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政府参考人(
梅津準士君) まず、三重県の
BSE検査が行われなかったケースでございます。
厚生労働省では、御
指摘のとおり、昨年十月十八日から、屠畜場に搬入されるすべての牛について
BSE検査を要すると判断されるというふうにしております。しかしながら、今年の四月十五日、三重県下、熊野市営と畜場に搬入された十九か月齢の黒毛和種一頭が屠畜検査において敗血症と診断され、
BSE検査を行わずに焼却処分されたことを厚生労働省及び三重県から確認しております。
三重県によりますと、屠畜検査を担当した検査員が、全頭検査が実施されていることは知っておりましたけれども、食用に回されず焼却処分される牛の
BSE検査は不要であると誤認して、誤って認識していたということでございます。このため、三重県は検査マニュアルを
見直して、検査員への徹底を図るとともに、県内のと畜検査員に再度適切な取扱いについて指示したと聞いております。また、厚生労働省でも四月十七日に、同様の事例が発生することのないよう、
都道府県に対して情報提供するとともに、改めて
BSE検査実施要領の徹底を要請したと聞いております。この件については、すべて焼却されておりますので、公衆衛生上問題はなく、また再発防止
措置が適切に講じられたと聞いております。
それから、二点目の屠畜場に出荷されない病死牛の点でございます。
通常、病死牛は家畜共済の獣医師が死亡時に原因等を確認しまして、伝染病が疑われる場合には家伝法に基づいて家畜保健衛生所に届けられまして、家畜保健衛生所がその原因を
調査することになっております。現在、死亡牛の
BSE検査につきましては、これらの診療で
BSEを疑う症状が確認された死亡牛はすべて、
BSEを疑う症状がないものについても、二十四か月齢以上の死亡牛、年間四千五百頭を
対象にサーベイランスを実施しております。
先生御
指摘のとおり、今後、我が国における
BSEの早期根絶を図るためには、二十四か月齢以上の死亡牛についての全頭検査の
導入を目指して早期の検査体制の
強化を図っていく必要がございます。この場合、現在の死亡牛のサーベイランス検査体制を更に
強化するには、これを効率的に実施するための死体の一時集積場所、検査結果が判明するまでの冷凍保管
施設、それから、検査の結果、陽性となった牛の焼却
施設の更なる
整備、こういった体制の
整備が必要でございます。
こういった中、例えば離島が多いとか、あるいは死亡牛の発生頭数が非常に多いとか、そういった地域の実情に即して、周辺住民の御
理解と御同意を得ながら、段階的に検査処理体制を
整備していかざるを得ないという実情もあると考えておりまして、
都道府県の協力もいただきながら検査体制の構築に向けた取組を推進しているところでございます。なお、三月から副
大臣、
大臣政務官が各
都道府県知事を訪問しておりまして、その中で死亡牛の検査の推進についても御協力をお願いしているところでございます。
それから、最後に原因の解明
状況でございます。
三月十五日に第二次中間報告で、三点、原因の解明
状況を御報告申し上げました。一点は、配合飼料工場のうち四工場で、いわゆる肉骨粉のクロスコンタミネーション、混入の
可能性が完全に否定できないということ。二点目に、一九九八年六月以前に輸入されたイタリア産肉骨粉には加熱処理が不十分である
可能性が高いということ。三点目に、それまでの三例に共通して与えられていた代用乳に
BSE発生国であるオランダ産の動物性油脂が含まれていたこと。こうした感染源としての
可能性を完全には否定できない事項、更に確認を必要とする事項を明らかにしたところでございます。
今般、去る五月十三日に四頭目の
BSE発生が確認されたところでございますけれども、直ちに北海道の家畜保健衛生所の立入検査によりまして、同居牛の追跡、飼料の給与
状況の
調査を進めているところでございます。四頭の生年月日が極めて近いこと、それから、四例に同じ工場で製造された代用乳が給与されていたことは感染源究明の
調査を行う上で重要な情報であると考えておりまして、
平成八年三月、四月生まれの乳用牛について、家畜所有者のプライバシーに十分配慮した上でこれをトレースすることなどを
検討するとともに、代用乳について、製造時期の
調査、給与された牛の追跡
調査などを進めてまいる考えでございます。
しかしながら、予断を持たず、それらを含めてあらゆる
可能性について徹底した
調査を実施してまいりたいと思っております。