○増田
委員 与えられた質問が三十分であります。
遠山大臣には初めてのお尋ねですが、時間が限られていますので、要領よくお答えをいただきたいな、こう
思います。
そこで、質問に入ります前に、二日ほどの新聞の記事を眺めまして、そのことから要請をひとつしておきたい、こう
思います。
一つは、東京新聞でありましたが、「「新指導要領はよくない」
大臣就任前に発言 「今は支持」と強調」こういうふうに書かれてあります。そこで、このことに関しては、述べられた
所信に
自信を持って今後この答えをしっかりと出してもらいたい、頑張ってもらいたい、このように申し上げます。
もう一点は、これはけさの産経新聞であります。「教師増やし「不正受給」 国庫負担の数億円」こういうことが産経の一面に出ておりました。私は、このことを読みながら、これがどうだ、内容がどうだ、どういう見解を持つ、こういうようなことは、信頼する当局ですから、それぞれの機関がきちんと整理をして
行政上きちんとした答えを出す、このように信頼をして成り行きを見たい、こう
思います。
私が申し上げたいのは、この内容ではないんです。
組織というのは、信頼でもつか規律でもたせるか、どうしてもそういう形になります。私は今から二年ほど前に、この新聞に書かれたのは
日本海側、その反対の太平洋岸で、有珠山の現地対策本部の
責任者をいたしておりました。そのことを今頭に浮かべ、初めて私が、集めた、千数百人いたんですが、その識者を全部集めて訓示をしました。その訓示の第一声は、組織というのは、信頼でもつか、あるいは規律を守ってもらう、これでもつか、組織の命は規律なんだ、規律が守れなかったら、その
人たちはきょう限り、私と一緒に仕事をすることができないからこれから現地から帰ってもらいたいということを言って就任をしていきました。
そこで申し上げたいのは、あなたはこの国の
教育の
トップであります。自治体のこういう機関まで目を届かせろと言ったって無理でしょうが、ぜひ、組織の中で情報が上がり、指導が届き、
方向が示せ、そして
成果が期待できる、こういう
方向により頑張るように、
努力して心がけてもらいたい、これを要請しておきます。心がけてください。
何でこんなことを言うかというと、質問の前なんで時間をとるわけにいきませんが、私も今のを心配した一人であります。きょうは新聞を持ってきましたので、新聞の中からちょっと申し上げるんですが、これは本年一月の朝日であります。
これに書いてあるのは結局は、半
世紀ほど前に生活経験を重視して教科を超えて活動する学習が学校
教育に導入された、しかし、学力低下を懸念する声が起きて、間もなく姿を消してやがて詰め込み
教育に入っていった、そして今度はゆとり
教育に戻ってきた、だから同じことの、要するに振り子の揺り戻しであってはいかぬと。「憂うべきは子
どもが勉強の
意欲を失い、学習時間が減っていることである。 補習や宿題を増やすことは、教科の理解を助けるためにある程度は必要だろうが、それだけで
意欲が高まり、学ぶ習慣が身につくとは思えない。」これが朝日の方であります。
そして、その結びの方に、どの学校、どの子供にも当てはまるバランスというのはあり得ない、目の前の子供に何が必要かから考えて、ぜひ週五日制になったこの授業時間が減る中のバランスを保つように頑張ってもらいたいということが、これに書かれてあります。
今度は産経の方は、「新年度からは、国語や算数など主要教科の授業時間が減った分、教師の裁量による「総合学習の時間」が創設される。」このようになるわけであります。「さまざまな不安を抱えながら、学習量三割減の学校
教育が始まる。だが、これほど
科学技術が求められる時代に、それに逆行するような
教育政策をとっている国は
日本くらいだ。指導要領の早期見直しに向けて、最も知恵を絞るべきは
文部科学省ではないか。」と。これは産経の記事であります。
そこで、初めに戻って、
所信に戻って、だからこそ頑張ってください。これをまず強く要請をしておきます。
それでは、時間をとってしまったから、質問に入りたいと
思います。
まず、
教育改革についてであります。
教育改革は国政の最重要
課題の
一つであります。
遠山大臣も
所信で述べられておられるように、
人材・
教育・
文化大国の実現のためには
教育改革が大きなかぎを握っていると申されております。私も同感です。
思えば、戦後、混乱の中から
教育制度はいち早く復興しまして、その後、国民の
教育水準は向上をして、
教育は
我が国の
経済社会の発展の原動力になってまいりました。しかしながら、昨今の
教育の現状を見ると、
社会の急速な変化についていくことができず、いじめ、不登校、校内暴力、学級崩壊、青少年犯罪が多発するなどし、国民や
社会の
教育に対する信頼も大きく揺らぐ結果となっております。
教育は今まさに危機に瀕していると言っても過言ではないと私は思っております。
思いやりの心、
日本の文化、伝統の尊重など、
日本人として持つべき豊かな心、倫理観、道徳心をはぐくむという観点からは必ずしも十分でなく、これらの背景には、少子化や核家族化や都市化の進展とともに、子供たちを取り巻く環境の著しい変化や
社会全体のモラルの低下があると思っております。また、これまで子供たちに対人関係のルールを教え、自己規律や協同の精神をはぐくみ、伝統文化を伝えるといった
役割を担ってきた家庭や
地域社会の
教育力が著しく低下したことも否定できないと
思います。長年青少年の健全
育成にかかわってきた者として、私はこのことを痛切に感じているところであります。
小渕内閣が
教育改革国民
会議を発足して以来、森内閣、そして小泉内閣へと、
教育改革の
取り組みが進められてきておりますが、
教育基本法の見直しを含め、これまで以上に迅速に、また抜本的な
改革を進めていくことが極めて重要であると考えております。
教育改革の基本的な考えをどのように認識されておられますか。改めてお尋ねをいたしたいと
思います。