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2002-07-09 第154回国会 衆議院 本会議 第46号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十四年七月九日(火曜日)
—————————————
議事日程
第三十七号
平成
十四年七月九日 午後一時
開議
第一
日本郵政公社法案
(
内閣提出
) 第二
日本郵政公社法施行法案
(
内閣提出
) 第三
民間事業者
による
信書
の
送達
に関する
法律案
(
内閣提出
) 第四
民間事業者
による
信書
の
送達
に関する
法律
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備等
に関する
法律案
(
内閣提出
)
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
日程
第一
日本郵政公社法案
(
内閣提出
)
日程
第二
日本郵政公社法施行法案
(
内閣提出
)
日程
第三
民間事業者
による
信書
の
送達
に関する
法律案
(
内閣提出
)
日程
第四
民間事業者
による
信書
の
送達
に関する
法律
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備等
に関する
法律案
(
内閣提出
) 午後一時三分
開議
綿貫民輔
1
○
議長
(
綿貫民輔
君) これより
会議
を開きます。 ————◇—————
日程
第一
日本郵政公社法案
(
内閣提出
)
日程
第二
日本郵政公社法施行法案
(
内閣提出
)
日程
第三
民間事業者
による
信書
の
送達
に関する
法律案
(
内閣提出
)
日程
第四
民間事業者
による
信書
の
送達
に関する
法律
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備等
に関する
法律案
(
内閣提出
)
綿貫民輔
2
○
議長
(
綿貫民輔
君)
日程
第一、
日本郵政公社法案
、
日程
第二、
日本郵政公社法施行法案
、
日程
第三、
民間事業者
による
信書
の
送達
に関する
法律案
、
日程
第四、
民間事業者
による
信書
の
送達
に関する
法律
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備等
に関する
法律案
、右四案を一括して
議題
といたします。
委員長
の
報告
を求めます。
総務委員長平林鴻
三君。
—————————————
日本郵政公社法案
及び同
報告書
日本郵政公社法施行法案
及び同
報告書
民間事業者
による
信書
の
送達
に関する
法律案
及び同
報告書
民間事業者
による
信書
の
送達
に関する
法律
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備等
に関する
法律案
及び同
報告書
〔
本号末尾
に掲載〕
—————————————
〔
平林鴻
三君
登壇
〕
平林鴻三
3
○
平林鴻
三君 ただいま
議題
となりました
日本郵政公社法案外
三
法案
につきまして、
総務委員会
における
審査
の経過及び結果を御
報告
申し上げます。 まず、各
法案
の要旨について申し上げます。 最初に、
日本郵政公社法案
は、
中央省庁等改革基本法
第三十三条第一項の
規定
に基づき、
郵政事業
を一体的に
経営
する
国営
の新たな
公社
として、
日本郵政公社
を
設立
しようとするもので、その主な
内容
について申し上げますと、 第一に、
公社
は、
独立採算制
の
もと
、
信書
及び小包の
送達
の
役務
、
簡易
で確実な貯蓄、送金及び
債権債務
の決済の手段並びに
簡易
に利用できる
生命保険
を
提供
する
業務等
を総合的かつ効率的に行うことを
目的
とすることとしております。 第二に、
公社
に、
役員
として
総裁
、副
総裁
、
理事
及び監事を置くとともに、
総裁
、副
総裁
及び
理事
で組織される
理事会
を置くこととしております。 第三に、
公社
は、
郵便
、
郵便貯金
、
簡易生命保険等
の
業務
を行うとともに、
郵便等
の
業務
を行うため
郵便局
を
設置
しなければならないこととしております。 このほか、
中期経営目標等
の作成、財務・会計、
人事管理等
について
所要
の
規定
を設けることとしております。 次に、
日本郵政公社法施行法案
は、
