○菊池
公述人 御紹介いただきました菊池でございます。
きょうは
予算委員会にお招きいただきまして、私の所見を述べさせていただく機会を与えていただきましたことを大変光栄に思います。
私は大学の教員でございますので、政治的には中立の立場で、客観的データ、それから、それに基づきます私の所見を申し述べたいと思います。
お
手元に
資料をお配り申し上げました。ちょっと
資料が多うございますけれども、一番上に公述要旨というのがございます。それをあけていただきますと、黄色の線が引いてあるペーパーでございますが、
アメリカの大恐慌時代、フーバー大統領時代のむしろ
デフレを加速した時代、それからルーズベルトになってそれが解消に向かう時代、どういう
政策であったかという
政策的な教訓をここでお話ししたいと思います。
その次のページに参りまして、カラーコピーの図表がございますが、
日本の債務問題、
国債の問題でございます。これにつきまして私がここで申し上げたいことは、
日本の
国債については大変誤解が多い、もう一度しっかりと実態を把握した上で、何が問題なのかを考えるべきじゃないかということをここで述べさせていただきたいと思います。
それから、最後には、現在の金融不安を解消するにはどうしたらいいんだろうかと、つい最近私が書きました、拙稿でございますが、これをつけさせていただきました。この中で、金融安定化
政策をきちっと確立すべきではないかと考えておりますので、そのことを申し述べさせていただきます。
まず最初に、
平成十四
年度予算についてでございます。
私は、
平成十四
年度予算につきましては、基本的に賛成でございます。現下の
経済情勢から見て、できるだけ早く成立をさせていただきたいと思います。しかしながら、
日本経済の
状況は一段と厳しさを増しております。諸般の客観情勢を十分考慮して、早急に抜本的な対策をとっていただくということが不可欠ではないかと思います。
まず、十四
年度予算の性格でございますが、これは典型的な
デフレ型
予算と言っていいのではないかと思います。御案内のとおり、一般会計で一・七%減の八十一・二兆円ということでございまして、これは前
年度予算に比べて一・四兆円のマイナス、四十七年ぶりの二年連続緊縮
予算でございます。特に、
税収が七・七%減、四十六・八兆と、前
年度に比べて三・九兆円減るという
予算でございますが、現下の情勢を考えますと、これ以上に
税収が減るのではないか、その点、私は危惧いたしております。ですから、緊縮
財政をとりながら、結果的には
赤字が
拡大するということにならないんだろうか。この辺のところを十分考えながら新
年度の
経済運営をしていくのが必要じゃないかと思います。
小泉総理の提唱されます
構造改革は必要なことでございまして、今後も中長期的な課題として推進していくべきものと考えております。しかしながら、
構造改革の二本の柱、一つは
財政再建を優先した緊縮
財政、もう一つは金融機関の
不良債権の
処理ということかと思います。もちろん、その他公益法人問題とか幾つか多くのテーマがございますけれども、これは中長期的に一歩一歩対処していかなければいけない性格のものでございます。
特に、現在のように
デフレが進んでいる現状では、
デフレ政策をとっていくことが果たしていいものかどうか。歴史的に見まして、
デフレ経済のもとで、
デフレを強化した
経済政策をとって
財政再建に成功した例はございません。むしろ、すべて失敗しております。
昨年十二月に、自由民主党の内部で
デフレ対策
委員会が設置されまして、広範囲に
デフレ対策を検討され始めましたことは大変タイムリーなこととして高く評価できるものと思います。次いで、二月八日のG7の会合、十八日の米国ブッシュ大統領との会合、そういう
政府筋での会合もございまして、本日、
デフレ対策というのが新聞に出ておりますが、そういう意味では、
デフレ解消、むしろ
デフレ問題を真剣に考えなければいけないというところに現在到達したのかな。そういう意味では、
デフレ対策、
デフレを何とか解決しようという第一歩だというふうに評価できるかと思います。
本格的な
デフレ対策を実行していくというふうにいたしますと、
政府の
経済政策の大
前提を変えることになるのではないか。これを契機といたしまして、抜本的に
