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2002-03-14 第154回国会 参議院 厚生労働委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十四年三月十四日(木曜日)    午後零時二分開会     ─────────────    委員氏名     委員長         阿部 正俊君     理 事         田浦  直君     理 事         中島 眞人君     理 事         朝日 俊弘君     理 事         柳田  稔君                 狩野  安君                 久野 恒一君                 佐藤 泰三君                 斎藤 十朗君                 伊達 忠一君                 鶴保 庸介君                 中原  爽君                 藤井 基之君                 宮崎 秀樹君                 今井  澄君                 今泉  昭君                 川橋 幸子君                 辻  泰弘君                 草川 昭三君                 沢 たまき君                 井上 美代君                 小池  晃君                 西川きよし君                 森 ゆうこ君                 大脇 雅子君     ─────────────    委員異動  一月二十二日     辞任         補欠選任      川橋 幸子君     山本 孝史君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         阿部 正俊君     理 事                 田浦  直君                 中島 眞人君                 朝日 俊弘君                 柳田  稔君                 沢 たまき君     委 員                 狩野  安君                 久野 恒一君                 佐藤 泰三君                 斎藤 十朗君                 伊達 忠一君                 鶴保 庸介君                 中原  爽君                 藤井 基之君                 宮崎 秀樹君                 今井  澄君                 今泉  昭君                 辻  泰弘君                 山本 孝史君                 草川 昭三君                 井上 美代君                 小池  晃君                 西川きよし君                 森 ゆうこ君                 大脇 雅子君    国務大臣        厚生労働大臣   坂口  力君    副大臣        厚生労働大臣  宮路 和明君        厚生労働大臣  狩野  安君    事務局側        常任委員会専門        員        川邊  新君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○国政調査に関する件 ○社会保障及び労働問題等に関する調査  (厚生労働行政基本施策に関する件)  (平成十四年度厚生労働省関係予算に関する件  )  (派遣委員報告)     ─────────────
  2. 阿部正俊

    委員長阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る一月十七日、松あきらさんが委員を辞任され、その補欠として草川昭三君が選任されました。  また、去る一月十八日、南野知惠子さんが委員を辞任され、その補欠として狩野安さんが選任されました。  また、去る一月二十二日、川橋幸子さんが委員を辞任され、その補欠として山本孝史君が選任されました。     ─────────────
  3. 阿部正俊

    委員長阿部正俊君) 次に、理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 阿部正俊

    委員長阿部正俊君) それでは、御異議ないと認めさせていただきまして、理事沢たまきさんを指名いたします。よろしくお願いします。     ─────────────
  5. 阿部正俊

    委員長阿部正俊君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、社会保障及び労働問題等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 阿部正俊

    委員長阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定させていただきます。     ─────────────
  7. 阿部正俊