日本郵政公社法
を
施行
するため、
日本郵政公社
の
設立
の
準備
に関する
事項
その他の同法の
施行
のための
措置
を定めるとともに、同法の
施行
に伴う
関係法律
の
規定
の
整備等
を行おうとするものであります。 次に、
民間事業者
による
信書
の
送達
に関する
法律案
は、
信書
の
送達
の
役務
について、
利用者
の
選択
の
機会
の
拡大
を図る
観点
から、
信書便
の
役務
を他人の
需要
に応ずるために
提供
する
事業
として、「
一般信書便事業
」及び「
特定信書便事業
」の二つの
事業類型
を設け、それぞれの
事業
を営もうとする者は
総務大臣
の
許可
を受けなければならないものとし、これらの者が
信書便物
の
送達
を行う場合には
郵便法
第五条第二項の
規定
は適用しないこととするほか、
許可
の基準、
料金
の
届け出制等
、
所要
の
規定
を設けようとするものであります。 次に、
民間事業者
による
信書
の
送達
に関する
法律
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備等
に関する
法律案
は、
民間事業者
による
信書
の
送達
に関する
法律
の
施行
に伴い、
関係法律
の
規定
の
整備等
を行おうとするものであります。 以上の四
法案
は、五月二十一
日本会議
において
趣旨説明
及び
質疑
が行われ、同
日本委員会
に付託されました。
委員会
におきましては、五月三十日
片山総務大臣
から
提案理由
の
説明
を聴取し、六月四日から四
法案
を一括して
質疑
に入り、
小泉内閣総理大臣
の
出席
を求めて
質疑
を行うとともに、
参考人
から
意見
を聴取したほか、北海道及び熊本県において、いわゆる
地方公聴会
を開催するなど、熱心かつ慎重に
審査
を重ねてまいりました。 七月三日、
日本郵政公社法案
及び
日本郵政公社法施行法案
に対し、
自由民主党
、
公明党
及び
保守党
の三
会派共同提案
により、
郵便局
のあまねく
全国
における
設置
の明記、
出資
に関する
規定
の
追加
、
公社
の
経営
の
健全性
を
確保
する
見地
から、その
経営
に支障が生じないよう
積立金増加額
の一部を国に納付すること等を
内容
とする
修正案
が
提出
され、翌四日
趣旨
の
説明
を聴取した後、
質疑
を行いました。 かくて、五日、再度、
小泉内閣総理大臣
の
出席
を求めて
質疑
を行い、
質疑
を終局いたしました。 次いで、
討論
に入り、
自由民主党
、
公明党
及び
保守党
を代表して
山名靖英
君から、
郵政公社関連
二
法案
の
原案
及び
修正案
並びに
信書便関連
二
法案
に
賛成
、
民主党
・
無所属クラブ
の
荒井聰
君及び
自由党
の
黄川田徹
君から、
郵政公社関連
二
法案
の
原案
に
賛成
、
修正案
に
反対
、
信書便関連
二
法案
に
反対
、
日本共産党
の
矢島恒夫
君から、各案に
反対
、社会
民主党
・
市民連合
の
重野安正
君から、
郵政公社関連
二
法案
の
原案
及び
修正案
に
賛成
、
信書便関連
二
法案
に
反対
の
意見
がそれぞれ述べられました。 次いで、順次、各案について採決いたしました結果、
郵政公社関連
二
法案
は、それぞれ
賛成
多数をもって
修正案
のとおり
修正
議決すべきものと決し、
信書便関連
二
法案
は、それぞれ
賛成
多数をもって
原案
のとおり可決すべきものと決しました。 なお、各
法案
に対し
附帯決議
を付することに決しました。 以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
)
—————————————
綿貫民輔
4
○
議長
(
綿貫民輔
君) 四案につき
討論
の通告があります。順次これを許します。
中村哲治
君。 〔
中村哲治
君
登壇
〕
中村哲治
5
○
中村哲治
君 私は、
民主党
・
無所属クラブ
を代表いたしまして、
政府提出
に係る
日本郵政公社法案
及び同
施行法案
の
原案
に
賛成
、
与党
による
委員会提出
の
日本郵政公社法案
及び同
施行法案
に対する
修正案
には
反対
、
民間事業者
による
信書
の
送達
に関する
法律案
及び同
施行法案
に
反対
の
立場
から
討論
を行います。(
拍手
) まず、
与党提出
の
郵政公社関連
の
修正案
について申し述べます。 本
修正案
の
提出
に至るまでの過程は、
小泉総理
と
自民党郵政族
によって行われた、全くの猿芝居でした。
