○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
尾身大臣、連日御苦労さまでございます。
私は、今日、岩本
委員がされた
質問の中に私がしようと思っていた
質問も幾つかありましたので、重複をいたしておりますけれ
ども、なるべく別の角度からお聞きをしていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
まず冒頭、私、お聞きしたいのは、
沖縄への国連機関、あるいは、大きく広く国際機関の誘致と言ってもいいかもしれませんけれ
ども、このことについてちょっとお伺いをしたいと思います。
今回、議題となっておりますこの
振興特措法の八十六条には、国は、
沖縄の国際化に係る
施策の推進に努めるものとするという規定がございます。また、同条の第二項には、
沖縄県は、その特性を生かした国際協力、国際交流の推進が必要であるというようなことに言及をされているわけでございます。
公明党は、以前からこの
沖縄への国連機関あるいは国際機関の誘致、積極的に主張してまいりました。小渕総理の時代には、神崎代表が衆議院で、また参議院の方では浜四津敏子代表代行が代表
質問でこの問題取り上げまして、小渕総理から前向きな御
答弁をいただいている経緯もございます。
この国連機関とか国際機関の誘致は、確かに難しい、一筋縄ではいかないという問題でございます。これは、国と
沖縄県が国連機関を
沖縄に呼ぼうという合意をいたしまして何らかの予算を計上しても、
相手は国連でございますから、国連やその国際機関が来たいと言わなければなかなかこれ実現しないと。そういう難しさはあえて私、分かった上で、今日ちょっとお時間いただいてお話ししたいんですが、私が強調したいのは、まず
沖縄県の
県民は非常に強くこの構想を望んでいるということでございます。
ちょうど今から一年前になりますが、昨年の三月二十九日には、
内閣総理
大臣、
外務大臣、そして
国務大臣沖縄北方
対策担当あてに
沖縄県議会が、当時、国連アジア本部という
言葉を使っておりましたが、国連アジア本部
沖縄県誘致に関する要請決議というものを出しているわけでございます。
全部は読みませんが、この中で、どうして
沖縄に国連機関を呼ぼうという話になっているかというと、
一つは、世界の
人口の六割を占めるアジアの地域に国連の拠点がないということでございます。
大臣御案内のとおり、ヨーロッパにはウイーンとそれからジュネーブに大きな国連のセンターがありまして、アメリカにはニューヨークにある、ワシントンにもかなりの国際機関があるということでありますが、アジアにおいてはバンコクに若干、国連機関がありますけれ
ども、欧米と比べたら比べるべくもない小さな
規模でございます。そういった
意味で、
沖縄だけに限らないかもしれませんが、アジアにもっと国連機関を呼ぼうという前提がまず
一つあります。
それからもう
一つは、やはり、
沖縄の地理的位置が、ここにも書いてありますが、我が国の最西南端に位置して、唯一の亜熱帯地域に属する気候的条件下にあって、豊かな自然に恵まれ、そしてアジア地域に最も近い南の玄関口としての地理的特性を持っていると。また、歴史的にも、中国や近隣のアジア諸国とのいろんな交流の歴史があると。そして、最後に出てくるのは、第二次世界大戦のときに
日本の中で唯一地上戦を経験したのはこの
沖縄であると。ですから、
沖縄県民の心というのは、
沖縄県が、今、
観光と基地というお話、岩本
委員の方からもありましたけれ
ども、やはり平和のために貢献する
沖縄という位置付けをしていきたいという気持ちがあるわけでございます。
また、
日本の有識者の中でも、
沖縄に国連機関、誘致した方がいいんではないか、例えば、具体的には明石康元国連事務次長、あるいは財界では寺島実郎さんなんかもこういったことを発言されております。それから、直近では、三月十九日の朝日新聞に、明治学院大学の高原教授が、要するに、今、
日本の外交の柱は人間の安全保障であると、この人間の安全保障をやっぱり具体的に進めるために、
沖縄において基地依存をこれ以上強めるよりも、鉄道などの
社会資本の充実や地元が提唱する国連機関の誘致の方が地域の持続的発展のために有意義なはずだという発言をされているわけでございます。
そして、長くなりましたので最後にいたしますけれ
ども、ここは参議院でありますので、昨年六月、参議院の国際問題に関する調査会が報告書を出しております。この三十五ページ、六ページに「
沖縄への国連機関の誘致」という項目が含まれておりまして、ちょっと引用させていただきますが、国連側の
ニーズ及びバンコクのアジア・太平洋
経済社会
委員会の
活動との競合に配慮しつつ、この地域の中心に近い
沖縄に国連機関の事務所を設置することの
検討を提唱する、そして、
沖縄を国連シティとして発展していくことを期待しているということをこの参議院の国際問題調査会が提言をしているわけでございます。
これを受けて、昨年、
外務省がアメリカの研究機関とか研究学者に委託いたしまして、この国連アジア本部を
沖縄に持ってこれるかと。これに関しては、報告書が昨年の秋に出まして、非常に難しい面があるということを言っているわけでありますけれ
ども、私はやはり、国連、国、県というそれぞれのレベルがあるわけですけれ
ども、これは国連機関を
沖縄に呼ぶということは何のマイナス面もないわけでありますから、初めから国のレベルでこれを難しいところが一杯あるからといって排除するんではなくて、やはり
沖縄県民も望んでおりますし、また外交の専門家、人間安全保障を進めようという専門家の間でもこういう声があることを踏まえて、是非こういったことを前向きに
検討していただきたい、応援していただきたいと思いますけれ
ども、
尾身大臣、よろしくお願いいたします。