経済政策を見直し、需要喚起対策を具体化していただくということが必要ではないかと思います。
私は、
デフレ対策といたしましては、
財政政策を積極的に取り上げて、
財政政策と
金融政策を両輪といたしまして、さらに、金融不安を解消するためには、金融安定化
政策、これは中長期的視点に立った金融秩序維持
政策でございますが、後ほど細かく私の
意見を申し上げたいと思いますけれども、これをしっかりと立案して、それによって、現在加速しております
デフレ的な
要因、こういうものを根絶していくような対応が必要ではないかと思います。
政府の
政策は、失礼な言葉かもしれませんが、やや
財政呪縛に陥って、
財政政策をアンタッチャブルのような、余り触れないで、金融ばかりに
デフレの解消策を求めていこうというような感じが見受けられます。私はいつも思うことでございますが、
日本の
財政というもの、特に
国債問題についても大変誤解が多くございます。これはこの後申し上げます。
総債務から
金融資産を控除いたしましたいわゆる純債務という概念で見れば、
日本はまだまだ
財政支出の余力がございます。
アメリカのエコノミストなんかはこういう
意見でございますし、恐らく米国
政府にもこういう強い
意見があるのではないかと私は感じております。
本年四月以降、
デフレ解消のために早目に補正
予算を組んでいただいて、大幅な
マイナス成長に陥らないように
財政支出を
増加していただくことが必要ではないかと思います。過去二年余りで、
財政支出は約十兆円ほど減少しております。これを一挙に埋め合わせる。小出しにいたしますと、本
年度のように、五兆円結局出るんですけれども、余り
効果が出ないということにならないか。
それから、やはり、こういう補正
予算、
財政支出、あるいは
予算に対する
政府の姿勢というものは、
国民、
経営者に対しまして大きな心理的な影響を及ぼします。
政府が
財政支出をして
景気を好転しよう、こういう姿勢を強く示せば、民間からも、じゃ
投資をしよう、先行き、物を買おう、支出しようということも出てくるのではないか。ですから、そういう意味では、
デフレムードを何とか払拭するために、ひとつそういった手をお考えいただけたらと思っております。
次に、
デフレスパイラルということが最近言われておりますが、私は、実は
デフレスパイラルはもうとっくに始まっているのではないかというふうに解釈しております。
といいますのは、通常の
デフレと
デフレスパイラルはちょっと違うんではないか。通常の
デフレといいますのは、皆さん御案内のとおり、物価が続落いたしまして
企業収益が落ちます。それで
景気が後退します。すると
失業も出ます。しかし、賃金が下がりますし物価も下がりますから、何か
投資をしようという人が出てくる、そうすると
景気が回復してくる、そういうことだと思います。
デフレスパイラルという場合には、
景気が後退し物価が下落する、
企業収益が悪化する。それとともに、なかなか新規
投資が出てこない。出てこないような
要因があるわけですね。そして、そのために実体
経済が収縮していく。そこで
不良債権が起きる。そうしますと金融不安が起きる。それから金融機関が破綻をしていく。生命保険会社とか
銀行がどんどん破綻あるいはそれに近い
経営危機に陥る。それで貸し渋りが起きる。それで
信用収縮が起きる。この
信用収縮が起きるということが、実は
経済規模を縮小させる大きな
要因でございます。現在既に起きております。
ですから、現在の不況ということを考えるときには、こういった性格の
デフレというのは、恐慌型の
デフレというふうに私は解釈したいと思っております。
恐慌型というのはどういうことかといいますと、市場に任せておいて市場原理のまま放任しておけば、むしろ悪い方向悪い方向に行ってしまう。
経済実態が、むしろ均衡するどころか破壊的に動いていくんじゃないか。これがまさに恐慌型の
デフレあるいは恐慌型の不況ということではないかと思います。現在はまさにそういう
状況ではないかと私は解釈しております。
昨年の後半から特にこの傾向が強まってまいりまして、株価が暴落して
企業や金融機関の
資本勘定を直撃し、生命保険会社とか年金基金、こういうのが軒並みの
赤字でございます。しかも、ここで四月からペイオフ実施ということになれば、金融不安が一段と
拡大し、これがむしろ金融不安にスパイラル的な要素になるのではないか。
