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政府参考人(洞駿君) お答え申し上げます。
第一点目の、営業区域
規制の撤廃によって市場にどのような変化があると考えているかということでございます。
実際は、実態から申し上げますと営業区域というのがございますが、これは需給調整
規制とは全然全く関係ないあれでございますから、自分の営業区域の外に出ていっていろいろやろうとすれば、営業所等々を設置して
事業の実態に応じて営業区域を大きくもできれば小さくもできるわけでございます。そういう中で、外々の、営業区域外の
輸送というのは実際は非常に少のうございます。たまにあるというのが多いと思いますし、それから今の実態は、やはりそれぞれ
事業者は得意
分野というのは持っておりますから、要するに全国を掛けて
輸送する
分野の
事業者もいれば、自分の圏内の得意のエリアを持って、もしそれを越える
輸送の依頼があれば、ほかの
事業者と提携をして
輸送分担してやっていくと。長い目で見れば、そういうふうな営業の方が安定的にきちっと
経営できるというふうに思っております。
それから片一方で、市場の
活性化という
観点から見ますと、今、ネット市場における求車求貨
システムとか帰り荷あっせん
システムの広がりというようなこともございまして、営業区域外のたまに
輸送があったとしても、そこが、営業区域というものが
規制があるがためになかなか思うように
貨物が運べないというような面も厳密に言うと出てくるわけでございまして、あれやこれや考えますと、営業区域を持つ
意味というのはだんだんだんだん、商売上からいうとだんだん薄れてきているんではなかろうかという認識でおります。そういう
意味で、営業区域が今度撤廃されても、大きく
事業環境といいますか、市場の
環境が変わるということは余り考えにくいかなと思っています。
それから二点目の、適正な市場価格というもの、いいアイデアはないかという御
指摘でございますけれども、
運賃・
料金はやっぱり
基本的には荷主と
トラック事業者の契約に基づいて市場原理によって決定されるべきものでございまして、市場が決めるというのが原則でございます。ただ、その
運賃・
料金の
水準というのは、先ほど申しましたとおり、安全や
環境等の社会的ルールを守った上での適正な
競争により形成されなければならないと考えておりまして、そういう
意味では、最近では、一部の
事業者等がそういう安全とかそういう
環境とか、そういうものを無視した低価格
競争に走る余り、
事故とか過労運転等々いろんな問題が出てきているという面もございます。
そういう
意味で、こういうふうな不正な
競争といいますか、そういったものをきちっと取り締まって、それによって、逆に言うと適正な
運賃の形成を促していくというような、そういう手法が必要ではなかろうかと思うんです。そういう
意味で、我々は
運賃形成するに当たって、単に
トラック事業者のみならず荷主も含めた関係者のそういうことに対する理解というものをいろいろこれまでやってきているということでございます。
それからまた、いいアイデアかどうかということでございますけれども、やはり
運賃に占める安全や
環境等のための社会的コストを分析して明示してやって、
トラック事業者と荷主等が交渉する場合の価格、相対の交渉になるわけでございますけれども、そういうところの一助にもなるような、そういうアイデアの提供等というものなどが考えられるかなと考えているところでございます。
それから、白ナンバー
トラックにつきましては、白ナンバーのいわゆる営業類似行為につきましては、
トラック事業全体の健全な発展を阻害して、ひいては
産業活動、
国民生活に対しても悪影響を及ぼすということになるものですから、
国土交通省としましても、関係省庁や適正化
事業実施機関との連携を図りながら、こういう行為の摘発、処分を積極的に行いつつ、許可の取得に向けた指導を強化してまいりたいというのが従来のスタンスでございますけれども、やっぱりこういうふうに非常に厳しい
経営環境の下で、あるいは
物流革新の下で、白というのは非常に非効率であります。だから、白を営業している人にとってもこれはなかなか容易なことではなかろうかと思います。
ですから、徐々に白から青への転換というのは進みつつありますけれども、今後のいろんな
環境問題とかいろんな
施策を考えるに当たっては、やはりその辺のところの、今でも営自の格差を付けるために税制とかいろんな面で差を付けておりますけれども、ほかの、他の
分野についても、そういうふうな格差というものを付けることによってそういう営自転換を促進していくという、そういう
方向でいろいろ知恵を出していくのかなと考えています。