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田嶋陽子君 今、参加国と言われましたが、今のところはスペインなどEU等だけです。
ところで、結局、原子力発電を始めたときに、将来的には技術が向上して放射能の影響を少なくさせることができるんだろうという見切り発車だったと思います。かえって今になって困っているんではないでしょうか。ただ作ればいいというのは、これまでの、そう言うと申し訳ありませんけれども、何でも後始末を女房にさせていた男の政治の典型だと私は思います。ただ作ればいいということとは違うと思います。ITERは実験炉ですから、いずれ解体することになるのは避けられないと思います。文部科学省によれば、原発「ふげん」の解体にも約八百四十億から八百七十億掛かるという、大変なお金が掛かるわけですね。
その上に、先月、政府は地球温暖化
対策推進大綱を公表しました。原発が二酸化炭素を排出しないことを重視して、これから国のエネルギー源として原発を
推進していくということなんですね。私にすれば、これも時代に逆行していると思います。二酸化炭素排出量を抑えることがほかにも幾らでもいろんな選択肢があるのに、何ですぐ原発
推進に結び付くんでしょうか。
地球の生態系全体を考えると、二酸化炭素の排出以上に、放射能によって様々な
被害が引き起こされているわけですよね。例えば、カザフスタン、フィンランド、
イギリスの共同研究チームの
調査によれば、四百七十回の核実験が行われたロシアの核実験場セミパラチンスク周辺地域では、住民の生殖細胞
調査の突然変異
発生率が通常の二倍になっているそうです。ましてや恒常的にITERの施設が
設置された地域では何が起こるか、想像しただけでも恐ろしいと思います。チェルノブイリでは、原発事故の後、豊かな穀倉地帯が失われています。それから、アメリカのネバダ州では、先ほど議会のあれが、合意が得られなかったと言いますけれども、今、アメリカでも一生懸命考えていまして、そのネバダ州では核実験の後遺症として土壌が汚されて、そこに住む人々が苦しんでいるんですね。つまり、放射能汚染というのは大変恐ろしいことだということを原爆を受けた
日本がまだよく認知していないというのはとても悲しいことだと思うんです。
アメリカがITERから脱退するのもそういう背景があるということで、尾身
大臣は四月五日の共産党の吉井英勝
委員に答えてこんなことを言っていらっしゃいます。資源の乏しい
日本が原子力開発を進めなければならないと考えていることは
お話を申し上げたとおりでございますが、その中で、やはりウラン235は〇・七%しかない、だから、238を活用するためにはどうしても核燃料サイクルの確立が必要だと。プルトニウムの平和利用、有効利用ということは大変大事だとおっしゃっているんですが、四月二十三日の
新聞、東京
新聞と朝日
新聞を見ましても、湾岸戦争でこのウラン238を、約三百トンの劣化ウランを多国籍軍はイラク側の戦車や装甲車に向かって撃ったわけですね。そうしたら、そのウラン微粒子が飛んで、もちろん亡くなった方は別として、そこにいた地域の人たちだけでなくて、兵士たち、アメリカの兵士たちも体調異常を来していると。例えば、子供たちに関しては、このような白血病の症状がいろいろ出ている。それは、一九九一年の湾岸戦争から十年たって子供たちに、母体から子供たちにと、こういう形でも伝わってくる、これがウラン238なんですよね。
そこで、誘致に際して、尾身
大臣にお
伺いします、住民の意見を十二分にお聞きになっていらっしゃいますでしょうか。