国民
のことも、日夜懸命に働く
郵政職員
のことも完全に無視し、ひたすらにみずからの選挙とメンツのことばかりを考えたこの
三文芝居
に多くの
国民
があきれ、
政治
に対する
不信感
をまたもや増大させました。 仮に
修正
を行うのであれば、
高祖事件
を機に
国民
の
不信感
が高まった
特定郵便局制度
や
渡切費
の
改革
にこそ取り組むべきでした。しかし、このような
国民
の期待にこたえようとする決意は、官邸からも
与党
からも全くうかがえませんでした。
修正案
の
内容
についても疑問が残ります。 特に
出資条項
については、やはり
郵政公社
の将来像を定めてから付与すべきものです。
公社
の
経営環境
を十分に検証しないまま
出資
を認めることは、
官僚
の
裁量範囲
や
天下り
の
拡大
につながりかねません。
出資条項
の
追加
に、
経営
の
効率性
を高めるとの
理由
がついていますが、仮にそれが本意であれば、まず膨大な
管理組織
や
郵政監察官
の見直しが行われるべきです。それを抜きにした安易な
現業職員
のリストラなどあり得ません。 以上のように、本
修正案
の
提出経緯
及び
内容
については疑問があり、私
たち
は
反対
をいたします。 次に、
日本郵政公社法案
についてです。 本
法案
は、
橋本内閣
時に成立した
中央省庁等改革基本法
の
規定
に忠実に沿ったものです。その意味では、
小泉総理
の
政治的意思
は全く反映しておりません。
民主党
は、
基本
的には
公社化
に対して
賛成
の
立場
です。その上で、
郵便局ネットワーク
の
維持
、
郵政職員
の雇用の安定など、
公社化
における
原則
を党として取りまとめてまいりました。
政府提出
に係る
原案
は、若干疑問な点が残るものの、私
たち
のまとめた
原則
と大枠では一致しており、
賛成
の
立場
であります。 次に、
信書便法案
についてです。 本
法案
は、
政府
が冷蔵庫にラブレターを書いた場合も
信書
に当たると答弁するなど、その名称である
信書
の
範囲
さえあいまいという
法案
でございます。その結果、
参入
を検討する
民間
の
事業者
からも、いわゆる
抵抗勢力
からも批判を受ける結果となりました。 また、同
法案
は、
総務省
の許認可によってがんじがらめに
民間
を縛る
内容
となっており、最も
参入
に近いと言われていた
大手宅配便業者
でさえ、既に、
一般信書便事業
には到底
参入
できないとの見解を示しております。
法案
の第一条に明記されている「
利用者
の
選択
の
機会
の
拡大
を図り」という
目的
が達成されないことは明らかです。
総理
は、何度も、
法案
が成立すれば
民間事業者
が
参入
できることがわかると繰り返してまいりました。しかし、現段階に至っても、その気配は全く見えてまいりません。 このように、
改革
、
改革
と大ぼらを吹きながら
国民
を惑わす
小泉総理
の振る舞いは、全く
国民
を欺くものだと言えます。よって、
信書便法案
及び同
施行法案
については
反対
をいたします。
小泉総理
は、
道路公団改革
についても、結局は、
第三者委員会
の人事問題へと矮小化させました。国債三十兆円枠も、
隠れ借金
でごまかしました。十年来の持論であり、
自民党
をぶっつぶしてでも敢行するとまで叫んできた
郵政改革
でさえ、結局は、
郵政族
と
官僚
に振り回される始末です。みずからの足元の
自民党
すら十分にまとめられず、
大山鳴動ネズミ
一匹を繰り返す
小泉総理
には、
構造改革
などできるはずがありません。
総理自身
が、みずからの資質を改めて振り返り、その任にあるかどうかを深く自問自答されることを切望しつつ、私の
討論
を終わります。(
拍手
)
綿貫民輔
6
○
議長
(
綿貫民輔
君)
伊藤信太郎
君。 〔
伊藤信太郎
君
登壇
〕
伊藤信太郎
7
○
伊藤信太郎
君
自由民主党
の
伊藤信太郎
です。 私は、
自由民主党
、
公明党
及び
保守党
を代表して、ただいま
議題
となっております
郵政公社関連
四
法案
に対し、
賛成
の
討論
を行うものであります。(
拍手
)
もと
より、
郵政事業
は、
憲法
に保障された
国民
の
生活
、権利の
確保
に必要不可欠な、
公共性
の極めて高い
事業
であります。このことを十分にかんがみて、今回の
討論
を行うものであります。
郵便事業
は、英国のローランド・
ヒル卿
が発明した
ポスト投函
を用い、
全国均一料金
を
基本
としており、
江戸時代
には飛脚しかなかった
我が国
