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赤松(広)
委員 ぜひ、これからの問題として、医療費が大きい小さい、高い安い、そういうところを見るときに、何を基準で見るのかということも私は非常に重要だと思うんです。いろいろな数も出ています、指標も出ていますし、いろいろなことを識者の方
たちも言っておみえになります。
一つの考え方として、これは厚生省もそういう
数字を出していますけれども、対GNP比で見てみると、
日本は、十年までしか、一九九八年までしか出ていませんが、五・九%。これは世界でいえば二十一番目なんですね。決して飛び抜けて医療費が高いということでもないわけです。問題は中身なんですね。二十一番目だって、十分な医療が与えられているのかどうなのか。あるいは、それほどお金を使ってなくたって、もうこれ以上ないというような医療をやっていればいいわけですから、やはり私は中身が問題だと
思いますし、ぜひ、そういうことも頭に置きながら全体の見直しを進めていただきたいと
思います。
あと、きょうは特に医療の抜本改革の問題ですので、我が党の考え方だけ、あと具体的なことは同僚の
松本議員の方でやりますので、私は総論的なことだけ、あれは小泉さんや
坂口さんだけいろいろ攻撃していて、自分
たちの党の考え方はどうなんだということを言われてもいけませんので。
私は、抜本改革のためには、まず
一つは、やはり今までの対症療法型の医療から予防・健康管理型の医療へ転換をしていくべきだ、総論で言えば。
これは、ここに資料もありますけれども、岩手県の遠野市、よく例に出るあれですけれども、ここなんかはやはり、日ごろから運動をやるように健康管理する、そして集団の健診もよくやる、成人病対策のための食事のいろいろな指導もする。そういう中で、現実の
数字は、療養の給付金については減っているんですね。だけれども、これは、では病院に行く人が減ったのかというと、そうじゃなくて、見せに行く人
たちは事前によく行くわけですから、件数はふえていても実際の保険の給付費は減っている。理想的な形だと思うんですが、これは
一つの小さい村だから、町だから、市だからできるという意見もありますけれども、やはり
一つの方向としてそういうものをこれから考えていくべきではないのか。
それから、
先ほどの総額抑制をしていくためにも、診療報酬についてはやはり原則包括払いということも考えていくべきだし、医療の標準化と根拠に基づく医療、EBMといいますけれども、その導入をやるべきだ。
それから、やはり高齢化社会に向かって、
先ほど総理の話じゃありませんけれども、どうしてもお年寄りが多くなる、長期医療の問題も出てくる、長期療養の
関係も出てくるということになったときに、やはり介護制度等、いかにうまく乗っけながらやっていくかということも重要な視点だと思っております。
それからまた、病院、診療所の役割分担。それからまた、レセプト等の情報開示を徹底する。これはもう百五十三回国会で、参議院ですけれども、私ども民主党は患者の権利法案ということで出していますが、こういうことがきちっと抜本改革の中でやってこられれば、私は、かなりむだも減るのではないかと思っております。
それからもう
一つは、高額医療の問題がありますね。いろいろ言っても時間がないので一例だけ言いますけれども、例えば、今、糖尿病になった、何とかになった、そうすると、すぐ人工透析をやりましょうと。人工透析をやると本当にすぐよくなるんです。そのかわりその人は、五十から透析を始めても六十から始めても、ずっと、お亡くなりになるまで週に二回、三回の透析を続けなきゃいけない。
私は、それをやめろと言っているんじゃないですよ。本当に透析が必要な人はそれをやればいい。ただ、医療現場からいくと、必ずしもそうじゃない人も中にはいる。では、それをどうチェックするのか。それはもうお医者さん自身が今言っているんですけれども、そういう専門家医が複数でチェックすればいいじゃないか。一人が必要だと言っても、いや、この人はもっとこういう治療をした方が本人のためにいいですよ、透析じゃなくてこれでいきましょうというようなことをするような仕組みもぜひ考えていただければ、私は、大分この高額医療の問題についても変わってくるんじゃないだろうかと思っています。
最後に、診療報酬の改定が行われて、この四月一日から進みます。中を、私もこんなものをずっと見させてもらいました。自分の興味のあるところもありましたし。中を見ると、必ずしもだめだ、だめだばかりじゃなくて、例えばポジトロンCTみたいな、今まで四ミリ、五ミリのがんが見つからないのが、今度それを使えばみんなわかるんですね。そうすると、予防医学的にも、人間ドックの中でも、早く小さな形で簡単に取れる段階でがんが見つかるという意味でこれが保険
対象になるとか、神経内視鏡手術がこれの
対象になるとか、いいところも実はいっぱいあるのです。
ところが、悪いところもいっぱいあるんですね、これが。悪いところ、例えば、高齢化社会に向かって長期療養入院者がふえる。そのために長期入院に係る保険給付の範囲を見直そうということで、これを一定
程度以上は、六カ月超え以上はみんな社会的入院としちゃう。特定療養費制度の
対象として、保険給付の範囲を、今までそれでやっていたのを見直して、負担増をさせちゃう。あるいは、これは年寄りに限りませんけれども、入院していたのを、今までは入院基本料は二十五日だったのを二十一日にしようとか、二十八を二十六にしようとか、二十を十七にしようとか、こういうのがありますね。
こういう特に入院日数に対する基本料の見直しの視点というのは、どういうところから、どういう考えを根拠にして出てきているのですか。