○岩佐恵美君
生物多様性の
確保は人類生存の基盤と位置付けられている重要課題であります。種の絶滅の
防止は経済的な理由で回避してはならないというのが世界の共通認識になっています。
今、クマの話をしてまいりましたけれ
ども、私だって山の中でクマに遭ったら嫌だな、怖いなという思いを持っていました。ですけれ
ども、クマのことをどう共存するかというシンポジウムが行われて、そのパンフレットをちょっと読ませていただいて改めて思ったんですけれ
ども、アメリカでは百万頭近いクマが三百万人くらいの人と接触している、だけれ
ども、接触の仕方を十分
管理することで人身
事故は減ってきているというんですね。
一つは、クマが人里に来ても食糧が得られない
状況を徹底するということだと。先ほど、午前中カラスの話が出ましたけれ
ども、やっぱり、相手には言葉が分からないわけですから、彼らが何を求めて出てきているのかということを知ることが大事ですね。そして、知った上で、じゃそれをどう防ぐかという手だては
人間の方ができるわけですから、それをやればいいと思うんです。それで、えさがなくなれば彼らはコントロール、カラスだってそんなに増えなくなるし、クマだって、出てきても余りうまみがないと思えば出てこなくなるという、そういうことがあるのではないかと思うんですね。
ですから、外国ではクマが自分で開けられないごみ箱の容器システムを導入したというんですね。結構クマは力が強いから、ちょっとした、手を、爪を突っ込んでがっと開けてしまう、それはよっぽどの工夫が要るんだと思いますけれ
ども、いずれにしてもそういう容器を付けたと。それから、
野生動物にえさをやってはいけないということはもちろんですが、野外に食糧を
放置することも
法律で
禁止をしたとかいうことです。それで、もう一つは、電気さくや専門の犬、プラスチック弾など、人里に出てくると嫌な思いをする、お仕置きをちゃんとかなり厳しくしてあげるということになると、徹底的に、もう出ていったら痛い目に遭うから嫌だなというので出てこなくなるということがあるそうです。そういう二つの方策で
事故が減って、クマの駆除もほとんどなくなったという
報告があります。
こういう積極的な
保護の仕方を学んで、そして地方に普及をする、そしてその体制の整備を行うということを積極的にやっていただきたいと思います。