○佐藤道夫君 私からお尋ねいたします。
川口大臣、
中谷長官、連日、本当に御苦労でございます。予算審議が佳境に入っておりまして、もう何日も休む暇もないということで、お二方とも、なお上野副
長官も同じことでございますけれども、そういうお
立場で頑張っておられるということでございますので、本日もまた一日この
委員会にお付き合いを願うと、大変なことだろうと思いますが、考えてみますれば、今や二十一世紀の初頭、新しい
時代の国の
基本と言ってもいい
外交、
防衛の在り方がどうあるべきかと、これは今世紀百年間の
日本の歴史を占う上でも大変重大な役割をあなた方お二人は担っておると。いつもついでになりますけれども、上野副
長官も同じことでありまして、大変な重職を担っておるということだろうと思います。どうか、そういうお気持ちで、老骨にむちを打つと言うと怒られるかもしれませんが、そういう気概を持って頑張っていただきたいと私から
最初にお願いしておきます。
そこで、
外務省の問題をまず取り上げ、
外務省の問題をまず取り上げさせていただきます。
今や
外交問題、国の本当の大問題のようにして連日取り上げられ報道もされておると、こういう
時代であります。
外務省改革というその問題の
重要性もあるのでありましょう。最近ちょっと気になりますることは、何か、人名を略称いたしますけれども、眞紀子、宗男のバトルと、そこから始まって、最近は宗男議員の問題と、あれは大悪人だと、こういうふうな世論も形成されつつあると。あれ、しかし
外務省はどうしたんだろうかと。あんな
政治家にあれだけやりたい放題のことをやらせておいて、これは持ちつ持たれつの
関係で、言うならば、私の専門語で言えば共犯
関係だと。主犯は宗男議員かもしらぬが、
外務省は共犯ではないのかと、こういうふうに世間は見ておったら、いつの間にか
外務省は被害者の方に
立場がすり替わってしまったと。悪いのはあいつと、こちらは被害者と。そして、何か文書もそれに従っていろんな文書が出てくる。読む
国民は皆、けしからぬ、けしからぬ、それにしてもひどいものだと、こう言って宗男議員を非難をする。
肝心かなめの
外務省改革、
外務省のあるべき姿がどうなのかという
議論がおざなりになっていくような気もしているものですから、この
機会に、一体、今回の紛争を通じて
外務省がどういう対応をしてきたのか、どこに問題があったのか、これからどうあるべきかと、そういうことを取り上げてお尋ねしていきたいと。どうか、率直な
意見を承れば幸いに思います。
外務省改革ということを
川口大臣も高らかにうたい上げているようですから、その妨げとなることのないように、虚心坦懐、あるべきことをきちっと話をしていただければと、こう思います。
そこで、
最初に、これは
改革とはちょっと
関係ないんですけれども、田中
大臣がお辞めになって新しくあなたが
大臣になって、普通は
大臣が交代すると事務引継というのをやるわけであります。この事務引継、大変重大な問題を持つ。役所なんかは、上は
大臣から下は末端の
職員に至るまで、ポストが替わりますときちっと引継ぎをする。前任者が、やあ御苦労さま、今度、この問題、この係についてはこういう問題があると、こういうことをきちっと引継ぎをする。引継ぎ書なんて、あれは形式なんですね。やっぱり会って口頭で、書面には書けないけれどもこういう問題があるんだよと。
例えば、
局長が替わりますと、前任者の
局長は、この局には五人の課長がいると。筆頭課長のA、あれは非常に人付き合いが良くて人の気をそらさないと、いかにも優秀なように見えるけれども実はそうではないんだと、変なやつなんだよと、何か女性問題もあるようで、
機密費を使い込んでいるうわさもあるぐらいだと、用心したまえよと、前任者がこういう話をする。それからB課長、あれは本当におとなしくて、いるのかいないのか分からぬような、そういうふうにも言われているけれども、いったん緩急あると本当に頼りになるやつだと、
自分は何回危急を救われたか分からぬと、君もそういう目であの男を大切にしてやってくれと。
こういうことが本当の
意味での引継ぎで、これはどこでも、会社でもやっていることなんですよね。やらなかったのは、今まで
日本の歴史始まってあなた一人じゃないかと、私はそう思っているくらいで。
何か新聞報道によると、田中
大臣、前
大臣の方から引継ぎをしたいと申出があった。これもおかしいんですよ。本当は事務当局が両方の都合を聞いて、場所、時間を設定して、お二方がお会いして引継ぎをする。そういうことを一切やらないんですね。
外務省って不思議な役所ですよ。
あなたは、私の前任は小泉さんですと。確かに
法律的な形式、三日か四日、小泉さんが事務取扱をしておりましたからね。しかし、
日本の常識でそんなものは前任と言わないんですよ。あなたも長いこと役所におったから、よく知っているでしょう。ある
局長が急に異動すると、その後任が決まらないということ間々あるわけですよ。そうしますと、
大臣や次官が事務取扱と、これは形だけで、三日間なら三日間判こをついておしまいと。だれもこんなものは
局長とは思ってもいない、事務取扱だからちょこっと書類を持っていくという、それだけのことなんですよね。
小泉さんだって現に
外務省のことなんか何も分かっていない。分かっていないと言うと怒られるかもしれませんけれども、実際は細かいことまで何も御存じない。それは当然ですから、
総理大臣ですから。あなたの前任はだれが考えたって田中さんなんで、なぜ田中さんとお会いをして、彼女は彼女なりに
外務省改革と高らかにうたい上げて、はたから見ておりますと、ちょっとぐらい勇み足ではないのかとかいろんなことが言われましたけれども、しかし何か思いがあったわけですから、それを承ってどうして
自分の考えが今まで浸透できなかったのか、大変残念な思いをしているとか、いろんな考えがあるわけでしょう。それについても、この
外務省の
改革の邪魔になっているのはあそことあそことあの連中だと、それだって参考に承ること、大変私、重要な
意味があると思う。
新しいポストに就いた人の第一の役目がそれなんですよ。なぜかあなたは、私の前任は小泉さんと。じゃ、小泉さんと事務引継ぎしたんですかと、そういうふうに聞きたくもなりますけれども。
小泉さんも国会答弁で、引継ぎなんかする必要ないよと、例によって気楽な調子で言っておりましたけれどもね。彼は役所とか会社なんかいたことないですから、引継ぎの
重要性を一切知らないでああいうことを言っているわけなんですけれども。そのときにやっぱり補佐する官房
長官、彼は会社かなんか、会社勤めかなんかしておりますから、知っているわけですよ。きちっと、
総理、そういうものじゃございませんよと忠告をするのが当たり前のことではないかと思う。
これ、
日本の役所というのは恐るべきことに先例が第一、先例を非常に大切にしますから、これからこういうことがありますと、おれの前任は事務取扱になったあの上司だ、あの
局長だと。課長が異動して、三日間なら三日間
局長が事務取扱になって、さて引継ぎをしようかということになったら、何を言っている、
外務省のあれで知っているだろう、おれの前任はあの
局長だ、おまえなんかは相手にしないと、こういうことを言われたって仕方がないんですよ、
日本の役所はすぐそういうことを持ち出してきますからね。
やっぱり間違いなら間違い、きちっと田中前
大臣と引継ぎをすべきであったと、そうお考えならば、この場ではっきりそういうお答えを申し述べてください。どうぞ。