○田村秀昭君
外務省が五月十三日に
瀋陽総領事館事件の
調査結果をお出しになっておられますけれども、この中で「
総領事館の対応に関する問題点」として
外務省が挙げておられる何項目があるんですが、私これ読ましていただいて、こういうふうな見方で問題点を挙げておられるのかなと非常に不思議に思うわけなんですが、まず「意識面の問題点」というのを挙げると、そこには何が書かれているかというと危機意識が比較的希薄であったと、危機意識が。私は、危機意識といって、しょっちゅうこういうことというのはあるんじゃないですか。ただ、今回だけは
テレビ映像で映っちゃっているから問題になっているんで、
中国の
日本大使館、
総領事館、大体こういう感じなんじゃないかなと。
大体、普通、
日本の中で東京なら東京で、
日本の警察官が米国
大使館の中へ入っていって自分たちが不審だと思う
人間を拿捕するなんてことは
考えられないですよね。これは公館の、
領事機関の公館の不可侵という大原則があるからなんですよ。ところが、
中国の
総領事館では、そういうのが入っていっても、ああ、また来たかというような感じで、自分たちと一緒みたいな感じになっているんじゃないかと思うんですよね、基本的に。それで、
中国の警備員が警備しているし、自分たちの仲間と同じで
中国政府のやっていることを助けていると、
日本の
総領事は、としか私は言いようがない。だから、この危機意識というのは、こんなことになるとは夢にも思わなかったというだけの話で、それが書かれているだけですよ、ここ。
あとは「警備面の問題点」なんて言って人数が少ないと、二人しかいない。モニター
テレビも正面にはない。初めからそういうのを付けなかったんじゃないですか、そのしょっちゅう行われるのがいつもモニターされちゃ困るから。だから、
中国政府がしたいなと思うことを推進しているデタッチメントじゃないかなと私は思っているんですよ。そういう認識だと。だから、靖国の問題とか歴史認識の問題とか、そういうものがいつまでも尾を引くと。
それで、友好といえば、例えば夫婦
関係にして、昔おまえはあの男と
関係があったからと事あるごとに言って、夫婦の
関係よくなるわけないですね。昔のことを言いながら、友好と言ってお金をたくさん出させていると、そういうのが今の日中
関係ではないだろうかと。
だから、こういう言葉というのはそんなにびっくりする話じゃなくて日常茶飯事に行われたことで、危機意識というよりも、
領事機関の公館の不可侵という精神が全くなかったという反省ならいいけれども、危機意識がなかったというのは、こういうことが、ふだんやっていたことが起こったのでびっくりしたということを言っているんならいいですけれども。だから、
外務省の反省点というのはちょっとおかしいんじゃないかと私は思いますけれども、どうですか。