しかし、九九年以降、九八年とか七年にございましたような、ある意味では株式市場等にどかんというような大きな不安感が起きないじゃないかという
意見もあろうかと思いますが、これは結局、大手の金融機関に既に
公的資金が入っております。ですから、海外から見た場合には、大手の
銀行はつぶれないなと思っているわけです。
ですから、かつてあったいわゆるジャパン・プレミアム、
日本の
銀行だったらほかの
銀行よりも一%高いよ、そういう
リスクプレミアムというものは、今はほとんどございません。これが前回と大きな違いだろう。ですから、
公的資金の
効果というのは、そういう意味では、
信用の底支えとしては非常に大きいのではないかと思います。
それから、もう一つ最近のデータで非常に懸念すべきことは、
設備投資が続落しておりますので、純
投資、新規の
投資と減価償却によって実際に減少していく
投資、この差額を純
投資というふうに言っておりますが、この純
投資がマイナスになってきております。一部上場会社では既にマイナスであるという統計が出ております。これがマイナスになっていくということは、
経済規模がどんどん小さくなっていく、つまり
マイナス成長というものが広がっていくということだと思います。これは、決して海外等に対する
投資がふえたからではなくて、
国内が
デフレ経済になってきた、これから
デフレを控えている、ですからそういう方向が出てきている、これはゆゆしき現状だと私は思います。
ですから、ぜひとも、
財政支出ばかりではなく、
減税政策、住宅
減税とか
投資減税、特に
投資減税には非常に力を入れて、新規
投資については税額控除をするとか、新規分についての加速償却、償却度を短くする、そういったことを入れて、何とかして
国内投資の環境を向上させていただくような、そういう
投資優遇策が必要ではないかというふうに考えております。
次に、お
手元の
資料を
ごらんください。
デフレの問題が今非常に話題になっておりまして、
政府も
方針を出しております。そこで、参考になるかと思いますので、一九三〇年代の
アメリカの
デフレ、どんなふうに起きたのか、そしてルーズベルトがどういうふうに解消したのかということの表がございます。それを
ごらんいただきたいと思います。
まず、一九二九年から一九三三年二月までのフーバー大統領時代、これは有名なフーバー・
デフレと言われる時代ですが、このときの特徴は、
デフレ下でも均衡
財政をとった。結果としては、
財政は大幅に
赤字になる。
それから、
銀行の破綻をそのまま放任したものですから、次々と連鎖反応が起きて、
信用収縮が起きている。マネーサプライが年率で一〇%も減る。この四年間で、実は五〇%、つまりマネーの量が半分になってしまった。ですから、物価も大幅に下がりました。
それから、考え方としましては、市場原理主義といいますか、倒産とか破綻は放任していいんだ、そうすれば新しいのは元気なものが出てくるからいいんだという考えに立ったわけですね。
その結果が、その一番下にちょっと黄色の線がかいてありますが、この二九年からどんと落ち込んだ三三年、実に
国民所得が四六%減少いたしました。それが、その後一九四〇年まで七年間かかってようやく戻ったということでございます。
では、それはどういうふうにして戻したのか。それが、その右側のルーズベルト大統領の
デフレ解消策です。
一口に言いまして、まず、一九三三年の六月に
銀行の株式保有を禁止しました。同時に、時価会計を廃止いたしまして、取得原価主義、金融機関は取得原価主義でいいんだということにしたわけですね。つまり、市場のそういう
価格変動を金融機関の
資本勘定から遮断しようということを思い切ってやった。
それから、マネーサプライを年率一〇%ぐらいふやしまして、新たにニューディール
政策をとって、
国債も
発行しました。しかし、
国債は市場で
発行いたしますけれども、市場で
発行しますとすぐ既発債の
国債を中央
銀行が買っていくということで、買いオペを同時にやっていくということにいたしました。
そういうようなことをいたしまして、三三年から四七年、この十四年間、戦争の四年間がございましたけれども、平均いたしますと物価は二%から三%
上昇しています。一時、
国民所得が大幅に落ち込んだときには、その回復過程で七、八%上がったこともございます。
