○副
大臣(
熊代昭彦君) 具体例を出しながら簡潔にというのはなかなか難しいところではございますが、鋭意努めさせていただきたいと思います。
私自身、九年ほど衆議院議員やっておりまして、そしてまた公務員としては厚生省に二十九年おりましたけれども、これほどまでに物すごいスピードで、そして総理
大臣のすごいリーダーシップで改革が進められたというのは私は経験したことがないと、そういう思いでございます。
ですから、日本の世論というのは大変飽きっぽいということでございますので、一年ちょっとするともう飽いてくるということでございますが、サッチャー改革も八年も十年も掛かったわけでございますし、レーガン革命もそうでございます。そういうことでございますので、私は大変なスピードだと思います。
ただ、分かりにくさということでは、御
指摘の点、確かにあると思います。特殊法人整理合理化計画も打ち出しまして、その目玉といたしまして、一番の目玉として道路四公団民営化推進
委員会、既に二回、三回、実態、
一つも見れば、三回もやっております。そして、今日は特殊法人改革のお目付役であると、御意見番だということで参与
会議も開かれました。
ということでございまして、着々と進んでおりますが、道路民営化のこの結果がどうなるのかということが見えにくいということだと思います。これから御検討いただくことで、結果は見えにくいのは当然ではございますけれども、具体的に分かりやすくということでございますので、ちょっと異例なことではございますけれども、四案、今既に出されておりまして、それをたたき台に検討ということでございますが、その中に不肖私のやつもございまして、
熊代私案というのも、副
大臣に就く前のものでございますけれども、ございます。
それで、もしこれが仮に、万が一にも御採用になればという話でございますけれども、道路四公団をすべて解散して、国にすべてを、借金も資産もいただくと。資産は現物出資して立派な株式会社を作るということですね。
それで、道路四公団、赤字だ赤字だという話が余りありますのでそういうふうに思っておられる
国民の方も多いんですけれども、四つの公団を
一つの会社にして、現物出資で、そうなりますと無借金経営ですから、どうなりますかというと、年々二兆一千億の黒字でございます。これは減価償却前、税引き前でありますが、二兆一千億の黒字でございます。立派な黒字運営ができます。
ですから、これは
国民の皆様に株を持っていただく。サッチャー革命も同じでございますけれども、資産株として、持っていて楽しめると。しかも、道路交通無料券だってもらえますから、株主優待も大いにあるということでありますから、ROE、株価収益率で計算すれば六十兆円に売れてもおかしくない、そういう株ができるわけですね。そういうことでございまして、これを国が全部取得しますから、国は大変なリスクを負います。リスクを負うけれども、この会社は年々、税金にして七千億円ぐらいの税金を払って、しかも二・四八%の額面に対して配当ができると、そういうものであるんですね。
そういうことでございますから、新しい道路も株式会社形式で作れば相当程度新しいものがやれるしと、こういうことでございますから、
国民の皆さんは本当に資産株として楽しめる株を持つことができる。しかも、株式会社になれば今の料金をプライスキャップにして、そして値下げは自由と。これが当たり前ですね、常識的なことでございまして、総理
大臣も上場を目指すと激しく言っておられますので、上場すればそういうことでございますから。
それから、五十年したらただというのは、ちょっとこれは、国の
財政が好転して、四百十四兆、今年度末になるそうでございますが、これがゼロになればただにしてもいいと思いますけれども、五十年すればただというのをもしやめていただければ立派な株式会社になります。すばらしいことで、国の
財政に大いに寄与できるということでもございます。これは一例でございますけれども、本当にすばらしい改革が進む道があるということでございます。
あと、公務員改革でございますけれども、これも既に閣議決定をいたしまして進んでおりますが、なかなか分かりにくい面もございますが、要するに、
一つは信賞必罰と言っております。ですから、年功序列で順番に上がるんじゃなくて、よくできて、熱意があって、いい結果を出したと、素早く出世していただくということですね。
それからもう
一つは、ポストで募集をいたしまして、民間からも自由に来ていただくと。それから、出入り自由の回転ドア方式といいますか、行為規制をしっかり付けまして、行為規制をしっかり付けて、民間に行くのも自由、帰るのも自由、それから再雇用も自由というようなことで、開かれた公務員制度を作りたいと。
それから、天下りを徹底的に排除して、公務員が民間に採用されるのは何かいいことがあるから採用されるんじゃなくて、これはこの人が能力があるから採用されるんで、何かいいことを期待すれば全く無駄ですよと、そういうシステムを作り上げてまいりたいということですね。
行為規制、利かないんじゃないかという話もございますが、罰金を取られたり懲役になったりすることで、今これだけマスコミが強い、マスメディアが強いときに、それは行為規制というのは激烈な
効果があるというふうに思います。そういうこともございますし、思い切った改革がされているところでございます。
それから、公益法人改革でございますけれども、取りあえず、いろいろと改革をいたしまして、補助金を千百億円ぐらい減らしましたけれども、今思い切って今度は民法公益法人制度そのものを改正していこうと。ですから、行政の裁量がいろいろありまして、役人を一人ぐらい引き受けてくれればすぐに認可しようかとかいう悪いうわさもあったようなものでございますが、そういうものを一切なくして、今のNPO法人のように裁量をなくすると。
今、
一つの案といたしましては、要件をすべて満たしていればもう登記だけでいいと、裁量の余地がないと。それで、公益法人は自ら独立に公益をしっかりとやっていくと。そういうシステムを作り上げて、百余年続きましたこの固い固い民法公益法人制度を今のNPOに勝る柔らかい制度にして、しかし事後規制で、悪いことがあれば裁判でしっかりと規制していくと。そういった案が検討されているところでございます。
規制改革、最後でございますけれども、大変長くなりまして恐縮でありますが、本当にいろいろと心配をして規制ばっかり付けたということでございまして、これを思い切って自由にしていかなければならない。例えば、北九州市にこの間参りましたけれども、港湾、ハブ港湾を造りたい、アジアのハブ港湾を造りたいと。大分全国的にもできたわけでありますけれども、三百六十五日二十四時間オープンのハブ港湾を造りたい、これに反する規制はすべて解除してほしい、特区として、こういうこともございます。
そういうことでございますし、また、これまでは職業紹介をしたときに収入を取ってはいけないということだったんですが、取りあえず、限定的ではございますけれども、年収千二百万円以上の人からは収入、手数料いただいていいということでございます。これをどんどんどんどん解除していきまして、民間で本当に創意工夫で職業紹介ができるということ、これも規制改革の
一つの成果だと思います。そういうことでございます。
ちょっと長くなりまして恐縮でございますが、具体的なことを申し上げさせていただきました。
ありがとうございました。