産者や若い農協職員の皆さん方の気持ちにこたえなければ、私は、これからトレーサビリティーというものの導入をいたしますと、
消費者と
生産者の間というのは物すごく接近すると思うんです。もうインターネットによる取引も始まってきます。それから、
野菜出荷安定法でも、大規模
生産者が直接
量販店とも取引が始まります。
そういうようなことになりますと、私は、農協はこの市場原理という波にもまれて変わらざるを得ないんじゃないかというふうに、このように考えるわけでありまして、私は本当に協同組織の原点に立ち返って改革に取り組んでほしいというふうに考えている次第でありまして、まあ私はちょっとセンセーショナルなことを言う癖がありますけれ
どもね。
改革か、さもなくば解体をたどる運命だと、こう言って、あっちこっちから私のところにも来ますよ。全中辺りから直接私のところへ言ってくりゃええのに、ぐっと迂回して北海道へ行って、そして地元の私の選挙で応援している農協の組合長を通じて来るんですね。これ、そもそもおかしいですよ。何か言いたいなら、私のところへ来りゃいいじゃないですか。そういう
実態がおかしいんじゃないですか。
だから、私は、改革か解体かと言って全国的に少し問題を巻き起こしているというのは、私はいいきっかけになるんじゃないかと、このように思っているわけでありまして、国井
先生を始め本当の、農協組織に対しまして物の言える指導者からそういったことをよくお伝えいただきたいと、私はこのようにお願いしたいと思います。