○
石井(紘)
委員 わかりました。
その点については、それは間もなく出てくるだろうという前提で質問を進めます。少なくともこれは、午後まで私の質問はまたがりますので、遅くても午後一時には、人事院と電話するだけですから、それは人事院は
関係ないことですけれども、
答弁がいただけるという前提で進めたいと思います。
次に、
外務省と同時に
防衛庁も、どうもこれは国の、
国民の命を不安なく任せるに足るだろうかどうだろうかという点では大変大きな問題がある。
ここに久間筆頭
理事もおられるわけでありますが、かつて
防衛庁長官、名
長官でありました。これは余り名
長官過ぎて、
答弁が随分違っておったんですね。
それで、私は、この一年間、
防衛庁が
関連企業に防衛装備品の発注をするのに、払い過ぎをして、天下りを入れてもらうために必要より何倍か多く払って、そしてそれをごまかしごまかし来た。ちょうどずっと久間
長官でしたよ。そして、とうとう最後に、平成十年の九月三日についに
防衛庁に東京地検の強制捜査が入りました。それを契機にがらっと久間
長官は、あのときはもうかわっていましたかね、その後は野呂田
長官になりましたですかね、がらっと
答弁を一変させまして、この一年間の
答弁はすべて間違っておりました、
防衛庁がやったことはすべて反省をいたしますという
答弁になったわけであります。
事ほどさように、その後は額賀
長官でしたね、額賀
長官が、久間
長官のかわりにじゃないと思うんだけれども、ついに辞職をせざるを得ないということに追い込まれたわけですね。
その後、野呂田
長官ということですが、野呂田さんもまたうそをついてきたんですね。
つまり、これから私が取り上げるところの空自の初等練習機の契約について、平成十年に、ちょうどその強制捜査が入った前後ですよ、ここで、行っていたところの富士重工に当時の次官がわいろを受け取っておったとか等々のことがまた問題になって、そして富士重工が選定をされたんだけれども、入札契約はまだ予算がついてなかったからしていなかった。平成十一年にその契約をする予定だった。ところが、そういう事件が起こったものですから、二年間の取引停止ということになったんですね。
しかしながら、野呂田
長官は、平成十一年の二月に、これはその年の春にでも再度、もう一回その選定をして入札をやります、練習機がもう古くなっているので、新しい練習機を導入しなきゃいかぬということはもう至上命題だからそれをいたしますという
答弁をしておる。しかしながら、その年はずっとやらなかった。翌年もまた半年以上やらなかった。そして、ちょうど富士重工の処分の期限が明けるのを待つかのように再び初等練習機の入札というものをやったわけです。そこでも野呂田
長官もまたうその
答弁をされておるわけですね。
そういうように、これまでの歴代の
防衛庁長官は、後でやり玉に上げるところの
中谷長官だけじゃない、ずっと、どうも本人がうそをついてきたのか、あるいは役所の事務方に言われたままを
答弁していたためにそういうことになったのか、これはわかりませんが、そういうことであって、まことにふがいない、頼りない。これが歴代の、最近の、久間先生を前にして大変言いにくいのでありますが、歴代の
防衛庁の
長官であった。そしてまた、
防衛庁そのものも大うそをついてきたということは厳然たる事実なんですね、かつての装備
局長、あるいは防衛
局長というのも。事実であります。
そういう中で、最近、私は、
中谷さんが小泉内閣になってから
防衛庁長官になられたので、再三再四、あなたはひとつ慎重に、間違わないように、うそを言わないように、そしてかつ責任を持ってということを繰り返し繰り返し申し上げてきたわけであります。
この初等練習機の調達問題においても、私は、数えてみたら都合十一回、これは議事録を集めてみたら、やっているんですね。そういう中で、
中谷長官が当初就任をされたころには幾つかのやりとりがございます。
例えば、
中谷さんは、いわゆる不正入札というものについて、自分の在任中のことではないのでわからないというような
答弁をされましたので、私は、それでは時間を差し上げますから、よくひとつ研究をし、調査をしてみてくださいということで、その二週間後にまた質問をし、さらにまた一週間後に質問をし、
中谷さんにその都度確認をしてきたんですね。そうしましたら、
中谷長官は、よく調査をいたしましたという
