○円より子君 今、
柳澤さんがおっしゃったような、そうですね、銀行がリスクに見合う金利を上げていくというそういうことで、じゃ、うちはそれじゃ無理だからと言えるところはいいんですけれ
ども、そういうことはもっと本当は五年も六年も前に銀行がやっていたら随分助かった企業は多かったと思います。でも、ほとんどそのときにはできないで、皆さんノンバンクの方にやっぱり行って、中小企業のほとんどはノンバンクから借入れをして、今まで融資の、それこそ貸し渋りじゃなくて貸しはがされたものをノンバンクに行って金利の高いところで借りているから、どんどんどんどんまじめに働いてやってきたところがつぶれていくとか、もっとひどい状況になっていく。
そして、今ごろ少し銀行がちょっと金利を上げてどうだと言ったって、もう借りられないわけですよ。保証協会の保証がない限り、今、銀行、全然貸しませんしね。そう言うと、
柳澤さんのお話、私などよりずっと金融に詳しい専門家でいらっしゃいますけれ
ども、どうも私は机上の空論、そういうふうに申し上げたら大変失礼かとも思いますけれ
ども、現場で本当に零細企業、小企業で頑張っている方たちのことがお分かりになっていないような気がするんですね。
もう一枚、先ほどお配りしました資料の、もう一枚のこの表を見ていただければ分かりますけれ
ども、(資料を示す)今まで随分
政府は、資金需要がない、企業が投資を必要としていない、資金を、融資を必要としていないとずっとおっしゃってきていましたけれ
ども、これは日銀短観ですが、中小企業の資金繰りに関する指標は九七、九八年の金融危機のときよりも悪化しております。それで中小企業に資金需要がないという話と全く整合性がありません。
先ほど言いましたように、こうした中小企業は
事業者向けに貸付けを行うノンバンクから借りていますし、もっと、今はやみ金融から借りていますから、ひどい金利になっております。もう利息制限法なんかとっくに突破しております。そういう企業、ざらにあるんですよ、本当に。だからこそ、借金が返せなくなって、毎日ちゃんとまじめに働いていてもどうしようもないから、自殺してその保険金で返さなきゃいけないというような状況が起きていまして、今一番働き盛りの自殺がこの三年間連続で三万人超えております。これは大変異常なことです。これを二万二千人にしたいなんてばかな数字を出している省庁もございますけれ
ども、そんな数字目当てで私は自殺は減らないと思っております。
それで、もう御存じのことですけれ
ども、
日本では中小企業というのは
事業所レベルで九九・三%あるわけです。この中小企業のほとんどがバランスシートを悪化させておりまして、先ほど言いましたように、優良企業と銀行に認定されて融資を受けるなど、また少しリスクを取って金利高く上げたって、こんなところは受けられるはずがないんです。皆さん困っています。
そこで、
政府系金融機関を含めた全国の金融機関の中小企業向け貸出残高表というのが中小企業庁から出ておりますが、
平成元年が二百六十六兆円、これは前年比一一・九%増となって、その後どんどん融資額が増えて、
平成七年、ここでは三百四十九兆円とピークなんですが、その後下がり始めて、一番貸しはがし、貸し渋りのひどかった
平成十一年には三百六兆円と、四十三兆円も差があるんです。たった四年間で中小企業向け貸付融資は四十三兆円も
減少しております。
これにはまだ実はあれがありまして、
平成十年、御存じのように、中小企業緊急対策として安定化資金
制度が実施されました。これで約この二年間で二十兆円の無担保の保証付融資が実施されたわけですから、つまり
政府から二十兆円が出ておりますので、金融機関プロパーでは六十三兆円も
減少したことになるわけです。四年間で六十三兆円も血液を抜かれてしまったら、健全な体だって立っていることだって大変だということはどなたでもお分かりになると思います。
それで、今度は
塩川財務大臣にお聞きしたいんですけれ
ども、私は、こういう中小企業への融資が減り続けている銀行の状況ですとか、量的金融緩和をしても全くマネーが市中に流動しない、銀行に滞留しているだけ、リスクテークのゼロの国債を買っているだけというような状況は、もう正に中小企業の人たちは人災、失政だと思っていらっしゃいますが、この点についていかが思われるでしょうか。