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武部国務大臣 原因の究明は、私
ども農林水産省、最もエネルギーを費やしていると言って過言でありませんが、現時点では、残念ながら感染経路を解明するに至っておりません。その見通しについて明言することは困難でありますが、あり得ないことが起こり得るという前提で徹底的に再調査させている次第でございます。今後も、迷宮入りにはさせないという覚悟を持って、引き続き想定される
原因に関する調査を全力を挙げて行ってまいる所存でございます。
なお、今も申し上げましたが、二月から
原因究明のためのチームに専任の室長を配置するとともに、人員を九名から十一名に強化いたしまして、さらに本日付で専任の
専門家を一名増員したところでございます。
そこで、どういう
状況に今至っているかということについて、多少時間がかかるかもしれませんが、申し上げさせていただきます。
感染経路の調査については、十一月三十日の中間発表以降も引き続き川上からの調査、また
川下に至るまでの調査を行っているわけでございますが、二例目及び三例目の
農家に飼料を供給していた飼料工場六工場のうち、鶏、豚用飼料に使われていた肉骨粉の混入の
可能性を完全には否定できない工場が新たに一工場判明いたしました。
しかし、調査の結果、一例目に関する工場も含め、これらの工場が使用していた肉骨粉は、一部が豪州、ニュージーランド産の原料であることを除き、国産であることが確認されているわけでございます。
次に、魚粉等でございます。
三例目に
関係する飼料工場で使用されていた魚粉等への肉骨粉の混入の
可能性について、エライザ法、PCR法等による
検査を行っているところでありますが、三工場の魚粉から哺乳動物のたんぱく質が検出されたことから、念のため、肥飼料
検査所が当該工場に再度立入調査を実施いたしまして、水産加工残渣や食品残渣等の内容、製造過程等の確認を行っているところでございます。
この確認調査は、三工場の収集先が極めて多数であります、魚市場、水産加工場、量販店等々数百カ所ございまして、確認に時間を要しているところでございます。
イタリア産肉骨粉について次に申し上げますが、イタリアからの輸入肉骨粉に関しましては、昨年十月の現地調査によりまして、一九九八年六月以前に輸出された肉骨粉は、湿熱百三十六度、三十分の加熱処理基準を満たしていなかった
可能性があることが判明いたしました。
イタリア
政府は、今まで我が国が要求している加熱温度、時間を満たしていたと回答、主張しておりましたが、二月九日早朝、三気圧の加圧がなされていなかった旨の回答がございました。このため、今までのイタリア
政府からの回答、
検査証明書の記載内容と今回の回答とのそご等について、イタリア
政府に照会いたしまして、先般回答を得たわけでありますが、内容に不明な部分がありまして、さらに照会を行っているところでございます。
オランダ産の油脂について次に申し上げます。
一例目から三例目までの
農家において、同一の銘柄ではありませんが、共通の成分が含まれている代用乳が使用されておりまして、その原料として、
BSE発生国であるオランダから輸入された動物性油脂が使用されていたということが判明いたしました。
担当官をオランダに派遣し、調査を行ったところでございますが、現地調査において持ち帰った調査書類について分析を行った結果、三例の
感染牛に
関連があると思われる九六年五月以前に輸入された粉末油脂の原料である動物性油脂は、一社で製造されているということ、また、その原料は牛の脂身等である
可能性が高いと考えられること、当該原料は純度の高いものであった
可能性が高いと考えられること等が判明いたしまして、オランダ産油脂が
感染源となった
可能性は低いというふうにも考えられますが、しかしながら、代用乳は三例に共通する飼料であります。その原料であるオランダ産の油脂について、さらに慎重に
検討する必要があると考えております。
以上、申し上げましたように、
感染源、
感染ルートの解明に至っておりませんけれ
ども、迷宮入りはさせないという
決意で、さらに想定される
原因に関する調査を全力を挙げて行ってまいりたい、かように考えているところでございます。