にだれもが利用できる
郵便制度
を取り入れた
前島密翁
が明治四年に採用したものであります。 明治維新の先哲が
近代国家
の
社会基盤づくり
にいかに努力したかは、
慶応義塾創立者
の
福沢諭吉全集緒言
によっても伝えられています。このことは、
郵便制度
の持つ
公共的性格
を強く物語っています。 以来、
郵便事業
は、
ユニバーサルサービス
、すなわち、
全国
あまねく
均一料金
で集配、配達する
サービス
の
確保
というその精神を今日に至るまで
維持
、実践して、円滑な
国民生活
、
経済活動
の
確保
に大きな
存在感
を示しています。
日本郵政公社法案
及び
日本郵政公社法施行法案
は、
中央省庁等改革基本法
に基づき、
郵政
三
事業
を一体的に
経営
する
国営
の新たな
公社
として、
日本郵政公社
を
設立
するものであります。 これにより、
郵便
、
郵便貯金
、
簡易保険
など、
国民
の
生活基礎サービス
を
郵便局ネットワーク
を活用して
全国
あまねく
提供
するという
郵政事業
の意義は
維持
しながらも、予算の
国会議決等
の
事前管理
から
中期目標管理
による
事後評価
に移行するなど、
独立採算制
の
もと
、
郵政事業
の自律的かつ弾力的な
経営
を可能とするものであります。これにより、引き続き
全国
公平な
サービス
の
提供
を
確保
しつつ、より一層、質の高い
サービス
を
国民
が利用できるようにするものであります。 次に、
民間事業者
による
信書
の
送達
に関する
法律案
及び
民間事業者
による
信書
の
送達
に関する
法律
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備等
に関する
法律案
についてであります。 今日まで、
郵便事業
は、
ユニバーサルサービス
を
確保
するために、
信書
の
送達
を独占としてまいりました。このような
郵便事業
に対する
民間参入
のあり方については、
平成
十年、
中央省庁等改革基本法
において、
政府
は、
郵便事業
への
民間事業者
の
参入
について、その具体的な検討に入るものとすると
規定
され、
平成
十二年の
行政改革大綱
において、
民間参入
について
公社化
にあわせて実現するとされており、それを受け、
法案
が
提出
されたものであります。
賛成
する
理由
の第一は、
郵便事業
への
民間参入
に当たっては、
郵便
の
ユニバーサルサービス
を
確保
しつつ、
競争導入
により
利用者
の
選択
の
拡大
や
料金
の
低廉化
を図ることとしている点であります。 具体的には、クリームスキミング、いわゆるいい
とこ取り防止
のための
条件つき
で、
全国全面参入
を行う
一般信書便事業
、及び
創意工夫
を凝らした高い
付加価値サービス
などの特殊な
需要
に応ずるための
特定信書便事業
を設け、
ユニバーサルサービス
と
競争導入
の成果のバランスを図っております。 第二に、
郵便事業
においては、
郵便法
の
規定
により、
憲法
上保障された
信書
の
秘密
が
確保
されることとなっておりますが、
民間事業者
が
信書
の
送達
の
事業
を行う場合についても、同様に、
信書
の
秘密
が
確保
され、
利用者保護
が十分図られています。 具体的には、
郵便事業
に従事する者が
信書
の
秘密
を侵した場合には加重された
罰則
が科されることと同様に、
信書便事業
に従事する者が
信書
の
秘密
を侵した場合にも
罰則
が科されるとともに、
信書便管理規程
を通じて適切な
業務運営
が
確保
される等、
信書
の
秘密
の
確保
が図られています。 第三に、これまでいろいろ
議論
のあった
信書
の
定義
について、確立した判例に従い
法律
に
定義規定
が置かれたことは、
信書
の
秘密
及び
ユニバーサルサービス
の
確保
がより一層図られることとなった点であります。そして、この
法律
の
定義
に基づき
総務省
において作成されるガイドラインにより、
信書
に該当するか否かの
判断
が容易となる手法が示されたことについても評価できます。 次に、
総務委員会
における
与党
三
党提出
の
修正案
について申し上げます。 この
修正案
では、
郵便局
のあまねく
全国
における
設置
を明記するとともに、
郵便事業
への
民間参入
を踏まえ、
郵政公社
の
経営
に
自由度
を付与する
観点
から、
郵便
の
業務
に密接に関連する
事業
を行う者への
出資規定
を
追加
し、
国庫納付金
については、
郵政公社
の
