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遠山国務大臣 今
教育が抱えております問題は、多岐にわたります。しかし、これらをしっかりと受けとめて、新しい時代にふさわしい
教育を展開していくということがまことに大事でございまして、私は、今、新
学習指導要領のもとに行おうとしております
教育改革は、それにこたえていく上で一番力強い
方向であるというふうに確信をいたしております。
といいますのは、新しい
学習指導要領のもと、今、
松宮議員の御
質問にもございましたけれ
ども、何をね
らいとしているかというと、
子供たちが本当の
基礎、
基本というのはしっかり身につけた上で、主体的に生きていくための、あるいは自分で
考え、自分で
判断し、自分で行動できる、しっかりとした力を身につけるということをね
らいとしているわけでございます。そのことを達成するためにいろいろな
施策を展開してまいっているわけでございます。
去る一月に出しました確かな
学力も、そのね
らいを本当に達成するために、確かな
学力を身につけさせるために、もう一度こういう点が大事だということで、リマインドしていただくために出したわけでございます。
それは
基礎、
基本をしっかりして、かつ、みずから
考えという、ね
らいというものは名目上わかるわけでございますが、本当に
基礎、
基本がしっかりするためには、もっとしっかり教えなくてはならないかもしれない。それから、一人一人がどの段階までいっているからどうしなきゃいけない、これまでのように同じように一律にやるのではなくて、それぞれの力の持ち方あるいは伸び方に応じてきめ細かくやっていく必要がある、そういうことによって
基礎、
基本がしっかりと身について、みずからの主体的な力を持つということでございます。
そのことを達成するための、今、教員定数の問題あるいは
社会人の登用、それから体験的な
学習、総合的な
学習の時間、それらを総合的にお
考えいただきますれば、私は、
制度の変革期にはいろいろな疑問が起きたり、不安を感じたり、あるいはそれをあおり立てたりというような風潮が出るということもあることは十分存じております。その
変化に
対応しながら、しかし、しっかりと各
学校の取り組みを力づけ、そしてそれを実際に可能にしていくための諸種の展開をしていくというのが私
どもの役割かと思っております。
御
指摘の点は十分勘案をしながら、そういう疑問にこたえ、そして、特に最近言われております
学力の
低下というものは絶対に起こさせない、そのためのいろいろな
施策をしっかりと展開していきたいと思っているわけでございます。
そのような大きな変わり目において、私
どもといたしましては、教員がまさに
学校教育をしっかりしていくことについてのかぎを握ってくれていると思います。その教員を、しっかりした人材を確保し、あるいは、既に教員の役割を担っていただいている方については、さらに専門的なあるいはいろいろな創造力を持っていただきたいというようなことで、今回の二つの法律の
改正をお願いしているわけでございます。
したがいまして、不登校の問題、いろいろなその問題があることも確かでございます。しかし、それらは、今までのように画一的に
知識を詰め込んでいったことになれない、あるいはそれに適応できない
子供たちがいたということも確かでございます。それが、総合的な
学習によって、みずか
らいろいろな体験をしながら、自分で
考えて、手ごたえある
教育を受ける、あるいは手ごたえある
学習をするということによって、みずからに自信を持ち、
学校に戻ってきたというケースもたくさんあるわけでございます。
そのようなことも勘案しながら、国としましては、長い間かけて
準備してまいったこの新
指導要領の
実施についてしっかりと取り組みたいと思いますし、また、それについて、副
大臣からも
お答えいたしましたけれ
ども、しっかり
検証しながら、柔軟にかつ弾力的に、そのことについてのまた
考えも十分に検討しながら、進めていきたいという段階でございます。
法案につきましては、また御
質問に応じて
お答えをしたいと思います。