    委員長阿部正俊君) 次に、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題といたします。  まず最初に、厚生労働行政基本施策につきまして、厚生労働大臣から所信を聴取いたします。坂口厚生労働大臣
  8. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 厚生労働委員会の御審議に先立ちまして、厚生労働行政についての所信を申し述べ、委員各位始め、国民皆さん方の御理解と御協力お願いを申し上げたいと存じます。  少子高齢化の急速な進展経済低迷等状況の中で、国民生活セーフティーネットである社会保障制度については、国民安心・信頼できる、公平・公正で、少子高齢社会にふさわしい持続可能な制度に再構築することが必要となっております。  特に医療制度につきましては、国民保険を守り、将来にわたり良質で効率的な医療国民が享受していけるよう、制度全般にわたる思い切った改革が求められております。  このため、高齢者医療を始めとする給付と負担見直し老人医療費拠出金見直し及び公費負担割合引上げなどを行う健康保険法等改正法案、並びに国民健康づくり疾病予防を更に推進するための健康増進法案を今国会に提出したところであり、一日も早い成立お願いいたします。  同時に、医療保険制度体系診療報酬体系見直しなどの諸課題について、平成十四年度中に検討を進め、基本方針を策定するとともに、保険料徴収事務一元化などの効率化合理化方策につきましても、早期に具体的内容等を明らかにしてまいります。  また、昨年十二月に策定した保健医療情報化グランドデザインに基づき、電子カルテ及びレセプト電算化について、普及目標の達成に向けて積極的に推進するとともに、診療情報医療機関情報の開示を進め、患者の選択を尊重した医療実現を目指してまいります。  公的年金は、国民老後を確実に保障できる唯一かつ持続可能な仕組みであり、こうした公的年金基本的な考え方や大切さを国民皆様に十分伝えるとともに、保険料収納対策も徹底し、年金不安の解消全力を注いでまいります。  また、将来に向けてその役割をしっかりと果たしていくことができるよう、次期制度改正平成十六年までに行うこととしており、これに向けた本格的な検討に着手いたしました。基礎年金国庫負担割合の二分の一への引上げについて、安定した財源確保方策と一体として検討を行うとともに、保険料引上げ凍結解除、働く高齢者女性など支え手を増やすための方策女性年金の問題、少子化問題についての幅広い検討を踏まえた対応など、多岐にわたる課題に精力的に取り組んでまいります。  さらに、現下社会経済情勢を考慮し、平成十四年度の年金額を引き下げないための物価スライド特例法案を提出したところであり、一日も早い成立お願いいたします。  介護保険につきましては、今後とも、現場の方々の声に十分に耳を傾けつつ、介護サービス基盤整備や質の向上などに取り組み、国民から信頼されるより良い制度へと育ててまいります。  一方、最近の雇用失業情勢は、完全失業率が高水準で推移するなど依然として厳しい状況にあります。  こうした中、厚生労働省としては、昨年九月に策定した総合雇用対策に基づき、地域産業雇用対策プログラム推進キャリア・カウンセラーの活用等によるミスマッチ解消緊急地域雇用創出特別交付金による地域ニーズに応じた臨時的な雇用機会創出等セーフティーネット整備などに全力で取り組んでいるところであります。また、内定率が過去最低となっている新規高卒者を始め厳しい雇用環境にある若年者につきましては、インターンシップやトライアル雇用事業などを積極的に推進しているところであります。  今後とも、これらの施策の効果的な実施に努め、雇用対策に万全を期してまいります。  また、ワークシェアリングにつきましては、現在、政労使ワークシェアリング検討会議において検討しているところでありますが、厚生労働省としては、当面の雇用情勢への対応というだけではなく、人々の働き方やライフスタイルの見直しという観点から推進していくことが重要であると考えているところであり、三月中に基本的考え方について政労使の間で合意を得ることができるよう、取り組んでまいります。  