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委員長(
加藤修一君) この際、便宜私から、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、
日本共産党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)、以上の各派共同提案による
三宅島の
災害対策に関する
決議案を提出いたします。
案文を朗読します。
三宅島の
災害対策に関する
決議(案)
平成十二年七月の
三宅島雄山の噴火から既に二年が経過しているが、依然として
三宅村村民は避難生活を余儀なくされ、帰島の目途は立っていない。離島村民の二年近くに及ぶ全島的避難生活は、他の
被災地域においても例を見ない。
この間、国、都及び村において様々な
支援措置が講じられており、とりわけ都においては、独自の
被災者生活
再建支援金の支給を始め、保健衛生、
住宅、農林水産業、中小企業、雇用・就業、就学等、諸般の分野で
対策が講じられている。しかし、行政は、村民が
各地に散在して生活しているため、その効率が低下し、村民は、長期に及ぶ避難生活から安定的な就労や進学が困難となり、生活の困窮と精神的な疲労はその度合いを増している。
三宅島においては、昨年以降、大量の降灰を伴う大規模な噴火は観測されておらず、火山性ガスの量は漸減の傾向にあり、昨年七月から村民の一時帰島も行われている。
災害復旧工事の作業員のためのクリーンハウスが設置され、泥流や降灰の除去、砂防ダムの建設、幹線
道路の整備等が進みつつあるが、村民にとって、家屋の修復、
農地等の降灰の除去には多大な費用負担が必要である。電気、水道等のライフラインの
復旧も進み、徐々に村の復興に向けて生活や産業の基盤が整備されつつあるが、この地での安住と生業の確保にはほど遠く、なお一層の整備の
促進が必要である。
三宅島は、村民の故郷であり、生活の足場である。現在、帰島後に向けて村の復興計画が検討されているが、生活の目途が立たない限り、その足場を島外に求めざるを得ないという村民もあり、一刻も早い
復旧、復興が求められている。しかし、村の
財政基盤は脆弱であり、また、避難生活は更に長期化する懸念もあることから、国家的見地からの救済が必要であり、
政府においては
財政措置と行政
施策に最大限の
対応が要請される。
こうした
状況を踏まえ、
政府は、早急に島の復興と村民の生活の安定を図るため、都及び村と緊密な連携を図りつつ、左記の事項について積極的に
施策を講じるとともに、順次予算編成に反映するよう努めるべきである。
一、村民の
生活支援に際し、村民の意向を十分に踏まえた措置を講じるとともに、教育、就労、健康等のための相談
体制の充実を図り、精神的ケアについても
支援策を講じること。
二、
災害支援におけるボランティアの果たす
役割の重要性にかんがみ、
NPO等との連携を図りつつ、ボランティア
活動の環境整備に努めること。
三、
被災者の避難が長期化していることにかんがみ、
三宅島火山
活動災害に係る特別立法の制定に向けた要望も踏まえつつ、
生活支援に関する既存
制度の弾力的
運用及び拡充を図り、被災家屋の
再建等のための円滑な措置等を含め更なる
支援措置の実施について検討するとともに、帰島後の生活及び事業が速やかに再開できるよう
被災者対策に万全を期すこと。
四、避難生活においては就労が極めて厳しい
状況にあることを踏まえ、公共事業における就業機会の優先確保、緊急
地域雇用創出特別交付金事業の弾力的活用等の就業
対策の充実に努めるとともに、島の本格的復興事業にできるだけ早く着手することにより雇用機会の確保を図ること。
五、児童・生徒の円滑な就学・進学に資するよう教育資金の援助に特段の配慮を払うとともに、児童・生徒の意向、将来の動向をにらみながら島における教育
体制の見直しについて早期にその方向性を示すこと。
六、村民にあっては帰島が当面の課題であることから、一時帰島に要する費用の軽減措置を講じるとともに、帰島時の村民の安全確保に万全の
対策を講じつつ一時帰島での宿泊滞在が可能となるよう措置すること。
また、帰島プロセスの在り方について、段階的・
部分的帰島の可能性を含め、専門家の協力を得ながら、広範な
観点から検討すること。
七、
活動火山対策特別措置法に基づく避難施設緊急整備
地域に指定されたことを踏まえ、村民の滞在型の一時帰宅及び本格的帰島に備えたクリーンハウスの早期設置を
促進するとともに、本格帰島の時期を勘案しながら早急に避難施設緊急整備計画の下で
道路、港湾、広場、
各地区の退避施設等の整備を推進すること。
八、
三宅島が地震
防災対策強化
地域に指定されたことにも留意しつつ、火山との共存を図るという
観点から
防災しまづくりについて検討し、避難救援手段を確保するため、本格帰島の時期を勘案しながら
道路、港湾等の施設を早急に整備すること。
九、
三宅島の早期復興に向けて、ライフラインの
復旧を確実にするとともに、交通アクセス及び産業基盤の整備を推進し、国、都及び村の
役割分担の下で、観光関連業、農林水産業、商工業等を中核とする
地域振興について各般にわたる方策を検討すること。
十、火山
活動に関する
研究機関相互の一層の連携を図ることにより火山
研究の推進に努めるとともに、
三宅島火山
活動の監視・観測
体制の充実強化を図り、正確で迅速な火山
情報の提供を行うこと。
右
決議する。
以上でございます。
本
決議案を本
委員会の
決議とすることに御
異議ございませんか。
〔「
異議なし」と呼ぶ者あり〕