○渡辺秀央君 午前中から同僚議員と
政府側の
質疑を聞いておりまして、もっともだなと思ったり、ちょっとおかしいなと思ったりいたしてまいりましたが。
いずれにしても、これは
大臣、そもそもだ、そもそもかつての郵政省、これが
民営化を目指した方向で行政改革という橋本
内閣のときにその方向付けがされてきた。そのよって来る理由は、よって来た理由はいわゆるバブルで、バブルで
資本力が少なくなり、あるいはまた大企業相手の金融営業をやってきた大手
銀行その他が
郵便貯金にある大量の貯金を見て、言うならばこれが政府に一極集中されている、だからそれがもし
民間にあればと、そういうこと。
もちろんそれは、それ以前から小泉さんは自分で政治家としてそういうことの、バブルの崩壊の寸前ぐらいのところから貯金の
民営化というような話を主体にして
一つの方向性をお出しになった。政治家ですからいろんな意見があっていいんだろうと思うんですけれ
ども、要するにこの原点を
考えてみると、
国民のための
国民の行政をやってきたことが、そのことが言わばすべてが否定されたとは言いませんけれ
ども、半分ぐらいは否定されて、半分ぐらいは残されていくのかなと。非常に私も経験者の一人として大変寂しい思いもありますし、ああ、ここまで来たんだなという感が実はいたしますよ。ある
意味では、おっしゃるように
競争の原理によって、そして
国民の
サービスが隅々まで行き渡る、あるいはまた期待に沿って新しい商品が開発されていくということにもなるのかも分かりません。
〔
委員長退席、理事
景山俊太郎君着席〕
だがしかし、今日、この日本の経済状態の中における
金融機関の不安感というものを背景にしたときに、
国民はどう
考えても、いや、むしろあの五年前、六年前ですら、
国民は
郵便局の本来これは貯金が集まり過ぎで、しかも
民営化されるべきであって、
国民あるいは地域にとって不便であって、行政的に非効率的であるというような判断は当時もなかったんですよ、本当は。本当はなかったんです。
それは、行政改革というのは基本的には、私が思うには、行政の不効率あるいは国家
国民のためになっていない、そういうところが行政改革の一番のスタートの原点だったはずなんです。だけれ
ども、確かに
郵便局は一生懸命やった、そして貯金も保険もかなり成績を上げていった、だから目障りになった。これも自由経済の中では少し突出した感があり、ある時期においては貯金
局長は
全国の
郵便局に対して貯金を集めるなという指示までしたんですよね。それは、要するに役所であるがためのバランス感覚はあったんですよ。
しかしながら、今日まで
郵便とか
簡保とか貯金とかというこの三点セットということに対する今までの成果、今までの国家に対して、
国民に対して、言うならば国家といえば、それは国はずっと戦争中、軍事政権であったにしても何にしたって続いているわけですから、
国民は営々としてこの日本の国の中に生活をしてきたわけですから、そのときの政権が良かろうと悪かろうと、しかしその当時の国家
国民に貢献をしてきた三
事業なんですよ、本当は。だけれ
ども、しかし時代の流れでしょうし、言うなら自民党政権が、この三つの政策を明治以来百三十年続いてきた、これも見直しをする、これも仕方がない。私は全面的に否定しようと思っていませんよ。
しかしながら、
考え方の根底が私はちょっと橋本行革のときと若干違う危惧を持っている。それはどういうことかといいますと、そこはだから
大臣、後で僕は希望を言いますけれ
ども、都会
中心なんですよ。都会
中心といわゆる
金融機関中心、ある
意味においては大企業、そういうものを頭に置いた改革路線ということがもしも、もしも進められていくとするならば、私は若干の橋本行革に対しても批判は持っているけれ
ども、それを全面的に否定しない立場にあっても、それはおかしな、あるいはまた非常に心配される問題だなと。
だから、
郵便局の設置の問題、あるいはまたひまわりなんというようなことを今言っているけれ
ども、あれは昔は北海道で若い人たちが出稼ぎに出て、老人が車でもって買い物をしなきゃならぬところが、車で運転して自分の生活費あるいは薬を取りにも行けないと。それを
郵便局員が手紙を持っていきながら、せがれのあるいはまた貯金を振り込まれてくる、そのことを教えて、知らせに行く。ついでに悪いけれ
ども病院の薬を持ってきてくれよと、そういうところから始まったんです、あのひまわりというのは。要するに、
国民と地域、政府とそして地域ですね、これは一体の中で本当は郵政三
事業というのは進められてきた。だからこそ、百三十年も続いたんじゃないでしょうかね。私はそう思いますよ。そういう
意味においては、先ほど申し上げた昨今の
状況を非常に私は心配をいたしております。
しかし、今の段階で
修正案も出され、そしてこの
法律が言わば
公社法としてスタートして、国家公務員の中の三十万人の生活、三十万人のいわゆる家族、そこにつながる家族、そういうことを
考えていくと、少なくとも今私ももちろん野党の立場ですから無責任なことを言うわけじゃないけれ
ども、これは今
公社法というのは速やかに発足させて、そしてさっき
大臣も
答弁しておられたけれ
ども、より良い方向に実践をしていくということがまず先だろうなというふうに思いますよ。
善かれあしかれ、寝てぼたもちをほおばったような話をして、現実を無視した
議論をしても始まらない。実際には、これスタートしていかなかったら、既にそこに三十万につながる百万人に近い家族が、
国民がどうなるかということにもつながるわけですから、これ、政治としては、
国民の生命と財産と明日の生活をより良くするための約束をしていくというのは政治の本旨ですから、そういう
意味において、私はこの
公社法というのが、賛否の問題は別にしても、私は本当はもう
修正で賛成してもいいと思っているんです、本当は。だけれ
ども、それぞれ党の立場もこれあり、この賛否のことはこれから
考えます。私自身、政治家として判断をします。
だけれ
ども、しかし、これはなるべくそういった今までの歴史、それからそのノウハウですね、そういうものを大事に
考えた
公社の移行で、しかも
国民が信頼をしてきた、それを持続できるのかということに対して、先ほどの
大臣あるいはその他
総務省の諸君たちの
答弁を聞いていると、その目先のことの
答弁なんだ。私は、実際にはやっぱり教育だと思うんですよ。
郵便局をやっていく人たち、あるいはまたいろいろの
事業をやっていく人たち、そういう人たちの心構えが非常に大事だろう。使命感、責任感。いや、今度は
公社だ。国家公務員の扱いにはなっているというだけのことであって、変わらないんだけれ
ども、しかし
公社法だと。
しかも、後でお聞きをしたいが、やがてはこんなもの
民営化されるんじゃないかなと。我々、いつのときか、国家公務員から少なくとも資格を失っていくんじゃないか、そんなような不安感を持ったことでは私はいけないのではないかという感じがいたしますが、
大臣、今私が若干申し上げたことについて御意見があったら、特に人の問題、三十万の郵政、今、電気通信の方にも少し行っているからすべて三十万だとは思わない。だけれ
ども、しかし、そういうことに対してどういうこれから責任、使命を、モラルを継続させていくという決意を持っておられるか、お聞きをいたしたいと思います。