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近藤剛君 ありがとうございます。
最近、景気浮揚に役立つもの、あるいは
経済社会の
活力増強に役立つものということで、規制面の緩和あるいは撤廃についていろいろな提言がなされているわけであります。
これから
大臣もいろいろな声を聞きながら進めていかれるということでございますが、
経済活動の現場あるいは生活者の
視点からいろいろな提言がなされている中のうち、大変頻繁に耳にする規制の撤廃あるいは規制の緩和の案件が
幾つかございます。そのうち三つほど時間の
関係もございますので具体的にお話をさせていただきまして、
関係者の皆様方からもし何かお答えがいただけるのであれば是非お答えいただきたいと、そのように
考えるわけであります。
まず、
一つ具体的にお話しさせていただきたいのがいわゆる非接触型、要するに無線のことですね、ICカードの普及ということでございます。
これは非常に有名な事例でございますので具体的に御
説明するまでもないと思いますが、特にこのICタグと言われるものは物流の合理化に大変重要な役割を果たすものだと言われておりまして、欧米諸国におきましてはこれがかなり普及をして物流の合理化に大いに役立っているわけであります。ICを組み込んだタグ、小さなタグを例えばコンテナに装着をする、そうするとコンテナの移動が、港から倉庫に行き、倉庫から工場に入り、そういうことで物流の把握が非常に容易に行われるという
システムでございます。
ところが、これの採用につきまして、
日本には大変不都合な規制が
幾つかあるということが
指摘をされております。非接触型ICカード、いわゆる無線カードに関する規制でございますが、まず、これは電波を発信をするということでありますので、法律上、無線局とみなされるということでありまして、この無線局の免許を取得をしなければICタグを付けることができないというようなことになっております。
そしてまた、この無線局の免許を取得したとしても、その密着性あるいは近接性というんですか、要するに、狭い範囲でしかそれを使用することができない、また、その域外に出たらまた新たに免許を取得しなければいけないと。膨大な事務時間、そしてコストが掛かるわけであります。
これが欧米並みに改善をされたといたしますと、この市場創出
効果は、二〇〇五年時点で推計をいたしますと、約五千三百億円もあるんだと、そのように言われているわけであります。
それから、もう
一つ例示的にお話しさせていただきたいのは、電気通信機器の基準認証
制度でございます。今お話ししましたような、電波法に定める特定無線設備及び電気通信
事業法に定める端末機器につきましては、
技術基準への適合について指定
機関の証明認定が必要だとされております。
指定
機関といいますのは、財団
法人テレコムエンジニアリングセンターあるいは財団
法人電気通信端末機器審査協会でございますが、製造者あるいは供給者が自ら
技術基準への適合を宣言をするというのが欧米諸国の一般的な習わしでありますが、
我が国ではこのような指定
機関の証明認定が必要だということになっておりまして、それに要するコスト、これは認証手数料だけで言っても年間十六億円、そしてこれによって時間的なロスもあります。欧米緒国と比較をいたしまして、年間二千五百億円に上る損失を被っていると、そのような試算もなされております。
もう
一つ、これは生活者の立場あるいは輸送業界の立場でもございますが、もう
一つ具体的に
指摘させていただきたいのがETCであります。有料道路の料金の徴収
システムでございますが、このETCが
日本ではなかなか普及をしないという現実があるわけであります。
それには理由があるわけでございまして、なかなか、普及をしている特に欧米諸国あるいは一部のアジア諸国に比べると大変な
我が国ではハンディキャップを背負っての出発、このETC
制度の発足があったということでございます。
例えば、アメリカにおきましては、最近、東海岸ではいわゆるイージーパスと言われる
制度がございます。これは車のフロントグラスに張り付ける形のカードでございますが、このイージーパスは二十ドル保証金を納めるだけでこれは車に搭載をできるわけでございまして、不要になったときにはこの保証金は当然返してもらえるということで、コスト的な
負担はほとんどない
システムになっております。
そしてまた、イタリアにおきましては、ヨーロッパではイタリアが一番この面では進んでいると言われておりますが、テレパスという
制度がございます。今申し上げましたアメリカのイージーパスと同様の
システムでございまして、この場合には月額約二百円相当の使用料を支払うということでテレパスの車への搭載が可能になっております。
ところが、
日本におきましては、自動車用品店などでこの積載器、要するに、電波の免許はこれは不要でございますが、三万円から五万円ぐらいする機器を購入をしてそれを取り付ければいいんですが、それだけじゃないんですね。昔の建設省の外郭団体でございますので国土交通省になるんでしょうか、セットアップと呼ばれる手続が必要なんですね。そこで、その手続の後、修理工場に行って取り付けてもらう、そして別にクレジット会社に申請をしてETC専用のICカードを発行してもらわなければいけないと。こういうことで、コストばかりではなくて手間暇、大変な
負担になっている、その結果としてETCがなかなか機能しない。
このETCは、これもし普及をよりさせていくことができるとなりますと、渋滞解消につながることはもちろんでございますが、それに伴って時間的なロスがなくなるということで、これが
企業サイドでしたら生産性の
向上につながりますし、あるいは環境面でもCO2の排出量の削減につながる。要するに、減速して加速する、これがCO2の排出に大変悪い影響を及ぼすわけでありますし、それからまた、料金徴収の現場において
人件費が節減されますので
関係公団の経営の改善にもつながると。要するに、いろいろな
効果はあるわけですが、どういうわけか、非常に高いコストと複雑な手続が依然として必要だと、そういう現状がございます。
以上三点につきまして、何か現状それから今後の方針につきましてお答えいただけましたらよろしくお願いをいたします。