○
吉村剛太郎君 是非、できるところ、できないところは十分私も理解しているつもりですから、
外務省、また
財務省レベルではなかなか
判断もできないことかもしれないが、やっぱり
日本政府の、
日本国の
スタンスとして是非検討していただきたいと、このように思っております。
時間がありませんので次に進みますが、先ほど申しましたように、
ロシュコフ次官が今夕か、
日本に来るということです。実は、私も昨年の九月に
委員派遣で超党派で
ロシアを訪問いたしまして、当
次官に、
ロシュコフ次官にお会いしました。私の印象は、うん、なかなかの人物だな、練達の
外交官だなという
感じがいたしました。
そのときに、我々は
外交交渉で行ったわけじゃございませんから、あくまでも表敬ですから突っ込んだ話はできなかったんですが、先方は
北方領土問題についてはやっぱり
領土問題として
認識はしておるなという
感じを受けました。これを解決して
平和条約締結という
運びに早く持っていきたいということで、そういう点では我々と
認識を同じくしたわけですが、その中で私が
大変気になりましたのは、
歴史を忘れて、
歴史にこだわらずか、
歴史にこだわらずにこの問題を解決すべきである、解決しようじゃないかということをこの
ロシュコフ次官は言ったんですね。
歴史にこだわらないということは、さっきちょっと
説明しましたけれども、
日露通好
条約、あれは
国際条約ですよ、
国際法的にも、それから
日ソ不可侵条約を破棄して、一方的に破棄してソ満国境を越えてきたとか、それから、その当時の
千島列島の最北端に
占守島というのがありますけれども、そこに
ロシア軍が南下してきたのは
ポツダム宣言を受諾した三日後ですよね。八月十八日ですよ。そういう側面から、そういうのを
日本国民は余り知らないと。そういうことも、さっき言いましたように、ちょっと話がまた元に戻るが、是非PRしていただきたいと、このように思いますと同時に、その
次官が
歴史にこだわらずと、こう言ったんですね。
私はちょっとおかしいなと。どういうことだと言ったら、彼が言うには、五十年前に
日本は
ロシアが悪いことをしたんだと、太平洋戦争ですね、こう言っておると。
ロシアは、そのまた五十年前、これはほぼ
日露戦争だろうと思うが、
日露戦争のときに
日本が悪いことをしたんだと、こう思っておると。だから、そういう
歴史にこだわるとこの問題は解決できないというようなことを暗に言いました。そのときはたしか今日の
山下防衛庁政務官も同席していましたし、その報告は
外務省には
ロシア大使館から入っていたと、このように思うんだが、これは
ロシアについては非常に都合がいいことかもしらぬけれども、
日本の
スタンスはこれによって私は、私個人的には崩れてはならないと、このように思うんですね。
私は、そのときに、
二島返還論というのもちょっといろいろと
日本国内でも言われておりまして、
二島返還論については私は個人的には
余り賛成じゃないんです。テクニック的には四島の
帰属が確認されればその次の手段としてはあってもいいかなと、このように思っておりますが、食い逃げされると、俗な
言葉で言えば食い逃げされるという
感じがしまして、それをまたたどっていくと、この
ロシュコフの頭の中には、が言った
歴史にこだわらないということはそういうところからもきているんではないかなという
感じがして仕方がなかったんです。
それで、恐らく今日か明日、
大臣、
ロシュコフに会われるだろうと、このように思ってますし、役所の方も
次官級折衝か何かがあるんだろうと思うが、あの
二島先行論が非常に進んできて、いろいろなスキャンダル、トラブルで
二島先行論者が今、
外務省からいなくなったのか少なくなったのかありますけれども、またちょっと後ずさりをする、この
日ロ、
領土問題が後ずさりをするという形になるのかなと。
しかし、
日本の
スタンスは僕はきちっとしておってもらいたいんだが、
大臣としての
北方領土問題についての
スタンス、基本的な
スタンスはいかにあるやと。