○
山本正和君 ということだと私も承知しておるんですよ。ですから、まず、各省庁がそれぞれ取り組まなきゃいけないことになっていくんですよ。
ところが、現実にばあっと起こると、大津波が起こると、その場で物すごくいろんなものがどんどこどんどこ要るわけですね。それに対してどうするかということになったら、私は率直に言いますけれども、例えば、
災害対策本
部長が指令をして、実務を指令をしてもう金を
付けてしまうと、逆に言えば。あるいは、こういう現場のいろいろな声を全部受けると。そして、その受ける中で、これをどうしなきゃいけないかということはその場で判断する。後の処理は各省庁でちゃんと、それは国の行政機関ですから、行政機関の秩序に基づいて処理してもらわなきゃいけないにしても、そうしなきゃいけないような場合がたくさんあると思うんですね。
そんなようなことをちょっと思っているものですから、これは一遍閣議辺りで、これは各省庁で議論してもらったら駄目になると思うけれども、総理なりを中心とした、要するに、
災害にどう構えるかというようなことを政治の
課題として閣議の中で一遍議論をしていただいたらどうかというふうに私は思っているんです。
これはお返事は要りませんけれども、そういうのを含めて議論しなければ間に合わないような事件、例えば先ほど
高橋委員が
質問しておった三重県のメガフロートの問題でも、ずっと上へ上がっていくとそれぞれ各省庁ありまして、これは農水省だ、これはどこそこだと、こうなってなかなか大変なんですよ。また、各省庁も善意でもって一生懸命やってくれるんだけれども、それぞれのあれがありますからなかなか処理しにくい、こういうことだろうと思うんですね。
ですから、一遍、そんなことについて国の責任としてやっていくときに、この
災害の問題をどう構えるかということは一遍抜本的に構造改革の中で議論していただく、こんなことを
大臣にひとつお耳に入れておきますから、御検討の中に入れてください。
そこで、ちょっと私、
皆さん方に御紹介しておきたいと思って、昔の
日本人が
災害のときにどんな思いで何をしておったかということについてのあれですけれども、南海大
地震です。これはそのときに、町長さんの言葉ですよ、「昭和大津波記録」、こういうやつです。紀元二千六百四年と、こういくんですよね。これはこの辺で言ってもちょっと
皆さんぴんとこないかもしれませんけれども。要するに、大変な波が来たと。波の中で家が崩れてどうにもならなくなってきたと。そして、お父さん、お母さんと子供は離れていると。お父さん、お母さん、山におる、あるいはお父さん、お母さんってほとんどもう兵隊に行けないような弱い人ばっかりですよ。そして、ほとんどいないという中で、その
為ニ子供ハ父母ヲ呼ヒ父母ハ子ヲ捜シ夫ハ妻ヲ妻ハ夫ヲ求メテ叫ブ声、又漂流セル
住家ノ屋根ニ或ハ船ニ或ハ流材ニ取リ縋リ湾内湾外ニ救ヒヲ求メテ声ヲ嗄ラシ叫ブモノ実ニ阿鼻叫喚此世宛ラノ生地獄ヲ現出シ其ノ状景全ク物凄ク町民ハ各々高所ニ手ヲ拱キテ只呆然タルモノ多ク或ハアレヨアレヨト許リ指差シ哀レヲ喚メキ立ツルモノ又蒼然トシテ戦慄シ右往左往セルモノ等其惨胆タル状景ハ言語ニ絶シ其儚ナサ云ハン方ナカリキ
と、こういうふうな形でもって記録されているんです。
私は、テレビよりもこっちの方が心にじんとくるんですよ。テレビでやると、カメラマンがだっといろいろ映しますけれども、だけれども、本当に町長という人がもう必死の思いでその情景を写そうと思ってこう書くんですね。こういう行政の姿、つくづく思います。我々が
災害のことをいろいろ言うときに、何か知らないけれども、テレビを見て、数量的にしか物事を判断せぬということの情けなさを感じるんですね。
これはとにかく大変な津波の中で、そしてまた、そのときに今度は知事から県民に頑張れという激励の文書も出ているんですけれどもね。戦争遂行の最中だから、みんなで必死になってこれを克服して、戦争遂行のために戦おうと、こう言うんですよね。
要するに、こういう時代における中でも国が
災害に対していろいろなことを思ってやっておる。しかし、そういうことからいったら、今のこの
日本国は、
大臣がこうやって国民の生命、身体及び財産を守ることが国政の最も重要な責務の
一つだと、こう宣言をして取り組んでいくという今の政治の姿というのは、私は極めていい方向へ向かっていると思うんですね。不十分なところはたくさんあります、直さなきゃいけないところ、もっと良くしていかなきゃいけませんね。
そんなようなことを思ったものですから、ちょっと今のところ、初めに、
質問の冒頭に申し上げておきたいんですけれども。
そこで次に、南海大
地震のことについての
対策ですが、これは、先ほどのやつはこれは昭和十九年ですけれども、その前に、もう
先ほどお話がありましたけれども、百年間隔ぐらいで、もうマグニチュード八ですから大変な
地震ですよね、これが来ている。
そういう来ている中で、この前の
地震の
対策のあの表を見たら、名古屋市の辺までちょこっと書いてある、今緊急を要する
地域指定があって、そして三重県は志摩半島のちょっと先の方だったかな、ちょこっと入っているような枠がありましたね。
ところが、実際の話、予知学者の中では当面はあそこは大丈夫だと、こう言っているんだけれども、歴史的に見たら紀伊半島のあの付近に強く出ていると。その辺のことについては一体どういうふうな議論がされておったんでしょうかね、ちょっとそこだけ聞いておきたいんだけれども。