○大塚耕平君 お手元にお配りした資料の一を見ていただきたいんですが、この間もちょっと御
説明申し上げましたが、これは
是非今後の参考にしていただきたいですし、みずほグループから
報告書が上がってくる過程でよく議論をしていただきたいんですが。
小さなシステムでもバグとかプログラムミスというのはありますし、あれだけ大きなものを作れば何にもないなんということはむしろ珍しいんですね。だから、起こったこと自体は、私は、まあ実際、多少自分もやっていたことのある人間としては余り厳しく言いたくないなという気はするんですが、単体テスト、つまり、プログラムというのはいろんなものが合体して大きな全体のものになりますので、そのパーツパーツの単体テストをきちっとまずやって、パーツパーツで問題がないということが分かって今度結合してまたテストをする、そこでもまた完璧を期していく、このステップを踏んでいればまず大方のことは防げると。
だから、今回、よその金融関係のITの担当の方に聞いても、考えられないと言っているんですね。考えられないというのはなぜかといったら、多分こういうプロセスをちゃんとやっていないからなんですよ。やっていないというのは、だから時間がなかったということなんですね。
加えて、時間がなかった理由の
一つには、やっぱり三行のシステムを単にパッチワークでつなぎ合わせるという、一見簡単なようで簡単じゃないそういう選択をしてしまったことにも原因があるわけです。
あとは全銀協や日銀やあるいは他行も全部含めた全体のテストを本当にやるかどうかというのはまた別の問題ですけれども、しかし内部の総合テストですら十分でなかったことは事実なわけであります。
さらにもう
一つ申し上げると、この間の前田さんの御発言でお分かりのように、当日、移行が失敗するということは考えていなかったという計画なんですね。でも、システムの移行のときに失敗することを想定していない移行作業というのはあり得ないんですよ。だから、必ず移行作業の最後の局面で、これだったらゴーサインを出していいというその判定会議を
関係者全員でやって、最後はだれかが
判断をしなきゃいけないわけですが。
もし、だから、前田さんのこの間の御
答弁が正しい正確な
答弁だとすれば、絶対に障害が起きないという前提でフォールバックを考えない移行作業をやったわけですから、絶対に起きないことが起きたということは、これはやっぱり責任は免れませんね。
だから、フォールバックもあり得るということを前提に、しかし最後の
判断をする局面で情報が足りなかったので
判断が十分にできなかったというんでしたら、これは例えば石坂専務の責任ということもあり得ます。しかし、前田さんの御発言だと、そもそも二十何日かの
段階で、もうこれは絶対いけるということで、当日はもうフォールバックはあり得ないというお考えでやっていたとしたら、やはり僕は、これだけ大きなシステム統合をされる最高責任者としてはちょっといかがなものであったのかなと、このように思います。
それで、資料の三をごらんいただきたいんですけれども、これは余計なお世話ですが、
是非その
報告書の中で、これから徴求される
報告書の中で、この三点並びにこの間申し上げた「補」のところを明らかにしていただきたいんですが。
まず、そもそもシステムの基本計画は適切な内容であったか。ここが不適切で時間がないということになったんだとしたら、やはり旧三行のトップの調整責任というものがありますね、
判断責任。それから、仮に三行のパッチワークのシステムでもしようがないという
判断が正しかった、つまり一が正しかったとしたら、そういうシステムをスタートさせるに当たって、本当にこの四月一日が適切であったかどうかという、そこの
判断の問題もあります。だから、これは、あれだけのものを休日が二日間の間にスタートさせるということはあり得ないんですよ。
実は、金融界というのはここ数年大変な大移行作業が続いていまして、一九九九年のときにはユーロの導入、外為関係でシステムの大変更があって、やはり年末年始に掛けてやったわけです。二〇〇〇年のときは、御承知のように二〇〇〇年問題で年末年始でやった。去年はRTGSという、これは大移行があって、それぞれ間の日数が多い日を選んでやっているわけです。
それはなぜかといったら、途中でフォールバックしなくちゃいけなくなるような場面を想定して、戻すだけの時間的余裕を考えて日を決めているわけです。だから、今回、間が二日しかないというところを選んでいること自体、もうやっぱり失敗は想定していなかったということになるんですね。
本来、私は、その三行のパッチワークのシステムを作るんだったら、例えばメンツにこだわらずにゴールデンウイーク明けにすれば良かったんです、ゴールデンウイーク明けに。ところが、やっぱりこの四月の頭からみずほとしてスタートして、新入行員にも、今日我々はスタートしましたという、
金融機関にありがちな体裁を重んじた結果ではないかという気もしますので、この二番目の問題についてもきっちり
報告書の中で分かるようにしていただきたい。
そして三番目。これは移行作業の最終
判断、前田さんの責任にかかわってくるところだと思います、最高責任者としてこれでゴーサインを出すということを決めたわけですから。
これについては、新聞報道によると、前の週の金曜日の夜からもう不具合が何となく情報として上がってきていて、週末の土曜日には前田さんもいろいろ了解していたという話も聞いていますので、それでもなおかつゴーサインを出したというこの最終
判断についての責任は非常に大きいと思います。
まず、ここまでに関して、以上の私の私見もお聞きいただいた上で、
銀行法二十四条に基づく最終
報告をいつごろ御提出を受けて、金融庁としての処分をいつごろ明らかにされるのかを、御見解をお伺いしたいと思います。