○
銭谷政府参考人 著作権法附則第十四条の廃止によるバックグラウンドミュージックの使用料について、多岐にわたる御
質問をい
ただきましたので、簡潔に少し御説明させてい
ただきたいと思います。
まず、有線
放送事業者やバックグラウンドミュージックの音源製作者が、
音楽を
利用している店にかわって、いわゆる元栓
方式で
著作物使用料を支払っているけれども、その
音楽の
利用者が使用料を支払う原則からすればおかしいのではないかというお尋ねが最初にあったかと存じます。
この点につきましては、
著作物を
利用する場合には、実際に
利用行為を行う者が許諾を受けて使用料を支払うのが原則でございますけれども、御
指摘の有線放送やBGM音源を用いて店舗等にBGMを流すような
利用行為の場合については、
JASRACの使用料規程におきまして、各店舗等が使用料を支払う形態、これが原則でございます。
ただ、有線
放送事業者やBGM音源提供会社は多くの店舗と契約をしていることから、これらの会社が各店舗の使用料を一括して徴収し、
JASRACに支払うことが効率的であるということから、
JASRACの使用料規程においてそのような支払い方法を認めている、実際にはこうした支払い方法の方が
一般化しているというのが
現実でございます。
それから、逆に、有線
放送事業者と契約をしていない店は個別に
JASRACに支払うことになる、そうすると、有線放送の場合は非常に低廉な使用料となるので、結果として有線放送の
利用を促すことになり、有線
放送事業者を優遇しているんではないかというお尋ねもあったかと存じます。
これは、いろいろ
考え方はあろうかと思いますけれども、例えば、普通の小規模な店の
立場から見たときに、有線放送を用いてBGMを流した場合、有線
放送事業者に支払う年額の使用料というのは大体約六万円程度でございます。年額で六万円程度でございます。これに対しまして、
JASRACに個別に使用料を支払ってBGMを流すという場合は、大体年間六千円ぐらいの使用料を支払うということになります。
また、
JASRACに個別に使用料を支払ってBGMを流す場合には、実は、この使用料に加えまして、
CD等を購入する経費がかかるわけでございますけれども、店舗の雰囲気との調和、店舗の個性などを重視した
オリジナルな選曲ができるなどのメリットがございまして、それぞれの方法にメリット、デメリットがあるということで、一概に有線放送の
利用を促すというようなことになるとは
考えていないところでございます。
それから、カラオケにつきまして、有線放送を
利用したBGMの使用料については元栓処理でありながら、通信カラオケの使用料は個別徴収だ、こういう御
指摘もございました。
これは、先ほど来申し上げておりますように、
著作権使用料の徴収の方法としては、いわゆる元栓処理と呼ばれる徴収方法があるわけでございますけれども、この元栓処理を導入するメリットとしては、
権利者側から見れば、個別徴収に比べて徴収コストをかけずに確実に徴収できるというメリットがございます。また、
利用者の側から見れば、有線
放送事業者との契約のみで
音楽が
利用できて、かつ、徴収コストがかからない分使用料を安くしてもらえるということもございまして、ある意味では効率的な
著作物使用料の徴収方法とも
考えられるわけでございます。
今、有線放送については、この元栓処理について有線
放送事業者の協力が得られているという
状況がございますが、通信カラオケの方は、これまでカラオケが個別徴収を行ってきたという経緯もあって、なかなか元栓徴収という
状況にはなっていないというのが実情でございます。
〔鈴木(恒)
委員長代理退席、
委員長着席〕