それから、金融安定化
政策というのをとりまして、
公的資金の注入とか金融機関の再編、そういうものを
政府主導でどんどんやっていったわけですね。こういう時代には市場規律とか市場原理は機能しない、民間に任せておけば右往左往するだけですから、そういうことをいたしました。
それから、その後、低
金利政策をとりまして、これは実に三三年から五一年まで十八年間続いております。
財務省と中央
銀行が協調いたしまして、短期は〇・三七五、長期は十年
国債で二・二五ということをずっと続けていったんです。こういうふうにして
国債管理
政策というのをきちっとして
国債を管理する、同時に、
長期金利を低利で多く、それをまさに主導的にした。それによって、民間が安心して
投資ができるような客観情勢をつくっていったわけですね。
一たん
デフレで金融システムあるいは
資本主義システムが崩壊いたしますと、なかなか秩序が得られませんから、その秩序をつくり上げたというのがこの特徴でございます。これは現在でも当てはまることだと思います。
それでは、その次の
資料を
ごらんください。
これは
日本の
国債でございます。
日本の
国債につきましては非常に誤解が多いと私は申し上げましたけれども、その誤解の多い理由は、まず第一には、総借り入れ、つまり六百六十六兆とかそういう総借り入れだけで見ている。しかし、
日本には二〇〇〇
年度末で約四百兆の
金融資産がございますから、これを引きますと、
政府の純債務というのは二百五十兆ぐらいしかございません。それから、資金的にはそれは順調に回っております。
もう一つ誤解が多いと思いますのは、現在借りている
国債、これを現代の世代だけで返すべきだ、次世代にツケを回しちゃいかぬというような方が多いと思いますが、しかし、
日本のように貯蓄がたくさんあって、しかも社会
資本が不十分な場合には、将来にわたってその
国債のツケというか
負担が回ってもいいんじゃないかと私は考えます。
それから三番目には、
国債管理
政策、そういうものがほとんどない。先ほど申し上げましたとおり、
アメリカでは、現在でも三〇年代以降からの継続で、これははっきりとしております。そういう
政策をとっておるわけです。
そこで、データを見ていただきますと、その左のところに「
日本の資金循環」というのがございます。これは、千四百兆の
お金がこういうふうに回っておりますので、
政府だけ、右から二番目を見ていただきますと、
負債が六百六十兆あっても、
金融資産が四百二兆ありますから、純債務は二百五十八兆しかございません。それから、その下、
日本は正味
資産がありますので、
資産超過の国です。
右を
ごらんください。これは
国債の保有
状況です。これを見ていきますと、右の方に書いてありますけれども、「
政府等」、これは郵貯ですとか簡易保険とかそういったものを全部合わせまして三八%を保有しております。これは二〇〇一年六月末の日銀統計からとったものです。日銀も加えますと五二・六、つまり、
発行済みの
国債の半分ははっきりと
政府及び
政府等で保有されております。
残りの分が外国人とか家計なんですが、外国人は五・三%と極めて少ないわけですね。これは、
日本というものは資金循環がうまく回っているという証左です。
その下を見ていきますと、今度は
アメリカの
国債の
状況です。
アメリカの
状況を見ますと、非居住者で三四・七。つまり、外国人が三分の一を持っている。このうちかなりを実は
日本が持っているんですけれども、外貨準備として。それから、中央
銀行が一五・五。ですから、あと公的部門等とございますが、
政府等を合わせますと二三・一%となり、やはり
アメリカの
国債も
政府等が保有しております。そのほかが生保とか年金ファンドという形でございます。
こういうふうに見てまいりますと、
日本の
国債の保有の内訳は極めて安定しております。ですから、しっかりと
国債の管理
政策というものを持って、
価格の維持それから量的なコントロール、そういうふうにしていけば、千四百兆という個人
資産があるわけですから、安定的に
政府支出もできるのではないか、こういうことがはっきり言えるのではないかと私は思います。
最後に、ちょっと時間の関係もございますので、金融システム、金融不安のことを一言申し上げたいと思います。
現在、金融システムといいますか、これは非常に不安な