経営
の
健全性
をより確実にする
観点
から、
中期経営計画
の期間中の
積立金
の
増加額
の一部を納めることに改めています。 これらの
修正
は、
郵政
の
ユニバーサルサービス
を
確保
するとともに、
国民
に不可欠な
サービス
を
提供
する
郵便局ネットワーク
を引き続き
維持
するために必要なものであり、適切かつ妥当なものであると考えます。 以上のように、
郵政公社
は、引き続き
ユニバーサルサービス
の
提供
を
確保
しつつ、より一層、質の高い
サービス
を
国民
に御享受いただけるようにするものであります。
平成
十五年四月一日の
設立
に向け、一日も早くこれらの
法案
が成立することを強く要望いたしまして、私の
賛成討論
といたします。 御清聴ありがとうございました。(
拍手
)
綿貫民輔
8
○
議長
(
綿貫民輔
君)
黄川田徹
君。 〔
黄川田徹
君
登壇
〕
黄川田徹
9
○
黄川田徹
君
自由党
の
黄川田徹
であります。 私は、
自由党
を代表して、ただいま
議題
となりました
郵政関連
四
法案
に対して
反対
の
討論
を行います。(
拍手
) これら四
法案
は、
小泉総理
が言うような
郵政民営化
を推進するものだとは、だれも思っておりません。口では
郵政民営化
を進めると言いながら、実際には、目先をごまかすだけで、実態は何も変わらない。
小泉改革茶番劇そのもの
であります。
小泉総理
にとっては、
内容
はなくても
法案
を通したという名をとる、
自民党
は、
小泉総理
の顔だけは立てて、
法案
は通したが中身は何も変わらないという実をとる、それが
政府
の四
法案提出
から
自民党
の
修正案提出
に至るてんまつの真相であって、まるでかけ合い漫才を見ているようであります。これが
改革
とは、あきれるばかりであります。
自由党
は、
対案
として、
郵政事業改革基本法案
をこの
国会
に
提出
いたしました。
郵政
三
事業
をそれぞれに分離した上で、
郵便貯金
と
簡易保険事業
は十二年後までに完全
民営化
し、
郵便局
については、
住民
に身近な
地域社会
の
サービス拠点
と位置づけ、
郵便
の
役務
を
日本全国
あまねく公平に
提供
する
体制
を
整備
するという
考え方
であります。
小泉総理
は、
国会答弁
で、
自由党案
に対して、十二年後の将来を話せというならいろいろなことが言えると批判されましたが、我が党の案は、四年先なり八年先の
民営化
を目指しながら、どんなに遅くとも十二年後には完全
民営化
しているというゴールの姿を明示しております。空念仏に等しい
小泉改革
とは月とスッポンほどの開きがあると言わなければなりません。 そもそも、
郵政民営化
がなぜ必要なのか、どう進めていくのかを、
総理
は明らかにしておりません。
民営化
の理念も哲学もないから、
国会答弁
では、
ダイレクトメール
は
信書
だがチラシは違うとか、クレジットカードや
地域振興券
は例外だとか、
枝葉末節
の
議論
ばかり繰り返したのであります。
自由党
が
提出
した
基本法案
が明瞭に示しているように、
郵便貯金
と
簡易保険
の
民営化
こそが、
郵政事業改革
のまさに本丸なのであります。
郵便貯金
、
簡易保険
を
民営化
することは、
日本
の
経済構造
を
改革
すること
そのもの
であり、自由で公正で開かれた
市場経済
を発展させるために必要にして不可欠な
措置
であります。 また、
国民
の貴重な資産である郵貯、簡保を破綻から守るためにも、
資金運用
のノウハウに乏しい
官僚主導
から脱却し、
民間金融機関並み
の効率的な
資金運用
にしなければなりません。ところが、
政府
は、その一番肝心の
郵便貯金
と
簡易保険
の
民営化
について、何も触れておりません。そこに
メス
を入れない
小泉総理
の
改革
は、看板だけの、にせものであると言わなければなりません。 また、
郵便事業
は、たとえそれが
赤字
になることがあっても、国が責任を持って
維持
しなければならない
性格
のものであります。どんな
離島
、僻地にも確実に
信書
を配達しなければならない
公共性
の強い
郵便事業
については、
民間
の
コスト主義
に任せるわけにはいかないのであります。
政府案
は、
民間
の
参入
を認めると言いながら、
郵便事業
を将来どうするのかというビジョンも見識も見られません。ましてや、
自由党
の
対案
のように、
全国
津々浦々に存在する
郵便局
を、
地域住民
に最も身近な
サービス拠点
として有効に活用し、さらに発展させていこうという発想は全くありません。 我々は、
