○
政府参考人(
佐々木宜彦君) はい。
実は、一号機の漏えいに関しましては、これは炉内の制御棒の駆動機構下部の溶接部で応力腐食割れによる亀裂が発生し、貫通したことが原因になりました。
前回の
答弁で、この一号機の漏えいと同じ原因あるいは同じ発生の部位で今後漏えいが予測されるような事態に至るものについては他の原子炉十基、それからこれまで点検の実績のなかった五基について今年の五月十三日に事業者に対し点検の指示をいたしました。したがいまして、浜岡の二号機は当然この類似炉の対象の十基の中に入っていたわけでございます。
ただし、浜岡二号機につきましては、一号機の事故がございましたときに既に自主的に原子炉を停止しておりまして、本年二月から約二か月を掛けまして、炉の制御棒の駆動機構の溶接部につきましては水中テレビカメラにより点検を実施しておりました。したがいまして、この点検の結果、浜岡一号機の当該部と同じ部位には亀裂等の異常はなかったとの報告を受けておりますので、その
意味では五月十三日の点検指示の対象とはならない炉でございました。
今お尋ねの二号機の漏えいでございますけれ
ども、浜岡一号機の事象に関します再発の防止
対策が完了いたしまして、実は五月の二十四日の午後から原子炉を二号機は起動いたしました。五月の二十五日の午前二時二十分ごろ、原子炉起動に伴う現場確認におきまして漏えいが発見されました。これは一号機の水漏れの部位とは別の、二系統あります余熱除去系配管のB系のドレーン配管部において発生した事象でございます。つまり、二号機の漏えいにつきましては、一号機の漏えいに起因して中部電力が点検を実施し、異常がなかったことを確認した部位とは別の
場所で、かつ別の原因でございます。
なお、浜岡二号機の漏えいの原因につきましては、一応原因究明の
対策が終わりました。今後、再発防止
対策といたしましても一応の結論を得たところでございますが、なお、現在当省から中部電力に対しまして、当該の浜岡二号機でございますが、水漏れ箇所以外の類似箇所につきましてもこれを選定し今後の
対策を講じること、また運転履歴等につきましても
検討を行うよう指示したところでございます。したがいまして、二号機の漏えいにつきましては、今後、中部電力から私
どもは
検討結果について報告を受けて評価を行うことにしております。
それから、
二つ目の御
質問でございます。
そういう
意味で、前回の
答弁でこのような亀裂は的確な漏えい監視体制を図ることによって早期に把握し所要の
対策を取ることは可能であると申し上げましたのは、一号機の事故でございました原子炉のいわゆる制御棒の駆動機構の溶接部からの漏えいの原因に対しまして申し上げたものでございます。そういう
意味で、一号機の当該部と同じような材料、また同じような溶接工法を採用している他の原子炉十基について、一号機で漏えいが発生した部位と同じ溶接部の
現状を把握するためにそれまで点検実績のなかった五基について事業者に対し点検を指示したと、こういうふうに御
答弁申し上げました。したがいまして、今二号機の問題についてでございますが、これは今また別途の
対策を講じておりますから、前回の
答弁は一号機の
対応について申し上げたということを御
説明させていただきます。
それから、第三の
質問でございますけれ
ども、浜岡一号機の配管破断事故、いわゆる水素の急速な燃焼によるという原因究明、さらには再発防止
対策の
検討を行ってまいりましたが、私
ども、約六か月にわたりまして詳細な
調査やあるいは試験解析を実施してまいりました。
中部電力によります事故原因に関します
調査及び試験解析におきましては、当省におきまして各分野の専門家の御
意見も聴取しつつ評価
検討を行ってまいりました。また、逐次必要な
調査指示も行ってきたところであります。また、第三者機関でございます日本原子力研究所あるいは財団法人原子力発電技術機構に各種の分析や解析評価をクロスチェックという形で、私
どもの考え方あるいは分析に対するチェックあるいは事業者の
調査に対するチェックも行ったところでございます。
このように浜岡一号機の配管破断事故の原因究明とその再発防止
対策に当たりましては十分な
検討を行ってまいりまして、私
どもは確度の高い結論が得られたものと考えております。
また、私
どもの事故
調査と並行いたしまして、原子力安全
委員会におきましても原因究明と再発防止
対策検討が行われましたが、私
ども、当省の
検討結果は妥当なものと結論をいただいております。
また、今回の配管破断事故につきましては国際的にも非常に関心が高うございまして、私自身もこれまで国際会議等の場におきましてこの事故についての詳細
説明を行っております。
以上でございます。