○宮崎秀樹君 自由民主党の宮崎秀樹でございます。
今日午前中、野党の皆様の
質問を聞いておりまして、
答弁は、これは比較するわけじゃございませんが、
坂口厚生大臣の御
答弁の方が分かりやすかったかなというような感慨を受けております。
そこで、そうはいっても内容についてはすべてそれでいいんだというふうには私も思っておりませんので、これは
国民の負託を受けた者として、ただすべきところはただし、より良い法案に仕上げるというのがこれが
国民のためになると、そういう観点から御
質問申し上げます。
まず、我が国の
医療の現状を見ますと、これは御案内のように、
国民一人当たりの
医療費は先進諸国に比べて、これはOECD諸国の中では九番目であります。さらに、
医療費の占めるGDP比でございますが、これは何と十八番目であります。こういう概況の中で、これは乳児死亡率は世界で一番低い、さらには健康寿命は世界で一番、そして平均寿命も男女ともに世界で一番、こういうことを
考えると一体何が悪いんだと、こういう話になるわけであります。
そしてまた、アメリカそれからドイツ等からも是非、
日本の
医療制度を見習いたいと。かつて、前の大統領の奥さんでヒラリー夫人という方が一生懸命、
日本の
制度を取り入れようと思っておやりになったけれども、これはできなかった。それはやはりできない背景が、アメリカと
日本とは違うわけでありまして、これは無理なわけでありますが。
その中で今回の
改正が、これは政府管掌
保険の財源が足りないからということで、いろいろ今まで構造
改革やってきたけれども、今回の法案はそれが発端となって
議論が煮詰まってきているというふうに理解しているんですが。
ただ、ここで私が一番問題なのは、附則に書いてあるんですね、本当に重要なことが。附則をやれば不足が解消されるんですね、これ。だから、附則と不足で、これはまあ変なしゃれになりますけれども、ここは主客転倒しているんじゃないかと、本末転倒。私は、附則のことを先にしっかりやればこういうことが解決するんで、ここがなかなかできなかったというのは、
総理が午前中御
答弁なさっておりましたけれども、そこに私は問題があると。
そこで、私は、なぜ今三割
負担かということにまず焦点を絞ってまいりたいと思います。
政管健保は、現在の
状況から今度は総
報酬制になるわけですね。そうしますと、現在のとおりの
保険料率八・五%においておきますと、少なくとも二〇〇三年度は二千億円の黒字になると。それを
厚生労働省案でいきますと、これは八・三%に下げる、そして薬剤の二重
負担もこれは撤廃する、それでも一千十七億円の黒字になる、こういう
数字が出ております。それから、
政管健保の費用は非常にスリム化できる余地があると。それはどういうことかと申しますと、
政管健保の
保険料、国庫補助金を使って業務勘定の人件費だとか経費だとか、そういうものに使われているんですね。これもリストラをするというよりもむしろ経費節減をすれば、これもそこから費用が出てくる。さらに、
政管健保の
保険料、国庫補助金で、御案内のように、今、問題になっている社会
保険庁の
病院ですね、これは
保険料で土地を買って建物を建てて、それで無償で貸しているんですね。これは後ほど私、詳しくまたお尋ねしますけれども、そういうようなこと。さらには、一般会計が精算すべき、今、一兆四千七百九十二億円というお金がこれは未精算になっております。
こういうことを全部整理をしますと、
患者さんの
病気になったときに、これは恐らく、被用者
保険というのは一家の大黒柱でありますから、倒れたときに
負担を増やすということになりますと、これは相当やっぱり社会に対する影響というのは大きいと思うんですね。それ整理しますと約二兆円というお金がここへ出てくるんじゃないのと、こういうことが言われております。
私はこれ、今、景気が非常に悪いです。デフレ対策という中には心理
不況というのがあるんですね。今、全部蛇口を絞っちゃうんですね、これ。ですから、もう将来に対する不安感というのは相当あります。
私のところへ入院している
患者さんでも、年金もらっている方が、その年金から貯金しているんですね。あなた、年金から貯金したら、いや、食べたいものも節約して、やっぱり心配、だって老後が心配だ。もう八十になって老後ないんですけれども、それでもそうやってその方たちはやはり心配されている。平均寿命が延びたからやっぱりそれは相当な、これから十年ぐらいはまだ何とか生きようと。意欲あることは非常にいいんですけれども。しかし、そういう不安感を与えることが、若い人が今度それを見ているんですね。そうしますと、これは少しでもやっぱり節約しようということで、非常に景気が、消費が
伸びてこない。消費が
伸びなければ幾ら物を作ったって売れないわけですから。
そういうことを
考えたときに、私は、もう少し慎重に、来年の四月一日から三割
負担になぜしなきゃいけないのかと。無理やりサディストみたいに痛め付けるというなら話は別ですけれども。先ほど
医療機関は余り痛くないということを言っていましたが、痛いんですよ、これ。私は麻酔打たないで切られたような感じ受けていますけれども。いずれにしろ、実態として実感としてやっていないとこれはなかなか外からじゃ分からないんですが。
私のところも来年、人一人採用しようかと思っていたんですが、これは取りやめました。それは、この前、私、竹中さんに言ったんですが、皆さん御案内のように、一兆円の
税金を
医療費に入れたら五兆四千億の
経済波及効果があると。これはもう総務省が出しているんですね、データ。それから、五十八万人の雇用効果があるんですね、これまた。ところが、今度、
医療費を二・七%削られました。しかし、実態はそれよりもっと痛い、もっと削られておりますけれども、計算しますと。しかし、仮に二・七%出しましても、計算すると
医療費ベースで八千億削られることになるんですね。そのうちの約四分の一が国庫
負担でありますから、そうしますと二千億削られる。そうすると、約一兆円強の
経済波及効果がなくなって、十二、三万人失業者を出すんですね、これ。そういうことになって、何で中長期展望の、竹中さんがお出しになったこの文章の中に
医療で五十六万人雇用を創出するなんて書いてあるんですかね。これは全く矛盾しているんで、それはおかしいじゃないかと言ったらお答えありませんでしたが、いずれにしろ、余り不安をあおるようなことは私は、きちっと物事を
説明した中で、
国民に分かりやすくですね。
私は、はっきり申し上げて、三割
負担を
国民が納得できるような裏付け、
数字があって、もうこれでやらなければこの
国民皆
保険制度が駄目になりますよというんであれば、私、三割
負担だってもう、すぐもろ手を挙げて賛成します。しかし、今そんな
状況じゃないというふうに私、
考えますので、その辺のところを、まず総括的なことから
厚生労働大臣からお答えいただければ有り難いと思います。よろしくお願いします。