民営化
の
準備
、
一つ
のプロセスとして、
郵政
三
事業
を
公社化
することを否定するものではありません。しかしながら、
公社化
は、あくまでも、
郵便貯金
と
簡易保険
を十二年後までに完全
民営化
することを前提とした
措置
でなければならないと考えます。 この
見地
から、
自由党
は、
総務委員会
において、
政府原案
の
日本郵政公社法案
及び同
施行法案
には
賛成
いたしました。しかし、
委員会
では、
与党側
から、
郵便局
をあまねく
全国
に
設置
しなければならないこと、
出資
に関する
規定
を
追加
することなどの
修正案
が
提出
され、
自由党
はこれに
反対
いたしました。 私
たち自由党
は、
郵便
の
役務
を
日本全国
あまねく公平に
提供
する
体制
を
整備
することは必要であると考えますが、そのことと
郵便局
をあまねく
全国
に
設置
することとは、似て非なるものであります。この
規定
は、
郵便局
の
整理合理化
など
郵便ネットワーク
の合理的な
整備
に逆行するばかりでなく、それを根拠にして、利権の温床である
特定郵便局
をあまねく
全国
に
設置
することが可能になります。また、
郵政公社
に
出資
を認める
修正
を行ったことは、子会社や
孫会社
を
好き放題
につくり、
天下り先
をふやすなど、
公社
の焼け太りの道を開くものであります。 まさに、
民営化
どころか、
郵政公社
を将来にわたり固定化し、
官僚支配
を続けようという試みにほかなりません。冒頭申し上げた、
平成元禄小泉芝居
、
談合政治
の極致であります。
郵政公社化
に関する
政府原案
にこうした
修正
が行われた以上、
修正部分
を含む
政府案
には
反対
せざるを得ません。 以上、四
法案
に
反対
の
理由
を申し上げますとともに、我が
自由党
は、
我が国
の
市場経済
を健全に発展させる一方、
住民
の利便の
維持
、増進を図るための
郵政事業改革
を積極的に推進してまいることを申し上げて、私の
討論
を終わります。(
拍手
)
綿貫民輔
10
○
議長
(
綿貫民輔
君)
春名直章
君。 〔
春名直章
君
登壇
〕
春名直章
11
○
春名直章
君 私は、
日本共産党
を代表して、
郵政関連
四
法案
に
反対
の
討論
を行います。(
拍手
) まず、
信書便法案
であります。
郵便法
第一条は、「
郵便
の
役務
をなるべく安い
料金
で、あまねく、公平に
提供
すること」、すなわち、
ユニバーサルサービス
を
国民
に保障することを国の責務としております。
過疎地
にも
ポスト
を立て、その
一つ一つ
から
郵便物
を収集し、
離島
も含む
日本全国
どこにでも配達する
郵便事業
は、そもそも、
営利追求
の
事業
とは
性格
を根本から異にしています。一種、二種の
収入
で三種、四種の
政策減免
を支え、大都市の
収入
で
過疎地
、
地方
の
赤字
を相殺するなど、国の
事業
だからこそ
郵便事業
の
ユニバーサルサービス
が成り立っている現実を直視すべきであります。だからこそ、諸外国でも
全面自由化
を
選択
している国はごくわずかであり、その国も決して成功していないのであります。 ところが、
小泉内閣
は、この
郵便事業
の本来の使命に反し、
郵政民営化
の突破口として、
郵便事業
への
民間参入
を強行しようとしています。 何よりも、
信書便法案
は、
信書
の
定義
という
法律
の
根幹
が極めてあいまいな
欠陥法
であります。
委員会採決
の直前に
提出
された「
信書
の
定義
に関する
政府
の
考え方
」は、
郵便事業
の約二割を占める
ダイレクトメール
の大
部分
を、突如、
信書
から除外するとしています。これは、
委員会審議
での
政府答弁
を覆すものであって、本
法案
の
根幹
である
信書
の
範囲
が時の
政府
の恣意的な
判断
でくるくる変わることを如実に示すものであります。 さらに、本
法案
は、
ポスト
の数など具体的な
参入条件
をすべて
政省令
にゆだねる仕組みになっています。今は
法律
に基づく
参入業者
は見込めないとされていますが、一
たん法律
ができれば、
政府
の
判断
で
民間参入
のための
条件
を
いかよう
にも変えることができる、このような
欠陥法案
は断じて認められるものではありません。 本
法案
は、
ダイレクトメール
など
民間業者
が確実にもうかる分野への
参入
を促進し、いい
とこ取り
を進めるものとならざるを得ません。それは、
郵政公社
の
経営