さらに、雇用の選択肢を拡大し、労働者が多様な働き方を選択することができる環境整備するため、有期労働契約裁量労働制見直し、正社員とパート労働者処遇の均衡について、労使を始め関係者の御意見を聞きながら検討を進めてまいります。  中小企業退職金共済制度につきましては、最近の経済金融情勢変化に的確に対応し安定した運営を図るための法案を提出することとしております。  先般公表しました日本の将来推計人口では、前回の推計に比べ、より少子高齢化進展するという結果になっており、今後の我が国の社会経済全体に大きな影響を及ぼすものと思われます。今必要なことは、子を持つこと、育てることには大きな価値があるという考え方基本に据えて、子供の幸せを第一に考え、子育て社会全体で支援していくことであります。今後、更に待機児童ゼロ作戦推進放課後児童クラブ拡充を始めとする各般にわたる少子化対策を進めるとともに、改めて少子化問題について幅広い視野からの議論を行っていただく場を設けることとしております。  あわせて、母子家庭等対策について、自立が一層促進されるよう、子育て生活支援就労支援充実養育費確保児童扶養手当等経済的支援などについて総合的な見直しを行うため、母子寡婦福祉法等改正法案を提出したところであり、一日も早い成立お願いいたします。  国民の生命と健康を守るためには、最新の科学的知見に基づき、HIV感染事件等も踏まえながら、予防原則に立って最大限の努力を重ねていくことが必要であります。  特に、BSE問題については、食肉処理されるすべての牛を対象とした全頭検査体制整備するなど、安全な牛肉だけが流通するシステムを構築するとともに、医薬品等安全対策強化を図りました。今後とも、農林水産省や自治体と緊密な連携を図りながら最善を尽くしてまいります。  また、BSE問題、雪印食品事件などを契機として、食品への不安が高まっていることは誠に残念であります。食の安全は国民生活を支える基本であり、様々な事態に対して機動的かつ万全の取組を進めるとともに、常に食品衛生行政の在り方も検証しながら国民不安解消に万全を期してまいります。  さらに、医薬品医療機器等につきましては、国際的な整合性科学技術進展企業行動多様化等情勢変化対応しつつ、より安全で有効な製品をより早く国民に提供できる体制整備することが必要であります。このため、現行の薬事制度を抜本的に見直し安全対策強化、承認・許可制度の再構築等を図るとともに、関係者合意の下に血液事業に係る新たな法的枠組み整備することとし、所要の法案を提出したいと考えております。  国民の健康にかかわる重要な問題である肝炎対策につきましては、来年度より、検診、研究開発普及啓発などのC型肝炎等緊急総合対策を進め、感染された方々の健康の保持や増進に取り組んでまいります。  あわせて、超微細技術ゲノム科学を始めとする先端科学技術を安全かつ速やかに医療に応用していくことが重要な課題となっていることから、研究開発推進や効果的な治療技術普及を進めてまいります。  国立病院療養所につきましては、中央省庁等改革の一環として、独立行政法人に移行するための法案を提出することとしております。  障害者施策につきましては、来年度が最終年度となる障害者プラン推進に努めるとともに、障害者雇用促進を図るため、障害者雇用率制度見直し等内容とする障害者雇用促進法改正法案を提出したところであり、一日も早い成立お願いいたします。また、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者について、適切な処遇確保するための法案を法務省とともに提出することとしております。  援護行政につきましては、中国残留邦人に対する援護施策や旧ソ連地域遺骨収集事業充実に努めるとともに、遺族年金等の額の引上げを行うための改正法案を提出したところであり、一日も早い成立お願いいたします。  また、国民生活保障向上雇用の安定を図るためには、政労使の一致協力した取組が必要であり、良好な労使関係の維持・発展、政労使意思疎通促進に努めてまいります。  以上、当面する厚生労働行政重点事項につきまして私の所信の一端を申し述べました。私は、これらの諸課題の解決に向け、全力で取り組んでまいりたいと考えておりますので、委員長を始め皆様方の一層の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。  ありがとうございました。
  9. 阿部正俊

