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入澤肇君 久しぶりにこの
委員会で
質問させていただきまして、大変ありがとうございます。
私、衆議院の議事録等読んでまいりましたので、可能な限り基本問題に関しまして御
質問申し上げたいと思います。重複がありましたらお許し願いたいと思います。
実は、政府・与党の社会保障協議会におきまして、いろんな
議論ございました。人口には三方一両損ということが膾炙しておりますけれども、私は当初から、三方一両損だけでは駄目なんで、やはり
制度の基本問題についての
改革が同時セットでなくちゃいかぬというふうなことを主張してまいったんですけれども、
法律では、おおむね二年を目途に基本的な
改革を行うということになりましたので、一応納得しているわけであります。
それにしましても、構造
改革だとか抜本
改革だとか、いろんな言葉があるんですけれども、どうもその
内容が必ずしもよく分からない。それから、イメージがそれぞれ先行しておりまして、各人各様なイメージを持っておるというふうな
状況じゃないかと思うんです。
そこで、この
医療制度の抜本
改革につきましては、私はこんなふうに考えてみたらいいんじゃないかと思っています。
一つは、前提としては当然のことながら、こういう
国民皆
保険制度を堅持する。それから、堅持するために安定的、持続的なシステムを維持する。この二つが前提でございまして、そのためにどうするかという抜本
改革の視点として、私は五つ
指摘できるんではないかと思っております。
一つは、
医療に関する保険負担の、保険あるいは窓口負担の、
国民負担の限度をどの程度まで認めることが適切なのか。要するに、社会保険
関係のいろんな負担と公租公課を含めまして、一応
国民負担率五〇%以内というふうなことを言われていますけれども、その中で
医療保険負担の位置付けをどのようにするか。それから、応能負担と応益負担についてどのようなコンセンサスを得るか。もう
一つは、毎年毎年増大している
医療費の伸びを、何といっても国全体の経済財政の枠組みを超えて大幅に伸ばすわけにいきま
せんので、その経済の伸び率との
関係でどのようにバランスを取るかと。負担
関係ではこういうふうなことが
一つ指摘できるんじゃないかと思います。
それから二つ目には、先ほども
藤井先生から
お話、
質問の中にありましたけれども、最新の科学技術の発展の成果を、リーズナブルなコストでこの
医療保険制度の中にどのようにして速やかに取り入れていくか、そのシステムをどのように構築するか。
例えば、新薬の開発にいたしましても
医療診断の機器材の開発なんかも、これも日進月歩でありますし、それからまた
制度としては、特定療養費
制度なども先ほど御
指摘がありましたようにあるわけでございます。最新の技術成果をどのようにリーズナブルなコスト、
国民が納得し得るコストで
保険制度に組み込んでいくかと、こういう視点が
指摘できるんじゃないかと思います。
三つ目は、密室での
医療とか、それから
医療過誤の問題でいろいろと
指摘されておりますけれども、お医者さんとか薬剤師さんとか、プロ中心のいわゆるクローズドシステムの
医療制度を、
一般国民が理解し得るオープンシステムにするにはどのようにしたらよいか。一番難しい問題は、その中で、後で触れますけれども、診療報酬体系をもっと
国民に分かりやすいものにすることが必要じゃないかと思っているんですが、このクローズドシステムをオープンシステムにするということが
三つ目の視点でございます。
四つ目は、少子高齢化に
対応いたしまして、現に
医療費に占める高齢者
医療費の割合が急速に伸びております。高齢者の人口の伸び、毎年四%、これを上回って八%の割合で伸びているというふうに言われますけれども、この高齢者
医療費をどの程度まで抑制できるかどうか。
それから五つ目は、五千幾つ、非常に分立している保険者の
制度間の調整をどうするか。特に、給付率を統一し、さらにはステップを踏んで負担率の調整へと向かう道筋を明確化することが必要じゃないか。
こういう五つの視点から私は
制度改革に取り組むべきじゃないかと思っているわけであります。特に、厚生省の出された資料、あるいは医師会とか
関係団体から出されている資料を見ましても、もう
改革の
課題がたくさんあります。あんまりあり過ぎてどれが本当に重要なのかよく分かりま
せん。
そこで、
改革の
課題につきまして、基本的な
課題、それから現行
制度の
改善で
対応できる
課題、この二つに分けてアプローチすることが必要じゃないかと思っているわけです。
私は、基本的
課題としましては、
一つは診療報酬体系の在り方の見直し、それから高齢者
医療制度の新しい
制度の確立、それからさらには保険者間の財源調整や財政問題への
対応、これが基本的な
課題じゃないか、この
三つが基本的な
課題として
指摘できるんじゃないかと思っております。それから、現行
制度の
改善で
対応できる問題としましては、これは今回実現しましたけれども、総
報酬制の導入とか、あるいはレセプト、カルテ等のIT化だとか、あるいは公的保険の範囲の見直しとか、こういうものは現行
制度の
改善で
対応できる問題。このように、基本的
課題と現行
制度の
改善でできる
課題を分けることが
議論を深めるために必要じゃないかと思っているわけであります。
そこで、まず最初に
大臣にお伺いしたいんですけれども、抜本
改革と言われますけれども、私が今申しましたような視点とアプローチの仕方で進めることにつきまして、
大臣のお考えをお聞きしたいと思います。