を悪化させ、
ユニバーサルサービス
の後退に直結するものであります。
障害者団体
などからの切実な要望にもかかわらず、
点字郵便物
の
無料化条項
を条文上復活しなかった
理由
も、ここにあります。
民間参入
による
郵政公社
の
経営悪化
を
政策減免
の廃止や縮小で対応する道を残したことは、この
法案
の
危険性
をまざまざと見せつけるものであります。到底、容認することはできません。 次に、
郵政公社法案
であります。 今、
国民
が期待する
郵政改革
は、
高祖事件
に見られる、
政権党
と
郵政事業
、
特定郵便局長会
との癒着、
渡切費流用
、
裏金づくり
などの不正を正せということであります。ここには何ら
メス
が入っておりません。 本
法案
は、
公社
の
役員
の任免、
経営目標
、
経営計画
など、
郵政公社
の
経営
にかかわる重要な
事項
をすべて
総務大臣
の権限としています。
国営公社
なら当然あるべき、
国民利用者
による新たな
チェック機能
も設けられておりません。それどころか、
国会
には
報告
のみで、
公社
の予算、決算の議決権、
役員
の任免などへの
国会
の関与を一切排除しております。極めて重大であります。 さらに、企業会計
原則
を導入することで過少資本となり、その解決のために、一層の労働者へのしわ寄せや
ユニバーサルサービス
の低下が危惧されております。
国営
の
公社
にわざわざ
民間
企業のルールを適用することで公共的使命がないがしろにされるのでは、本末転倒ではありませんか。
郵政公社
の
出資
を可能にする
修正案
は、
郵政
利権の温床ともなっているファミリー企業と
天下り先
をふやし、新たな利権構造を
拡大
することにつながり、到底認められません。 結局、
郵政公社法案
は、古い
郵政
利権を温存する一方、新しい利権をも生み出すものであり、きっぱり廃案にすべきであります。 重大なことは、小泉首相がこの四
法案
を
郵政
三
事業
民営化
の一里塚と位置づけていることであります。本丸である
郵便貯金
、
簡易保険
の
民営化
へつなげていこうというのがこの
法案
のねらいであります。
郵政民営化
は、大銀行の年来の野望です。
全国
銀行協会も、方向を一にする、
公社化
は
民営化
の一里塚と、小泉首相を激励してまいりました。大銀行は、
簡易
で確実な庶民の貯蓄である郵貯を葬り去ることによって、新たに口座
維持
手数料を取るなど、一層、もうけ本位の
経営
がやりやすくなります。元本保証もない投信などのリスク商品に
国民
の貯蓄を無理やり流し込み、もって、大銀行への巨大な利権が生み出されることになるのであります。一方、安心、安全の庶民の貯蓄は、根底から危機にさらされることになります。
民間
大企業、大銀行に新しいもうけ口を保証し、
ユニバーサルサービス
と
国民
の利便の後退につながる四
法案
、古い利権を温存し
拡大
する四
法案
、
国民
にとって百害あって一利なしのこの四
法案
に厳しく
反対
することを申し上げ、
討論
を終わります。(
拍手
)
綿貫民輔
12
○
議長
(
綿貫民輔
君)
重野安正
君。 〔
重野安正
君
登壇
〕
重野安正
13
○
重野安正
君 社会
民主党
・
市民連合
の
重野安正
です。 私は、社会
民主党
・
市民連合
を代表して、
公社化
関連
法案
に
賛成
、
信書便関連
法案
に
反対
の
討論
を行います。(
拍手
) 冒頭、この間の経緯について若干の批判を加えておきたいと思います。このたびの
郵政
法案
をめぐる
与党
内の動きは、
国民
不在、野党軽視の
法案
審議だったことをまず申し上げざるを得ないのであります。
小泉総理
といわゆる
郵政族
との間で決着した
法案
の取り扱いは、相も変わらず
改革
派対
抵抗勢力
を演出しようとしたにすぎず、
与党
の事前了承なく
法案
を
提出
したことに何か
政治
のリーダーシップの発揮と見る向きもあったようですが、結局、
与党
と密室での調整を行い、あたかもお互いの顔が立つように決着をつけるのは、前近代的な
談合政治
にほかなりません。 しかも、
与党
が決着したから即採決するというのは、
国会
軽視であり、
法案
の私物化ではないでしょうか。重要
法案
に不可欠な中央公聴会も行われておりません。野党も交えて
国会
の場で真摯な
修正
協議を行うべきであったことを強く訴えるものであります。 さて、社会
民主党
は、
国民
から非常に長い間親しまれた、
国民
共通の財産として
生活
基盤に密着している
郵便事業
の
民営化
について、不採算部門を切り捨て、