    委員長阿部正俊君) それでは次に、平成十四年度厚生労働省関係予算につきまして説明を聴取いたします。宮路厚生労働大臣
  10. 宮路和明

    ○副大臣宮路和明君) 厚生労働大臣宮路でございます。  私は、主として医療年金等社会保障分野を担当いたします。委員各位の御理解と御協力を得ながら厚生労働行政推進に尽くしてまいりますので、よろしくお願いを申し上げるところでございます。  それでは、お手元資料に基づきまして、平成十四年度厚生労働省関係予算案概要について御説明申し上げます。  まず、平成十四年度厚生労働省所管一般会計予算の規模は、総額十八兆六千六百八十四億円、対前年度五千八百二億円、三・二%の増加となっております。  次に、予算主要事項について御説明申し上げます。  第一は、一ページから八ページに掛けましての、国民安心・信頼できる医療確保についてであります。医療制度を将来にわたって持続可能で安定的なものとするため、高齢者医療制度見直しなど医療保険制度改革を行うとともに、賃金、物価動向等を踏まえ、薬価・診療報酬等を引き下げることとしております。また、ITを活用した医療推進を始め、患者の視点に立った安心かつ質の高い医療を効率的に提供する体制整備してまいります。  さらに、超微細技術ナノテクノロジー)やゲノム科学等先端的科学技術を活用した新しい医療技術や新薬の研究開発推進するとともに、医薬品医療用具等安全性確保対策充実してまいります。  第二は、九ページから十二ページに掛けましての、構造改革を着実に進めるための労働市場政策展開であります。厳しさを増す雇用情勢対応し、再就職支援のための助成措置機動的発動失業なき労働移動支援のための各種施策積極的展開等雇用面セーフティーネット整備するとともに、サービス分野等における雇用創出のための取組民間活力活用等によるマッチング機能強化等、総合的な雇用対策を進めてまいります。  第三は、十三ページから十六ページに掛けての、人材大国の確立を目指した人材育成推進であります。IT化への対応中高年ホワイトカラー離職者等のための多様かつ総合的な職業能力開発を、大学・大学院、民間機関等も活用しつつ推進するとともに、キャリア形成支援を行ってまいります。  第四は、十七ページから二十二ページに掛けての、安心して子供を産み育て、意欲を持って働ける社会環境整備についてであります。まず、保育所待機児童ゼロ作戦推進放課後児童受入れ体制整備等により、子育て家庭支援してまいります。また、母子家庭等自立支援対策充実し、併せて、児童扶養手当制度見直しを行うとともに、児童虐待防止対策配偶者からの暴力への対策雇用分野における男女の均等な機会及び待遇の確保対策推進してまいります。  第五は、二十三ページから二十八ページに掛けての、健やかで安全な生活を送るための施策推進であります。C型肝炎等緊急総合対策健康日本21等を推進するとともに、牛海綿状脳症BSE対策などの食品安全対策強化してまいります。  第六は、二十九ページから三十二ページに掛けての、障害者自立社会参加雇用推進と良質な福祉サービスを提供するための体制整備であります。障害者プランを着実に推進するとともに、障害者雇用対策を見直すなど、障害者保健福祉施策雇用就業施策充実・融合を進めてまいります。また、第三者評価推進など良質な福祉サービスを提供するための体制整備するとともに、低所得者に対する生活福祉資金貸付制度充実ホームレス自立支援事業拡充など社会的支援が必要な方々自立に向けた取組を進めてまいります。  第七は、三十三ページから三十六ページに掛けての、活力ある高齢社会実現介護保険制度の着実な実施であります。急速に高齢化進展する中、高齢者の知識・経験を生かした雇用就業機会確保するとともに、高齢者社会参加支援してまいります。また、介護保険制度を着実に実施するとともに、ゴールドプラン21の推進など介護サービス基盤整備介護サービスの質の向上のための諸施策推進してまいります。  国民年金等については、現下社会経済情勢を考慮し、物価スライド特例措置を講じ、年金額を前年度と同額とすることとしております。  第八は、三十七ページから三十八ページに掛けての、安心して働ける環境づくりです。多様な働き方を可能とする労働環境整備、健康で安心して働ける職場づくりなど労働条件確保改善対策推進してまいります。  第九は、三十九ページから四十ページに掛けての、国際社会への貢献であります。世界保健機関国際労働機関等国際活動支援するとともに、人づくりを通じた開発途上国支援推進してまいります。  最後に、四十一ページから四十二ページですが、ハンセン病対策推進生活衛生関係営業振興戦傷病者戦没者遺族中国残留邦人などの援護対策原爆被爆者対策など諸施策推進してまいります。  以上、主な内容について御説明しましたが、お手元資料のうち、特別会計予算案概要につきましては説明を省略させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
  11. 阿部正俊

    委員長阿部正俊君) 以上で所信及び予算説明の聴取は終わりました。  本件に関する質疑は後日に譲ることといたします。     ─────────────
  12. 阿部正俊

    委員長阿部正俊君) この際、狩野厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。狩野厚生労働大臣
  13. 狩野安

    ○副大臣狩野安君) 厚生労働大臣を拝命いたしました狩野安です。  私は、主として雇用対策等労働分野少子化対策を担当いたします。  厚生労働行政は、人の誕生から雇用老後保障まで、国民生活に密着した大切な行政であります。重要課題が山積しておりますが、厚生労働委員会皆様方の御協力と御理解をいただきながら、全力坂口大臣を補佐してまいりたいと思っております。  どうぞよろしくお願い申し上げます。
  14. 阿部正俊

