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国務大臣(
武部勤君)
委員御
指摘のとおり、農林水産省におきまして、
平成八年の家伝法改正時、また十三年四月からのサーベイランス要領等により、様々なサーベイランスはしていたのでありますが、これは私も驚いたんですけれども、
我が国の清浄性を証明すると、何度も職員に尋ねましてもそういう
説明でありまして、私はこれは
行政上に構造的な問題があると、こういう認識の下に、これは客観的に科学的に検証する必要があるということで、私がこのBSE問題に取り組んだ、執念を持ってやろうという意を決した
一つは、この第三者による
調査検討
委員会の設置でございました。しかも、このやり方は、もう
委員会の運営にゆだねるということと同時に、私も、竹中平蔵経済財政担当
大臣等にも外国の
委員会の例なども確かめまして、もう既に、データは出しましょう、それから
会議はもう徹底してオープンにしましょう、そういうようなことで、私も、先日の
予算委員会で、
高橋委員長から、一メートルものデータがあったというのは知りませんでしたが、五千ページぐらいのデータも出したわけでございます。その結果、一九九六年の肉骨粉の取扱いについて法規制をしなかったということについて農林水産省の重大な失政という、そういう御
指摘に相なっているわけでございます。
私は、ゼロリスクということはなかなかこれは困難なことなんだろうと思いますが、法規制にすればリスクを低減することは可能であったんだろうと思います。同時に、
EUステータスの問題を始め、様々、ヨーロッパや英国からいろいろな警告がございました。そういったデータに基づいて危機対応マニュアルというものを
厚生労働省やあるいは
都道府県の厚生部局等としっかり連携して作り上げていれば万が一に備えた対応ができたんじゃないのかと、このように思うのでございます。しかし、結果的には、そういったものがなかったために大きな混乱を初期段階にあったわけでございまして、このことは誠に私どもも大きな責任を感じているわけでございます。
また、ただ、サーベイランスも
厚生労働省と農林水産省、違うんですね。
厚生労働省は屠場に入ってきた患畜を敗血症という診断でレンダーに回してしまいました。しかし、その牛については、中枢神経症状で起立不能というものを、農林水産省はこれはサーベイランスの材料として各屠場にそういうおかしなものがあれば提供してくださいというようなことを申し出ていたものですから、その頭の部分はその屠場から家保に提供されまして、結果、BSEが発生したと。ですから、そのものも、そういうサーベイランスも行っていなければもう一頭目も全く世に出現しなかったかもしれない、そういう結果でありました。
いずれにいたしましても、この問題は厳粛に受け止めて、今後やはりリスク分析ということを基本にして、やはりリスクの評価というのは科学的に専門的にきちっと分析する必要があるんじゃないか、それに基づいて作り上げる必要があると。したがいまして、この点については、今後、この四月二日にいただいた報告書に基づいて、総理からも六月までに
行政組織のことも検討せいと、そしてそれの前提になる法整備もそれに間に合わせて十五年度の
予算に間に合うような
体制を整えよという御指示でございますので、その中でいろいろ検討することになろうと思いますが、私は、やはりリスク評価というもの、これはやっぱり独立した
透明性のあるそういったものでやっていただく必要があるのかなと、個人的にはそう考えております。
同時に、リスク管理という問題ですね。リスクがゼロでないとすればどのように対応していくかと、そういういわゆる危機対応マニュアルというものをしっかり
厚生労働省なり農林水産省が連携して作っていくという必要があると思います。
もう
一つは、リスクコミュニケーションでございまして、やはり徹底して
国民、消費者の皆さん方にも、あるいは生産者の皆さん方にも情報を開示して、
国民がお互いに賢くリスクに向かい合っていくという、そういうリスクコミュニケーションというものも大事なんじゃないかと、このように考えておりますが、私ども農林水産省は、生産者サイドから消費者サイドに軸足を大きく移しまして、消費者保護第一という
観点に立って、この食と農の再生に向けた取組をこれからしっかりやってまいりたいと、農林水産
政策の大胆な見直し、
改革に私自身が先頭になって取り組んでまいりたいと、かように考えている次第でございます。