○岩國
委員 おはようございます。岩國哲人でございます。民主党を代表して、塩川
財務大臣初め各
大臣に、新年度の予算の編成及び執行についてどういうお
考えを持っていらっしゃるかを
質問させていただきたいと思います。
まず、私の
質問を始めます前に、昨日、急遽公聴会の日程がこの場で採決されましたことを大変残念に思います。
憲法の中に、我々
国会が
日本国民の生命と財産を守る、そうした大事な役割を果たそうとして
審議を一生懸命重ねているときに、とりわけ、好景気で周りじゅうが笑顔の人ばかりではないこういう環境の中で、十分な
審議を尽くさなければならないし、また、少しでも
国民に希望と勇気を与えるような予算であってほしいという願いの中でこの
審議を重ねているわけでありますから、十分な
審議を重ねるという大前提を、あのように一方的に公聴会の日程ということを採決されるということについて、強く抗議を
委員長に申し上げて、
質問に入りたいと思います。
最近の政策についてよく町で聞かれることは、世界一
個人金融資産がある、千四百兆円という数字は私のポケットにもない、皆さんのポケットにもありませんけれ
ども、世界で一番
個人金融資産があると言われていることを
新聞、雑誌でしょっちゅう聞かされて、それでなぜ世界で一番不景気なんですかと。世界で一番
個人金融資産がある
日本が、なぜ、塩川
財務大臣、国債がどんどん格下げされて、ついに先進七カ国の中で最低のランクにまで。つい十年前までは、強過ぎる
日本と弱過ぎるアメリカが世界の問題だと言われておったんです。十年たって、どうですか。弱過ぎる
日本と強過ぎるアメリカが、今、世界の問題。
十年前、
日本の国債の格付はトリプルAでした。トリプルAの中でもさらに強いスーパートリプルAと言われたのは
日本しかなかったんです。そのスーパートリプルAから次々と下がって、そしてシングルA、さらに格下げされようとしている。この転落の速さだけが
日本のオリンピック新記録だ、こう言われております。結局、正しい政策、適正な政策がとられておらなかったんじゃないか。
また、毎年毎年予算編成をするときに、その年の経済成長率の見通し等を
政府は発表されますけれ
ども、これがほとんど当たらない。この四十年間に、ある分析によると、当たったのは六回しかなかったそうです。ということは、残り三十四回は外れておったということですね。
政策は曲がりっ放し、予測は外れっ放し、景気は下がりっ放し、株価も下がりっ放し、雇用は減りっ放し、そして借金はふえっ放し、責任は投げっ放し。こういう環境の中で、なぜ公聴会の日程をそんなに急いでまで成立させる必要があるのか。私は、予算というのは、効率も大切ですけれ
ども、それ以上に、
国民から信頼され
支持される、そういう予算でなければ本当の
意味の
国民のための予算とは言えないと思うわけです。
そういう前提に立って、最初に
総務大臣にお伺いしたいと思います。
昨日の集中
審議を含めまして、どうも役所の中の金の使い方や組織のあり方というのは、どうですか
大臣、近年ほど、特にことしになって、
社会面を見ると警察がどうとか税務署のOBがどうとか、官の規律が乱れに乱れておる。金の使い方がおかしい。
外務省だけではありません。金の使い方や、そして組織の乱れ、こういったことについて、私は
内閣を挙げて取り組むべき問題だと思うんです。政治を信用しないのはもう随分前から始まっておりますけれ
ども、役所に対する信頼までが政治と同じレベルまで下がってくるということは、我々政治家としても許せないことです。
ですから、去年の九月十一日、テロ
事件で世界のいろいろな意識が変わってきたということが言われております。世界が変わったという
表現があちこちで見られます。価値観も変わった。そして、グローバリズムとか国際化と言えば何でもいいことだと思っていたことに対する反省も相当高まっているんじゃないかと私は思います。
そういう中で、ある韓国の映画監督の言葉が朝日
新聞にも紹介されておりましたけれ
ども、グローバリゼーションというのは、アメリカ製の、ハリウッドの大きなマイクロホンで世界じゅうを声で圧倒する、そういうのがグローバリゼーションではなくて、本当のグローバリゼーションというのは、よその国の人たちの小さな声も聞くことができるようになること、それが本当のグローバリゼーションなんだ。私はその言葉が心にしみました。
私も、つい最近までは、大きければいい、強ければいい、そういう世界の中におった人間として、グローバリゼーションというものに対する反省がこの十年高まってきたことにつき、私も含めて、いい勉強をさせていただきました。例えば、あの九月十一日の攻撃、テロ
事件以降、
日本の中に、国を守るのはだれなのか、守れるのはだれなのかという意識が高まってきたということも私はいいことだと思います。
同時に、今までのような
生活のあり方についても、大量生産、大量販売、大量消費、大量廃棄、そういった企業のメカニズム、その中で各企業がチャンピオンになることを競争しておったわけですけれ
ども、私は、企業のあり方も変わると思うし、それから人の
生活のあり方も変わるし、また、我々政治家がそれを先導して、
生活のあり方も変えていくような方向に持っていくべきではないかと思います。
小泉
改革。小泉
内閣も
改革を掲げて、そして高い
支持率を今でも有しておられる。しかし、その
改革の中身そのものも、このテロ
事件以降、以前と以降では中身も違う、そしてまた視野も広げていかなきゃならない面が随分多いのではないかと思います。それが、そういった
一般の人の
生活のあり方であり、そして役所のあり方であろうと思います。
私は、野中
官房長官のときにもお伺いいたしましたけれ
ども、役所の中における男女差別のあり方、男女共同参画
社会をということを歴代
内閣が掲げておられる。与党も野党も超党派でこの問題について取り組んできております。しかし、肝心のその役所の中で男女差別が行われているということがあるとすれば、これは見逃すことはできないし、現に
石川県の鳥屋町の
事件については、その当時、私が取り上げましたときは、まだ
判決がおりておりませんでした。その後、
判決がおりました。
この
事件について、どういう経過で、そしてどのような
判決で、それをどのように生かそうと受けとめておられるか、
大臣の御所見を伺いたいと思います。