ユニバーサルサービス
を崩壊に導くことから、かねてから
反対
してまいりました。 むしろ、少子高齢化社会が急速に進展し、二〇二五年には三人に一人が高齢者となる中で、
国民生活
のセーフティーネットとして、
全国
二万四千七百カ所の
郵便局
とそのネットワークを
国民生活
共有の社会的インフラ、
住民
への公共
サービス
の拠点として積極的に活用していくことこそが大きな課題であると考えます。 このような
立場
から
郵政公社化
法案
を見ますと、我が党は、手放しで
賛成
するものではありません。 重要なことは、ただいま指摘した少子高齢社会において
公社化
することのメリットを積極的に示し、
国民
から信頼され、愛される
郵政事業
像あるいは
公社
像を具体的に
国民
に示す必要があります。 そうした責任を自覚するならば、
政府
は、とかく問題視される
特定郵便局
長制度や
郵政
ファミリーの
改革
を具体的俎上に上げることはもちろん、
公社
に移行しても、効率、収益、
経営
最優先に流されるのではなく、
国民
的労力の積み重ねの上に今日の
郵政事業
があることを忘れることなく、
国営公社
の
事業
として
郵政
三
事業
を一体でやるという公的な
性格
、
公共性
をしっかり発揮していくべき責任を深く肝に銘ずるべきであります。 その意味で、本案にかかわる
郵便局
数の現行
維持
を初めとする
修正部分
は、
郵政事業
の
公共性
を守っていくという課題を最小限満たすものと受けとめます。 なお、
民間
企業への
出資
を認める旨の
修正
については、いやしくも
官僚
の
天下り先
、利権の増殖とならないよう徹底した透明化と情報開示を行うなど、厳に留意すべきであります。
信書便法案
につきましては、通信の
秘密
を守るとともに、
ユニバーサルサービス
を守っていくという
観点
から種々の規制は必要ですが、
ダイレクトメール
やクレジットカードが
信書
に当たるかなどの詳細を
法案
に明記せず、省令、ガイドラインにゆだねることは典型的な裁量行政であり、厳に慎むべきものであります。
信書
の
範囲
を狭めれば、実質的に無
条件
全面
参入
と同じになるばかりか、
民間
によるクリームスキミング、いい
とこ取り
が行われることとなり、そのしわ寄せは、結局、
過疎地
域の
住民
にとって著しい
サービス
低下となることは明らかであります。
離島
や
過疎地
における
郵便物
の引き受け、配達が切り捨てられることのないよう、今後とも二万四千七百の
郵便局
数の現行水準を
全国
あまねく
維持
するなど、
ユニバーサルサービス
を
提供
するとともに、福祉施策としての第三種、四種
郵便
の堅持と必要な財政支援を図ることも
政府
に課せられた重要な責務であることを強く指摘するものであります。 こうした
郵便事業
の社会的役割と
信書便法案
との関係を考えるならば、本案が
民営化
の一里塚になることが十分懸念される、このことをもって我々は賛同しかねる、
反対
の
立場
を明確にいたします。 最後に、多くの
国民
は
ユニバーサルサービス
を望んでおり、だれもがこれからも公平かつ平等に
郵便
サービス
を受けられるよう、
日本郵政公社
には
国民利用者
の期待にこたえられるような
事業
の構築をなし遂げてもらいたいことを訴え、
討論
を終わります。(
拍手
)
綿貫民輔
14
○
議長
(
綿貫民輔
君) これにて
討論
は終局いたしました。
—————————————
綿貫民輔
15
○
議長
(
綿貫民輔
君) これより採決に入ります。 まず、
日程
第一及び第二の両案を一括して採決いたします。 両案の
委員長
の
報告
はいずれも
修正
であります。両案を
委員長
報告
のとおり決するに
賛成
の諸君の起立を求めます。 〔
賛成
者起立〕
綿貫民輔
16
○
議長
(
綿貫民輔
君) 起立多数。よって、両案とも
委員長
報告
のとおり
修正
議決いたしました。 次に、
日程
第三及び第四の両案を一括して採決いたします。 両案の
委員長
の
報告
はいずれも可決であります。両案を
委員長
報告
のとおり決するに
賛成
の諸君の起立を求めます。 〔
賛成
者起立〕
綿貫民輔
17
○
議長
(
綿貫民輔
君) 起立多数。よって、両案とも
委員長
報告
のとおり可決いたしました。 ————◇—————
綿貫民輔
18
○
議長
(
綿貫民輔
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十二分散会 ————◇—————
出席
国務大臣
総務大臣
片山虎之助君