○
小泉顕雄君 どうもありがとうございました。
ちょっと時間の配分が非常にまずうございまして、ちょっと大急ぎであとは進めたいと思いますが。
私はかつて、これは
世界で二か所にしか生息をしていないと言われるアユモドキという魚の
調査に取り組んだことがあります。この魚の保護をめぐりましては、
京都府は一定のお手伝いもいただいたわけですけれども、国の方から積極的な御支援というものをいただいたようには記憶をしていません。このことも
質問しようと思いましたけれどもここではお答えは結構でございますけれども、先ほどのトキあるいはコウノトリというものに投資をされたお金を
考えますと、このアユモドキという魚には非常に、あったとしてもわずかしかなかった。結局、天然記念物に指定をしたり、あるいは絶滅危惧種に指定をしても、その後の
対応というのは種によってまちまちなわけでありまして、保護事業が積極的に進められているものといないもの、あるいは保護事業の拠点となる施設があるものとないものなど、そういうような差別があるのが現実のようであります。
確かに、トキとアユモドキというのでは、大きさも違いますし知名度も全然違っておるわけですけれども、それはあくまでも人間の尺度でありまして、地域の自然の多様性というものを維持する役割を果たしているという観点からすれば、これは、どのような種でありましてもこれは何ら差別はないというふうに思いますけれども、一定の種に偏らず、絶滅が危惧される動植物の保護管理ということにつきましては今後十分な
対応をお願いをしておきたいというふうに思います。
でも、豊かで文化的な
生活を行うためには、当然、
開発というものは避けては通れません。このため、天然記念物指定種が生息する地域では
開発と種の保存ということをめぐりまして大変大きな混乱が生じるのが常でありまして、私も具体的な事例に何度もぶつかって大変悩んだこともありますけれども、とにかく自然との共生というものを念頭に置きながらいかに
開発と両立をさせていくかということに心を砕くことが必要であるというふうに
考えております。
ある希少種の存在によって
開発がス
トップするということは、これは
開発者だけではなくその種にとっても大変不幸なことであるというふうに私は思っております。持続可能な発展を展望しながら、この分野にこそ英知が必要だという思いを表明しておきまして、コメントもいただきたかったんですけれども、省略をさせていただこうと思います。
もう少し細かな問題に触れさせていただきまして大変恐縮でありますが、先日、
京都府下の丹後地方というところに生息をしておりますツキノワグマの現状をレポートした記事を見たんですが、この丹後地方では自然林の分断、縮小化というものが進行いたしまして、野生生物の地域個体群の孤立化によってツキノワグマが絶滅をするおそれが生じておるというふうに
考えられていることが報道をされておりました。
実は、このことが雄弁に物語っておりますことは、生物の保護というのは当該種だけの保護という観点で進めても絶滅の危機というものは回避されない。つまり、その種が生息をしている、あるいはその種を維持するために必要な地域全体を保護しなければならないということであります。
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の第一条には、大変崇高な理念が述べられておりますけれども、この理念を実効あるものにするためにも、今紹介した丹後地方のツキノワグマの現況を踏まえながらも、種の保護の在り方について鋭意御検討いただきますようにお願いをしておきたいと思います。
通告では御答弁をいただくようにしておりましたが、ちょっと時間もありませんので次に入らせていただきたいと思います。
次に、地域の自然の多様性を損なうおそれがある海外からの移入種の問題について
質問をさせていただきます。
我が国固有な動物群集を攪乱をさせて生物の多様性あるいは系統の保存ということに深刻な
影響を与えている問題に、この移入種の問題があります。セイタカアワダチソウあるいはセイヨウタンポポ、ニホンザルとの間に雑種を生じているタイワンザル、さらにはオオクチバスやブルーギル、枚挙にいとまがないわけですけれども、いずれも固有の
生態系に攪乱をもたらして固有の生物に悪い
影響を与えるために除去することが求められているわけですけれども、なかなか効果的な
対策はないように思います。
ここでは、特にブラックバスについてお
伺いをしたいと思いますけれども、その前に、
我が国でこれまである特定の生物種についてこれを根絶させるような
取組の事例があれば御紹介をいただきたいと思います。