状況でございまして、
政府もいろいろお考えでございますけれども、率直なところ、私は、やや混乱と混迷のような
状態になっているのではないかと思います。
それには、先ほど申し上げたように、
政府に金融秩序維持
政策といいますか、これは
欧米ではプルーデンシャルポリシー、プルーデンシャルというのは慎重なということですから、慎重にきちっとやらなきゃいかぬというのはやはり金融のベースなんでしょうね。プルーデンシャルポリシーという、金融安定化
政策とか
信用秩序維持
政策というのが乏しいのじゃないか、現状ではほとんどないのではないかと思います。
では、一体どうしたらいいのか。
まず、大手行で見ていきますと、まだ株式の問題が残っております。保有制限というものを昨年十一月に
制度化いたしましたけれども、これはまだまだ不十分で、私は、やはり
銀行本体から株式を切り離すべきだ、これをぜひとも具体化していただきたいと思います。
それから二番目には、大手行に対して
公的資金を入れるという話が出ておりますが、現在では、これは先生方はもう十分御案内のことと思いますが、金融危機ということが来たときには、総理が金融危機対応
会議を開いて、そこで金融危機宣言をする、そうすれば
預金保険法の百二条で、
特定の金融機関の依頼を受けて
資本注入ができることになっています。
しかし、
信用不安を解消するため、健全行ですとか破綻していない
銀行に入れることは、事実上、法的には不可能だと思います。ですから、ここには、例えば金融機関
資本充実法とか、こういうような法律をつくるべきじゃないかと思います。
そして、これは大手行、八%行、それから
地域金融機関、別の形にして、別の法律でもいいと思いますが、別々にして、いずれにしましても、
日本の金融機関は
デフレで大変痛めつけられております。次々と償却をしなきゃいけない、検査をしなきゃいけない、これは当然ですけれども、しかし、それを追い打ちをかけていったら、もう小さくなってしまって破綻していってしまう。金融機関が破綻しますと実体
経済が破綻しますから、これは
デフレはますます加速します。ですから、
デフレ解消のためにはこういう法律をつくって、金融機関をきちっと、システムの核をつくる、そのかわり、もちろん
経営責任とか株主責任はとらせる必要があると思います。
それから、
地域金融機関についてでございますが、現在は、御案内のとおり、金融庁が検査をいたしますと、そこへ
不良債権が出てくる、そうすると、ある
銀行とか金融機関が債務超過になる、そうすると、すぐそこで、はい、おたくの
銀行は破綻ですよ、こういうふうに言われるんですね。
そうすると、地方
経済については、そういうところ、特に
信用金庫さんなんかですと、中核でございますから、非常に波及が大きい。たちまちこれは地域社会に影響を及ぼします。ですから、ますます
信用収縮が広まってまいります。昨年の十月ごろからこの傾向は非常に強まっております。これはもう直ちに私は
マイナス成長に結びついてくるんじゃないかと思います。ですから、
地域金融機関につきましても、一定のルールをつくって
資本注入をする。
それから、不良金融機関といいますか、そういったものについては、すぐつぶすのではなくて、一定の期間を置いて
整理統合をしていく、そういう一つの基準をつくるべきじゃないかと私は思います。
最後に申し上げたいことは、現在、市場原理主義といいますか、そういう主義で物をやっていこうというような考えが強いと思いますが、
資本主義システムというものが破綻に瀕しているようなときには、そういう方向ではなくて、政治、
政府主導で秩序をつくっていくということが必要だろうと思います。一番こういうところにすぐれている国は
アメリカだと思います。ですから、
アメリカの具体的な例、これは先生方よく御存じと思いますが、そういうことを考えますと、ぜひ、
政府あるいは先生方におかれましても、そういった皆様方主導で新しい秩序づくりをしなきゃいけない、こうしなければ
デフレの
本質的なものは解消しないのではないか。
デフレについては、五年間ぐらいの
計画を立てて、こういった核になるものもきちっと調整し直すということが必要なのではないかと思います。
どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)