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内藤正光君 いろいろお答えいただきました。私も、やはり
一つ一つうなずきながら聞いていてそうだと思います。
ただ、私は、やはり一番大きいのは、副
大臣おっしゃった
ハナロ通信の役割なんだろうと思います。
御存じのように、
日本に
NTTがあるように、
韓国には何があるかというと
韓国通信があると。
通話、
通信事業をずっと営んできたと。もしそれだけだったら、私は
韓国は決して今
ブロードバンド先進国にはなっていなかったんだろうと。やはり
ハナロ通信が、二番手の
ハナロ通信が果敢に、それこそ最初、こんなんで本当に
もうけが出るのと思われるぐらいの値段で
世界に先駆けて
ADSL事業に
参入をしたと。そして、これがうまく当たって、半年遅れで
韓国通信が慌てふためいて
ADSL分野に
参入をした。その後、何社かが
参入をして、この
電気通信事業者同士の大変な争いになったと。これが私は一番大きな原動力じゃないのかなというふうに思うんです。
実際、聞くところによれば、
ハナロ通信自ら
回線を引いたというんです。私は
向こうの、行って、会長に聞いてみました。何で
光ファイバーを
自分で引いたんだと、
韓国通信から借りればいいんじゃないのかと言ったら、いや、当時は
韓国通信には
回線開放の
義務は負わされていなかったと。しかし、仮に
回線開放していたとしても、やはり
自分で引いたと言うんです。何でなんだと聞いたら、いや、
韓国通信は、あれは
通話事業を営むために引いた
回線であり、うちは、
ハナロは
データ通信サービスを営む
会社なんだと。やはり品質で差を付けるためには、もう直前まで
光ファイバーを引いて、一軒家だったらばそこから小分けにする。おっしゃったとおり、確かに
向こうは
集合住宅志向が強いので
集合住宅が多い。だから引きやすさもあったんでしょうが、そういう
ハナロのやはり果敢な挑戦。本当は、
ハナロ通信参入の
時点で、
韓国の
お金で五千円もらわなければ絶対ペイしないと言われていた。しかし、
マーケット調査によると五千円じゃ絶対
普及しないと、四千円を切らなきゃいけないと。そこで、三千八百円でがんと市場に
参入したと。当然三千八百円じゃペイしないわけです。しかし、
ハナロはそれをやってのけたんです。
私は、今、
日本を振り返ってみますと、どうも何か
政府頼りの、お上頼りの、何か低次元の争いばっかりが目に付いて、こういう果敢な挑戦というのが余り見えてこないんです。是非、私はこの
韓国の、特に
ハナロのこの気概を
日本の情報
通信事業者、
NTTに限らずすべての情報
通信事業者に学んでいただきたい、そんなふうに思います。
これは私の意見でございますので、別段御
所見はいただく必要はございませんが。
あともう一点、
世界を回った中で
一つ質問をさせていただきたいと思うんですが、
世界の
IT立国と言われる国々、いろいろな
IT立国の発展の仕方はあれど、共通して言えるものが幾つかあります。その
一つは、やはり産学官の連携なんだろうと思います。それも国、一国全体の産学官の連携ではなくて、
地域それぞれの産学官の連携、大学に眠るいろいろな知的財産、これを産学官の一体となった取組でビジネスへつなげていく。
例えば、フィンランドなんてそうだと思います。
大臣も昨年行かれたと思います。私はちょうど同じ時期にフィンランドに行ってきたんですが、フィンランドでは、
御存じのように、一九八〇年代までは主産業は何であったかというと木材パルプだったわけなんです。有名なところではアーリッカという木材加工メーカーがあるわけなんです。水と森のきれいな国、これがフィンランドだったわけなんです。
ところが、フィンランド、一九八〇年代から、このままじゃ駄目だと、やはりフィンランド、自国を引っ張っていってくれる力強い経済が必要なんだということで、八〇年代以降この新しい産業育成に乗り出した。具体的には、
全国にある大学を十四指定して、その近くにハイテクパークというものを
全国指定したわけです。そのハイテクパークを拠点として産学官でいろいろな産業を育てていった。あるところはIT、あるところはバイオ、いろいろな形で育てていった。そうしたら、あれよあれよという間にフィンランドの産業構造が転換して、今では
御存じのように
世界で一番国際
競争力を持つ国、ハイテク立国、これがフィンランドなんですね。
これを言うと皆さん驚かれるんですが、あのノキア、フィンランドの
会社です。今でこそ
世界の携帯
電話の
会社。あれ一昔前何の
会社だったかといえば、あれ長靴作っていた
会社なんですよね。あれが今日、今、
世界の携帯
電話会社になったと。この劇的な転換というのは、正にフィンランドの変遷を物語る象徴的な出来事だったろうと思います。
要は、何を言いたいかというと、
地域がそうやって国に頼らず一生懸命こうやって頑張っていった。こういった姿がフィンランドにも見られるし、またアメリカにも見られるわけなんです。また、インドにも見られるわけなんです。そういった観点で
日本を振り返ってみますと、私は
日本、可能性を持った
地域ってかなりあると思うんですが、しかし、一部、福岡県だとか、麻生知事の旗振りの下、頑張っているところは見られますが、必ずしもそれが多くない。
そこで、地方自治体を所管される
大臣にお尋ねしますが、こういったフィンランドだとか諸外国の頑張りようを見て
日本はどうなのか、ちょっと御
所見を伺いたい。このままでいいのかどうか。交付金だとか補助金に頼るような、このままでいいのかどうか、こういった御感想も踏まえて御
所見をお伺いしたいと思います。