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佐藤道夫君 私からは、問題を
外務省改革ということに絞りまして、
川口大臣にお伺いしたいと、こういうわけでございます。
防衛庁長官はしばらく席を外しておられても結構でございますよ。
外務省に対する国民の信頼度と、こういう観点で物を考えてみると、今現在ゼロではないのかと。
外務省はしかしひどい役所だと。あれ本当に公務員、
外交官試験を受かった連中などがいるんだろうかと。まあ、そう言ってはなんだけど、やくざ組織と似たようなものではないのかと。
例えば、松尾
事件なんかでも、一人の
職員に何年にもわたって何十億円という金の出入りをさせておって、当然のことのようにああいう不祥事が起きると。それから、あれよあれよという間もなしにいろんな
事件が起きてくる。その締めくくりが、締めくくりになるのかどうか分かりませんけれども、最後が、今回の
瀋陽総領事館の
事件であろうかと、こう思います。
川口さんは、そもそも何か緊張感がある、勝負をするときは赤い洋服を着るんだと、こう言っておりましたけれども、それならば
外務省に乗り込むときは必ず赤い服を着ていって、そして
外務官僚がいろんなことを言う、いや、そうではないということで断固として勝負をすると、それぐらいの決意があってもいいんだろうと思うんですけれども、なかなか赤い服にお目に掛かることはないので、どうも
改革なんというのは口先だけで言っていると、もうあきらめた、やらないと、そういうことなのかという気もするわけですよ。
田中眞紀子
外務大臣も、そういう気概を持って乗り込んでいって
改革ということを言っていましたけれども、なかなか筋道がはっきりしないうちに、スカートのすそを小泉さんや
外務官僚に踏まれてつまずいて転んでしまったと。それの身代わり的な
立場であなたが乗り込んでいったのですから、本当に気概を示してほしいと、こう思うわけですけれども、遺憾ながらそれがさっぱり見えてこない。
今回の瀋陽
事件の
処分、これ正しく私は、このときあなたが毅然たる態度で
対応すべきであったと。ところが、この
処分が発表されましたら、マスコミも国民も、何といい加減な
処分だと、こんな軽いものは
処分と言えるのかと。各新聞がもう社説でそういうことを書いておる。記事の中でも、有識者が登場してそういうコメントを出している。
外務省どうしようもないというコメントが出ている。それから投書欄にも、国民がそれぞれ同じ、けしからんと、世の中をなめるにはほどがあると、
外務省なんか、むしろもうこんな役所は解体してしまえと、極端なそういう投書もありました。
このことは二、三日前に、自民党、与党である自民党、これ唯一
川口大臣の庇護者であろう、保護者であろうかと、こう思うわけですけれども、何か合同部会とかいう、ちょっと正確な名称分かりませんけれども、開かれて、そこで、やっぱり
出席者がテーブルをたたかんばかりにして、何を考えているんだと、こんな甘い
処分をやって国民の信頼をつなぎ止めると思うのかと、こういうことをはっきり言っておりました。これ、私テレビで見たんです。全く偶然に、つけましたらその状況が映し出されておりまして、立ち上がる人が皆顔を真っ赤にしてテーブルをたたかんばかりにしてやっておりました。
これが、言うならば国民の共通の認識であろうと思います。本当に
理解できないことです。あの総領事とそれから首席領事ですか、私、この場でも取り上げまして、これは戦線離脱だ、戦争中ならば、もう皆銃殺だと。あれだけの重大な
事件が起きているのにかかわらず、総領事はどっか行っちゃって、だれかと会う
予定がありましたと、職場にはいないと。首席領事なる者もまた国に帰っておりまして、切符が取れないとか取れたとか、もう理由にならぬ理由を挙げて職場に戻ってこなかったと。あれだけでも私、懲戒免職でしかるべきではないのかと。
ちょっとひどいという
意見もあるかもしれませんけれども、そこまでやることも必要なんでありまして、減給一か月、二〇%なんというのは、あなたもあの通産省におられたからよく分かっておるでしょう。大体、役場の末端の
職員がついつい酔っ払い運転をしたと、そのとき、村長が呼んで、おまえ、みんなやっているんだけれども、捕まったおまえ運が悪いと。しかし、
処分しないわけにもいかぬから、まあ一か月、二〇%ぐらいの減給でやってやるよと、分かりましたということでやるのがこういう
処分なんですよ。
地位の高い者ほど何か不始末があった場合には厳しく追及すべきだと。一罰百戒という
言葉、御存じでしょう。それが先例的になって、ああ、ああいうことをやる、こういうことをやったら、無
責任を追及されたら本当に厳しい
処分を受けるんだと。見せしめ的なことになって、本人には少し過酷かもしれませんけれども、それが当然なんです。
そういう重い地位に就いている者の
責任感ということを考えれば、だれが見てもあなたの
処分は明らかにおかしいですよ。
外務官僚にこびを呈したとしか思えない。なぜなんですか。あなたは、
改革ということを高らかにうたい上げて赤い洋服を着て乗り込んでいったと。今や緑色の洋服で世間をごまかそうとしておられるのかどうか分かりませんけれどもね。
私、いろんな役所の
研修などに講師として呼ばれていったことがありまして、そういうときに話をする。これは私の
立場から言いましても、いろんな公務員の不祥事を取り上げて、これについてはこういう厳しい行政
処分がある、君たちもそのことをしかと肝に銘じて頑張るんだよと、分かりましたということで、キャリアの連中もきちっと私の講義などを、本当にこれは重大な発言だと、あるいは面白い発言だと思ったのかよく分かりませんけれども、ちゃんとメモをしながら聞いておる。そういう連中が今
外務省のそれぞれの主要なポストに座っておって、もう私の講義なんか忘れたんでしょうかね。情けないとしか私言いようがないんですよ。なぜなんですか。こんなどうでもいいような
処分をして、厳しい
処分をいたしましたなんて言えた義理ですか。ちょっとその辺の所感をまとめて簡単に話してください。