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国井正幸君 これ、冒頭申し上げました
ように、
畜産農家からすれば大変有り難いことでございまして、
おかげさまで、これがあるので何とか子牛の
生産農家もあるいは
肥育の
農家もやっていられるという
状況にあるというふうに思うんです。
いろいろ、これ
農林水産省に出してもらった
資料から見ても、
枝肉価格が大幅にまた急速に
下落をしているんですね。これ見てみますと、昨年の九月の前年同月比でありますけれ
ども、九月もこれ十日ですから前半は
影響なかったというふうに思いますが、例えば
和牛のAの5ですと九四・四だったわけでありますが、それが十月になっては八二・九になり、今年の一月、二月になってきますと八〇・八なり八〇・五ということなんですね。Aの4を取ってみても、昨年の九月は前年比で九四・三、今年の一月で七〇・六、二月で六五・七なんですね。
それから、
交雑種の
去勢では、Bの3でもって、去年の九月が九一・九、今年の一、二月に至っては四三・八、三二・六なんですね。これ全部言うわけにもいきませんが、それから
乳用種の
去勢のBの2なんというのになったら、これはひどい話でございまして、今年の一月では前年同月比で二二・九、二月で一九・一、こんなに
大変下落をしているんですよ。
ですから、
通常マル緊あるいは
BSEマル緊があって初めて
経営が維持できると、こういう
状況にあるわけなんですね。これだけ
国費の
執行状況、事前に
通告すれば額も分かったんでありましょうが、
通告していなかったから、これ万やむを得ないわけでありますが、しかし
相当量のお金を突っ込んでこの
対策をやってきているんですね。
しかし、この
対策によって、
国民一般から見たときに、この金は一体どこへ行っちゃったんだと、これ喜んでもらっているんかいなと、こういう話が率直のところあるんですよ。
というのは、
畜産農家だって、これ
価格が下がっているからその補てんとしてもらっているけれ
ども、
通常マル緊では
家族労働費の八割しかもらえないんだから、十割もらっているわけではない。何ぼかやっぱりこれは
影響を受けているんですよ、もらっているといえ
ども受けている。
これだけ
価格が下がった。にもかかわらず、
一般の
量販店の店頭の
食肉価格が一向に下がらない。これが極めてやっぱり私
どもから見るとおかしな現象だと、こう言わざるを得ないというふうに思っているんですね。
私も
それなりに個人的なルートで、いろいろ卸の
関係者あるいは
量販店の
関係者等々から話聞いてみました。いろいろ聞いてみました。特に、
量販店の
関係者に、なぜ、
枝肉価格が下がっているのに、あなた方は安く売れないんだと。安く売ることによって、
国民の
皆さんに食べてもらって、安心をしてもらって、全
頭検査もやっているわけでありますから、そういう中で
信頼回復と
消費拡大に努めるというのがあなた方の責務ではないのかと、こういう話を申し上げてきたところなんですが、たまたま私が会った人いわく、とても売れない、だから
商品ロスが発生するがゆえにその
ロス率まで見ていくんだと、だから安く売れない。それから、
テナント料は変わらない、
固定経費だ。
固定経費を賄うということになると、量が売れないのでそれだけ
利益率としては上げなければならないんだと。こういう重立った理由だったんですね。
それとあわせて、
国井さんおっしゃるほど実は我々のところへ来る値段が安くもないよと、安いことは安いがあなたが言うほど安くはないよと。こういう話も実はあったわけでございまして、今日はあえて
国税庁と
公正取引委員会に来ていただいているわけでありますけれ
ども、特に
市場、
食肉卸売市場の今の運営について、少々問題があるのではないかと私は率直に思っています、思っているんです。
それは、
市場法を所轄しているのは、これは
農林水産省ですから、公正な
取引が、
市場機能が果たされているのかどうか、この辺もやっぱりしっかりと検証してもらわなくちゃならぬというふうに思っているんですよ。
あそこへ行ってみればお分かりのとおり、
競りをやりますよね。
競りのときに、色は
市場によって違うのかもしれませんが、赤い
ボタンになれば競っているのが
自分一人だということでそこへ落札しますよ、最後は落札します。しかし、
あと二つボタンもあって、
自分ともう一人以外が競っているのかどうか、複数じゃなくちゃ
競りになりませんから、あるいは
自分を含めて三人以上が競っているのかどうか、これは
ボタンの色で分かる
ようになっている。
関係者に話を聞けば、どうも三人以上の
競りの
ボタンの付く率が極めて今低くなっているという話も率直のところ聞きます。
平たく言えば、こういう大変な
状況の中で話合いが行われて、どうも買いたたきが行われているんじゃないかと、この
ように私は思っているんです。
肉用子牛の
生産者の
補給金の
制度もあります、あるいは
BSEマル緊と
マル緊もあります。この間も、私は、地元であえて
肥育農家の
皆さんを集めたときに申し上げたんですよ。今、こういう
状況の中で、
食肉業界は正に
日本経済以上の
デフレスパイラルだ、縮小再
生産になっちゃっている、みんなが。例えば、子牛の
生産者補給金制度がありますから、この
価格で売ればその差が出てくるわけですよ、こっちから、
補給金からね。だから、
幾らで売ろうがそこになるんだから
子牛生産農家は
余り損はしないだろう、こっちからもらえるから。おれ
たちは肉が高く売れないんだから
素畜費も安くしか買えない。それはそのとおりかもしらぬが、そういうことでやっていたら駄目だよと。あなた方だって、いわゆる
固定経費は、
物財費は、それを下回った場合、
BSEマル緊によって十分の十補てんされるんだから、
自分たちだって子取りの
生産農家の現状だって分かるし、
生産費だって分かっているじゃないか。それをしっかりやっぱり買うという、そういう姿勢がなかったら駄目だろうと、こういうことを
一つは申し上げたんですね。まあそれは
生産サイドの話。
ところが、この
食肉市場においても、
マル緊と
BSEマル緊で金が出てくるから、
幾らで売られても要はそこから金が出てくるから
生産農家はそれほどのダメージを受けないということを
前提に買いたたきが行われていたとすりゃ、こんなもの、
幾ら金を突っ込んでいたって全然足りませんよ、これは。
しかも、こんな、その
マル緊なり、
通常マル緊というのはこんな長い間ずっとやることを
前提にした
制度でないはずですよ。
緊急突発に対応する
制度の話ですよ。それが恒常的にいつもやられる
ような、これ、どさくさに紛れてそんなことをやられておったら、これはとんでもないことになるというふうに思っているんです。
農家も非常に
弱気になっているんです。
弱気になっている。
幾らであったってとにかく私の牛買ってもらいたい。だって、どんどん育ってきちゃって置いておけないんだから、
幾らであっても買ってもらいたい。そういう心理に付け込んで
価格がたたかれているとしたら、これは重大な問題だというふうに思うんです。
そういう
意味で、この
食肉卸売市場、
市場法に基づいて公正な
取引をするということでこれなっているわけでありますが、現場の話ですから、
部長、その辺は
農林水産省として実態をどの
ように、いわゆるこの
政策を打ってきたことに対する
行政評価と現実と含めて、その辺に対して何か感じるところが、どうですか、何かありませんか。