○松村龍二君 本日、久しぶりに
委員会が開催されまして、ラストバッターとして質問をさせていただきます。
是非、
国家公安委員長、また農水省の政
務官、
環境省の副
大臣、よろしく御対応をお願いしたいと
思います。
私が本日質問したい項目は、最近、
日本の各地におきまして自然鳥獣、これが農作物に対しまして大変な被害を与えていると。私
どもの実感を先に申し上げたいと
思いますけれ
ども、その後、鳥獣の保護をする
環境省がこの問題について近年どういうふうな取組をしてこられたかといった問題、またさらには、いろいろな狩猟免許証の、山の中へ行くときに持って歩けるように小さくするとか、そういうようなことは三年前に取り組んでいただいたわけですけれ
ども、今ちょっと問題として出てまいりましたのは、やはり銃刀法の許可、特にライフルについての許可につきまして、
国家公安委員長の御英断をお願いしたいといったことについて質問させていただくわけでございます。
まず、鳥獣被害につきましては、都会に住んでおられる方は何のことかお分かりにならないかなというふうに
思います。しかし、先般、テレビを見ておりましたら、神戸かどこかの町にイノシシの親子が夜な夜な出没する、親子で町の中を突っ走っているというような映像もございました。
私
どもの
地元では、シカとクマ、猿、イノシシ、この被害が甚大であります。
シカにつきましては、林業を得意とする町で植林をしましたところ、五千本の若木が全部芽を食われてしまって全滅してしまったというようなこともございます。それから、クマにつきましては、三十年とかそれぐらい成木した木を自分の背の立つところで皮をはぐわけですね、つめを磨くためか。それで、三十年ぐらいして今から売り物といった木が枯れてしまうといった被害も出ておるわけです。
それから、イノシシにつきましては後ほど申し上げたいと
思いますが、猿がこれまた大変な悩みでありまして、農家の主婦が家へ帰りましたら、台所で猿が冷蔵庫を開けておった、それでびっくりしまして見たところ、猿がぐっと主婦をにらみ付けて、それで買物袋のものを持って屋根の上へ走っていったと、こういうようなことがもうちょくちょく聞かれるわけです。
それから、猿というのは非常に賢くて、収穫時期に爆音器を設置いたしましたところ、逆に収穫時期を教える効果になってしまって被害が増加したと。昨日も町会
議員が来まして夜一緒に懇談しておりましたら、猿は賢くて、あした庭のキュウリを取ろう、収穫しようと思ったら、その日の朝、猿が収穫、取っていくというように、非常に賢い、また何でも食べると。それから、犬を猿対策用に危害防止のために鎖を付けて飼っておったところ、初めは猿も警戒しておったんですが、ある程度以上近づいてこないなということでからかうようになりまして、犬がノイローゼになった、根負けしてしまったと、こういうような報告もあります。
それから、農作物を食べることによって栄養状態が良くなりまして、寿命が長くなることや子猿の死亡率が低くなることが知られておりますが、それだけではなく、雌猿の出産期間が長くなり、特に高齢、括弧しておばあさんと書いてありますが、おばあさん猿が妊娠していることをよく見ると。それから、嶺南地区には五十群の野生ニホンザルが存在するが、農作物を食べている群れは体格が大柄でニホンザルとは思えないような身長の高い群れもあると、こういう状況でございます。
私
どもの地域は、ちょうど滋賀県と琵琶湖の裏の山が福井、私の
地元の裏とも接しております。それから、「丹波篠山 山家の猿が」というあの京都の山ですね、兵庫、それから九州に至るまで、大変に野生の鳥獣が繁殖しているわけです。
これは原因は何かといいますと、いわゆるドングリとかそういうような濶葉樹がなくなって、針葉樹、杉の植林によってえさがなくなったから近寄ってくる。あるいは、過疎が進んで、農家の方が山の中の田んぼまで耕しに行かないということから、だんだん人家の方へ攻めてきたと。
それから、最近、雪が降らなくなったわけですね。雪が降らなくなったんで、イノシシが我々の地域、全く奥越という山の中なんですけれ
ども、そういうところにもイノシシが来るようになったと。何で雪が降ったらイノシシが来ないのかなと昨日言っていましたら、いや、イノシシは胴が大きくて手足が短いので、雪だとずぼずぼはまって歩けないと、こういうようないろいろ事情があるわけです。
それから、イノシシに一番頭を悩ますわけですが、イノシシは、さっきの猿と同様ですが、何でも食べる。春はタケノコから始まり、ジャガイモ、米、サツマイモ、大豆、ユリネ、根菜類などなどと。それから、イノシシは御
承知のとおり豚の種族でありまして、非常に子供をたくさん産むわけですね。稲の収穫直前に親子七頭が毎晩水田に侵入し、約三日間で十アールを、一反を全滅させたと。それから、イノシシが暴れた田んぼの稲は、仮に刈り取ることができてもイノシシのにおいがして売り物にならない。農協のライスセンターでも受け入れない。
それで、その猟の方法として、わなとかさくでよけるとかいろいろあるわけですけれ
ども、ある町で鉄製のおりを作成し、集落に貸し出した。イノシシがうまく掛かったが、おりが大き過ぎて、イノシシは助走しておりの扉に体当たりを繰り返し、とうとう壊して逃げてしまったと、こういう話もあるわけでございます。
そこで、農林水産省、政
務官も佐賀県御出身でありますので、同じような被害もあろうかと
思いますが、今、全国におきます農林業被害の現状と対策についてお聞かせいただきたいと
思います。