    委員長阿部正俊君) 御苦労様でございました。  それでは、大臣、副大臣、もう御退席結構でございます。     ─────────────
  15. 阿部正俊

    委員長阿部正俊君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。柳田稔君。
  16. 柳田稔

    柳田稔君 委員派遣について御報告申し上げます。  去る一月十五日及び十六日の二日間、阿部委員長田浦理事中島理事朝日理事沢委員森委員大脇委員及び私、柳田の八名により、沖縄県における雇用情勢等に関する実情を調査してまいりました。  以下、その概要を御報告いたします。  一日目は、まず沖縄県及び沖縄労働局から概況説明を聴取いたしました。  沖縄県の雇用失業情勢は、復帰以来三十年間、一貫して厳しいものがあります。平成十三年八月から十月の完全失業率は九%を超え、十一月は若干改善されたものの依然七・七%という高水準にあり、全国平均の五・五%を大きく上回っております。一方、十一月の有効求人倍率全国平均の約半分の〇・二五倍にとどまっています。  沖縄県の特徴として、県内雇用機会が絶対的に不足していること、及び三十歳未満の若年層失業率が高いことが挙げられます。  こうした状況から、沖縄県、沖縄労働局及び県内労使団体、さらに内閣府沖縄総合事務局が緊密に連携しながら、若年者雇用促進を始めとする各般雇用対策産業振興を通じた雇用機会創出に取り組んでいるとの説明を受けました。  また昨年九月十一日に発生した米国の同時多発テロは、沖縄観光産業に大きな影響をもたらしており、雇用面にも影響が現れています。  このため、観光客誘致のため各般施策展開するとともに、雇用調整助成金緊急地域雇用創出特別交付金などを活用して雇用確保のために努力しているとのことであります。  また、福祉保健関係では、沖縄県の課題として、離島医療確保介護保険に係るサービス基盤整備待機児童対策について説明を受けました。  次いで、糸満市の平和祈念公園を訪ね、国立沖縄戦没者墓苑に献花を行うとともに、沖縄戦犠牲者氏名を刻んだ平和の礎及び沖縄平和祈念資料館を視察しました。  続いて、那覇市の沖縄産業支援センターにおいて、雇用問題をめぐる取組について、沖縄産業振興公社沖縄中小企業団体中央会沖縄経営者協会雇用開発推進機構及び沖縄観光コンベンションビューロー代表者より説明を聴取し、意見交換を行いました。  各団体からは、新事業創出支援体制中小企業組合組織化ワークシェアリング検討情報産業分野を中心とした人材育成学生県外就職への関心を高めるための職業意識改革などについて説明があり、委員との間で率直かつ有益な意見交換を行うことができました。  二日目は、まず沖縄市の沖縄職業能力開発大学校を視察しました。同校は、全国に十校ある雇用能力開発機構職業能力開発大学校の一つであり、新規高卒者等対象とした一学年定員百七十名・二年制の専門課程及び専門課程修了者等対象とした応用課程を設け、技術革新対応できる実践技術者を育成するほか、在職者に対する短期職業訓練離転職者に対する六か月間の職業訓練などを実施しております。  同校では、地域産学官連携の下、地元産業界人材ニーズを的確に把握し、教育・訓練内容に反映させ、沖縄産業振興に資する人材育成を図っているとのことであります。  最後沖縄職業総合庁舎を訪ね、那覇公共職業安定所沖縄学生職業情報センター及び雇用能力開発機構沖縄センターから概況説明を聴取しました。  沖縄職業総合庁舎沖縄県の厳しい雇用失業情勢対応するため、職業紹介能力開発学生及び障害者就職支援に係るサービス機関を集めた全国初の総合的雇用サービスセンターとして平成十一年に開設されたものであり、各機関が専門性を生かしつつ密接に連携を取り合い、総合庁舎のメリットを生かしたサービス提供に努めているとの説明を受けました。  なお、那覇公共職業安定所においては、米国テロ事件の影響などから、雇用情勢が厳しさを増している中、求人開拓推進員を活用して積極的に求人開拓に努めているとのことであります。  以上、簡単ではございますが、今回の調査概要について御報告申し上げます。  最後に、この委員派遣に際し、格別の御高配を賜りました沖縄県を始め関係者各位に対し、深く感謝を申し上げたいと存じます。  以上でございます。
  17. 阿部正俊

    委員長阿部正俊君) 以上で派遣委員報告は終わりました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十八分散会