○河本英典君 私も考え方を少し述べさせていただきたいと思いますけれども、誤解があったらちょっと困るので、考え方として聞いていただきたいんですけれども。
外務省改革、やっていただくということは大事なことでありますし、それから
組織であるとか仕組みを変えるということ、これも大事でありますし、そしてもう
一つ、先ほどから話がありました
意識とか
責任感とか気概とか、そういった心の問題、この二つがあると思うんですけれども。
しかし、ちょっと同情的に取られるかもしれませんけれども、私は、
外務省というのはどこが特別なんかなと思いますと、やはり今、副
大臣おっしゃいましたように、百何十か国に出先、何か国あるかちょっと正確に知りませんけれども、大変国内じゃなしに海外にたくさん出先があるという特別な
組織であるということ。
これ考えますと、ちょっと似ている
組織といえば、例えば
日本でいえば総合商社というのがあるんですけれども。これ、総合商社のちょうどトップの方と
お話ししておったら、こんなたくさん出先一杯いて、それぞれの人間がおられるのに、うまくやっていますなという
お話ししておったら、これはやはりもうけりゃいいんだという
一つの営業活動といいますか、利益を上げればいいという
一つの目標がはっきりしておりますんで、それぞれ自立的に
組織として動いておる面があるわけでありますけれども。
外務省という国の
外交をつかさどるということは、国の意思の下に中央の考え方を末端まで浸透ささないかぬということについては、非常に私は難しい
組織であるというふうに思うわけであります。幾ら通信手段が発達して連絡が良くなったといっても、考え方というのはやはり人と人が会って意思の疎通して初めてその考え方の下に動くわけでありますから、そんな
意味で、大変気の毒な役所であるかなというふうに思うわけであります。
もう
一つ、
改革のいろんな問題が出てきましたけれども、この一年間たくさん。これは、
一つは、私の考え方は、まず役所であるから仕方がない
部分があるわけですね。それから、
組織として海外にたくさん
組織の出先があるということ、伝わりにくい、こういった特別な
部分があることを差し引けば、ある程度やむを得ない
部分があったんじゃないんかなというふうに、これ誤解されたら困るんですよ、
改革を止めろという
意味で言っているわけじゃないんですけれども。そういった
部分をよく
理解してやらないと、幾ら
制度制度で、
大使がどうであるとか、そういうことをやることも大事でありますけれども、そこのところしっかりみんなが把握しておかないと、また同じ問題を繰り返す可能性が大いにあるというふうに思いますんで。
世の中が変わって、
組織的に変えられていない
部分は変えないかぬということでいろいろ出てきているわけでありますし、しかしこれに頼っておったら絶対駄目だというふうに思っておりますんで、
組織というのは、やはりリーダーといいますか指導の問題でありますから、究極突き詰めて考えれば、やっぱりこれは政治の責任かなということも痛感しておるわけでありますんで。
余り偉そうなことを言うつもりはございませんけれども、
改革については少しはいろんな形で参画させていただいて、いろんな考え方を盛り込む作業に
参加させていただいたわけでありますけれども、根本は、特別な
組織である、海外に広がった特別な
組織であるということをこれ忘れてはならぬというふうに思いますんで。なかなか意思疎通できない、帰ってきて何とか
大使会議とかいろいろやりますけれども、ろくろくしゃべらぬわけでありますから。この辺はきっちりとした意思の伝達といいますか、これは中央集中的な意思決定の下に下ろすわけでありますから、トップダウンであるわけでありますから、そこのところはよく
理解しておかないと駄目じゃないかなということを申し上げておきたいというふうに思うわけでありますんで、
改革について水差すつもりでも何でもないんですけれども、そういうふうに取られる可能性ありますけれども。
ちょっと
外務省に同情的な面があります、私は。ここ来て、随分何か畳み込まれるようにいろんなことが起こったなという気があります。役所は一巡して、既に各省いろんな形で、この十年二十年振り返ってみていろんな批判を受けたわけでありますけれども、
外務省が、私は財務省が最後かなと思っておったら、
外務省が最後になったなというのを実感しておるわけでありますんで、ひとつよろしくお願いしたいというふうに思います。
何かお言葉いただきたいと思いますけれども。