○井上美代君 いつその利回りが良くなるのかという非常に不安定な中での御答弁でありましたけれ
ども、いずれにしましても、私は、中退金の魅力をやっぱり高めてたくさんの
人たちが入るということ、この
分野というのは大変な
人たちが固まっているところですから、やはり私はそこを、本当に安心して中退金に入れるという、そういう
状況というのを作っていかなければいけない、システムを作っていかなければいけないというふうに思います。それがやはり
制度の安定にも資するものであると、こういうふうに思うわけなんです。
昨年、この中退金の
助成制度が変更されました。国庫
助成が削減されました。人がやはり安心して生活できるということを作り出すというのが私は政治であるというふうに思っております。中退金の財政が苦しいときに
補助を削減するというのは、
社会の発展、そしてまた
制度の発展、これとは全く逆行した措置だというふうに思うわけなんです。従来は
給付費に対する
助成もありましたが、少なくとも従来並みの国庫
助成で私は
制度を支える必要があるのではないかというふうに思っております。私は今回のこの
改正には反対です。
私は続いて中退
金制度の一環であります特定業種の
一つである建設業
退職金共済
制度について質問をしたいと思います。
以下、建退共という略した言葉で言わせていただきますけれ
ども、この建退共というのは業界の中で移動する労働者が非常に多いわけですね。短期にほかの建設の現場に行く
人たちもいるという、そういう実情を踏まえて、建設労働者の福祉向上のために創設した、言ってみれば国の
制度であるというふうに思っております。
事業主が共済
契約をすればそこで働く労働者も加入できるという仕組みで、加入した労働者には共済手帳が配られるわけです。そして、一日働いて一枚の証紙を手帳に張っていく、そしてそれがたまって退職するときにはその手帳をあかしとして
退職金をもらうという
制度です。この
制度によって零細な下請業者の労働者も、額は十分ではありませんけれ
ども、
退職金が出るようになっております。
政府は、公共事業の入札において、建退共に加入しているかどうかということを
評価の条件に挙げているんですね。そういうふうに事業主に言いながら事業主の加入を促進しているわけなんです。また、公共工事の請負の
契約金額の中にこの建退共の
掛金分を積算しているわけなんです。したがって、公共事業ではおおむね元請が一括してその証紙を購入して、それを下請に現物交付するという仕組みになっております。この仕組みがうまくいっていないということなんです。
四年ほど前、この請負
契約額の中に含まれている建退共の
掛金がゼネコンに流用されていることが
社会問題となり、そして大手マスコミも大きくこれを取り上げております。これは税金の使い道の問題でもあります。それ以後、
政府は改善措置を幾つか取ってきましたが、まだまだ十分とは言えないと思います。
今年の一月には総務省の
行政評価局がこの建退共に対して
制度改善を求める勧告を出しております。勧告というのは、証紙がそもそも下請に渡らない問題、また下請に渡っても手帳にその証紙を張らない問題、こういうものが出てきていて、様々な問題が勧告の中で
指摘されているわけなんです。
総務省の勧告と関連して、私はまず、そもそも元請が証紙を必要な枚数だけきちんと金融機関から購入をしているのかどうかということを質問したいと思います。
政府は自治体に対して元請業者から発注者
掛金収納書というのを提出するように求められているんです。この発注者
掛金の収納書というのは、証紙を金融機関から買って、
掛金を払ったその領収書として金融機関が元請に発行するものなんです。国土交通省の通達では原則として公共工事においてはこの収納書の提出を受注業者に求めているわけなんですけれ
ども、このシステムを実行している自治体というのは全国で半分ほどにしかならないということなんですね。これでは実施自治体が八割や九割になっていくということはもう本当に十年以上も掛かっていくというふうに思うんですけれ
ども、やっぱりもっとスピードを上げていく、そして増やしていく必要があるのではないかというふうに思います。そのために
政府も新たな施策だとか自治体が進めやすい条件整備、これをもっとやる必要があるのではないかなというふうに思っているわけなんです。
そこで、私は、国土交通省からもおいでいただいておりますので、国土交通省と
大臣に御答弁をいただきたいというふうに思います。