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国務大臣(
平沼赳夫君)
加藤先生に
お答えをさせていただきます。
非常に重要な御
指摘をいただいた、こういうふうに思っております。
燃料電池は、言うまでもございませんけれども、エネルギーの効率が非常に高く、そして
環境負荷が低いことから、今後のエネルギー
環境技術の中で重要な
役割を果たし得るとともに、ある
意味では産業競争力の強化や新規産業の創出の観点からも私どもは重要な技術だと、このように認識しております。
経済産業省といたしましても、一九九九年に産学官から構成される燃料電池実用化戦略研究会、これを
設置をいたしまして、二〇二〇年までの展望の下で、燃料電池の実用化、普及に向けたシナリオとその実現のための問題解決の方向性の提示や
技術開発戦略の策定を行っているところであります。また、
委員も御承知のように、民間企業など百三十社余から構成されております燃料電池実用化推進協議会、これとも緊密な連携を図ることによりまして、産業界のニーズでございますとか技術の実態等を十分に踏まえて施策の
検討を行っております。また、御
指摘の副
大臣会議でもそういう形で非常に前向きの御提言をいただいているところでございます。
当省の
平成十四年度の予算では、燃料電池
関連予算を
平成十三年度の二倍に当たる二百二十億を計上して、例えば燃料電池の構成要素である固体高分子膜の高耐久化でございますとか、あるいはそれの低
コスト化、そういった
技術開発や、燃料となる水素を
自動車の上にコンパクトに貯蔵する
技術開発などを実施するとともに、燃料電池
自動車については、首都圏において水素ステーションの実証を含む大規模な公道走行試験を産学官一体となって実施することにしております。
こうした
技術開発、実証試験等の成果を踏まえまして、今後データに基づく
議論を実施をいたしまして、燃料供給インフラの整備の方向性を打ち出していきたいと思っています。
また、四月二十六日には、小泉総理から、試験的な試案が想定される燃料電池
自動車の第一号を含め、数台を
政府において率先導入すること、また、二〇〇五年を目途に安全性の確保を前提とした
関連規制の包括的な再点検を実施するとの指示も出たところでございまして、五月十五日には
局長級による
関係省庁連絡
会議を
設置をいたしまして、本年中に行うべき措置を含めた二〇〇五年までの道筋を本年秋を目途に
取りまとめる予定でございます。
また、五月二十七日には今御
指摘の、
経済産業省、国土交通省、
環境省の五副
大臣で構成される燃料電池プロジェクトチームにおいて、実用化、普及の推進を提唱する報告書が
取りまとめられました。これも我々は非常に重く受け止めております。
以上のとおり、
政府全体としても、これまでも積極的な
取組を行っているところでございますけれども、燃料電池と水素
関連技術については、経済性を始めとしてまだ幾つか乗り越えるべき課題もあることは事実でございます。
したがいまして、まずは二〇一〇年度における燃料電池
自動車五万台、定置用燃料電池二百十万キロワットの導入目標の着実な実現を目指して
取組を加速することが結果として副
大臣の皆さん方の御提言、そういったことにも私どもは結び付いてくるんじゃないかと思っております。
そしてまた、この燃料電池との
関連で知的財産政策についてのお尋ねをいただきましたけれども、現在、有識者と
関係閣僚を集めて開催されております知的財産戦略
会議におきましても、
我が国産業の国際競争力を高めまして経済の活性化を実現していくために、知的財産戦略大綱の策定に向けた
議論が進められているところでございます。六月十四日に開催されました第四回の会合におきましては、起草
委員会で知的財産戦略大綱が提示され、これに基づきまして、特許庁における必要な審査官の確保あるいは知的財産基本法の提出についても
議論が行われ、
委員からも賛同の意が表されたところでございまして、燃料電池も大変大切な技術でございますので、知的財産として私どもは大きくこれを
位置付けていかなければならないと思っております。
また、
最後に、いわゆる水素
社会促進法、こういった法制化についてはどうだと、こういうお尋ねでございますけれども、燃料電池の実用化、普及を現実のものとしていくことが水素エネルギーとして利用する時代への具体的な第一歩であると認識しておりまして、まず、今申し上げたように産学官一体となって燃料電池の実用化、普及化に積極的に取り組んでまいり、そしていよいよそういうものがはっきりと姿が見えてきて、そして具現性がある、こういうような
状況になりましたら、当然そういったことも私どもは前向きに
検討していかなければならない、このように思っております。