答弁でした。よく調査をしたというんだったら、例の不正のポイントになっているところの維持経費については数字は聞いたのかと言いましたら、いや、数字は聞いておりませんというような、非常に頼りない
答弁でございました。数字は聞いていないんだったら、もう一回また来週までよく聞いてくるようにと言いましたら、数字は聞きました、しかしそれは申し上げられません、こういうようなことでありました。しかし、いずれにしても、私は責任を持ってこの入札は公正公平に行われたということを断言いたしますという
答弁でありました。
したがって、行政の継続性ということからいっても、あるいは
大臣の再三再四にわたるところの適正、厳正に行われたというその
答弁からいっても、もしこのことが事実でなかったら、おっしゃるとおりの事実でなかったら、これは重大な責任を負っていただかなければならない、そういう問題であります。
そこで、私は、この十一回に上るところの質問の、きょうは集約的な、いよいよ決着をつけるといいますか、そういう質問をさせていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
まず、最近の
中谷長官の幾つかのうそについて
指摘をせざるを得ません。
あなたは、スイス
政府、その前に概要を申し上げたいと思うんですが、これは平成十二年に、
防衛庁が総合評価落札方式という方式で空自の初等練習機四十九機を購入するところの入札を行った。それに対して、富士重工とスイスのピラタス社が提案書を提出して応札をしてきた。それで、さまざまな経緯があって、十二年の九月の三十日に富士重工に落札された。入札の提案書、密封された提案書の中にあった数字はといえば、これは最初の二機分、四十九機買うところの二機分が入札にかけられたわけですが、この二機分の数字が、スイスのピラタス社の提案が三億五千五百万円に対して、富士重工の提案は四億八千九百万円。したがって、一機分にいたしますと六千万円以上富士重工の方が高い。にもかかわらず、富士重工が落札をした。
これはなぜかというと、このいわゆる総合評価方式という口実をもって、三機目以降買う分については一切封をせずに、受け取ってすぐ空幕に運び込んで、これも
答弁の中に明らかになりましたが、空幕に運び込んで、深夜、翌朝、早朝までかかってさまざまな、どういう
作業をしたかはつまびらかではありませんが、その書類の差しかえが行われたということも、少なくともこれは
答弁の中で出てきたわけであります。
そういうことを行った上で、この、将来七回にわたって、都合七回にわたって買うところの、全体でこれは二百十二億円ぐらいの買い物でありますから、最初の二機分は四億ですから、その将来の機体の価格とメンテナンスの、メンテナンスはこれは相当かかるんですね、その価格を合わせたもの、これは——
外務大臣、どうも御苦労さまでした。後で、退職金の額をお待ちしておりますので。
ということで、その将来のかかるはずの金額というもの、これは密封していないから、入れかえ差しかえ自由なわけですね。そっちの方は富士重工の方が安かったんだということにしたわけです。ところが、その将来かかる、最も値段の張るものは何かといいますと、機体定期
整備、いわゆる三年に一度ぐらいに定期
整備をする、これに一番金がかかるわけです。車でも、買うと車検に一番金がかかりますけれども、そういうところ。
しかしながら、これは、その都度その都度、定期
整備をやる都度、どこの会社に発注するかということを競争入札で決める、そういうことになっているわけですから、これは将来にならなければわからない価格なんです。それを含めて富士重工の方が安かったと言ったんだから、では、その数字は幾らに出したんだということを言いなさいと言ったら、一年かかっても二年かかっても
防衛庁は、さっきの
外務省じゃないけれども、どうしても言わない。この数字を出さない。
これまでは、全部出してきていたんです。
整備の費用を全部出してきているんです。T3あるいはT5という飛行機を買ったときも、買った当初に、契約金額の中の明細として、将来のライフサイクルコスト、そしてIRANという定期
整備、こういう金額は全部出してきていたんです。ところが、これだけはどうしても出さない。
そういうさまざまな、もっとたくさんあるんです、これは切りがない、さまざまな疑惑、重要な疑惑が
指摘された中で、会計検査院が検査をするということになった。会計検査院が昨年、夏から十一月までかかって検査をして、十一月に検査報告が出された。
その間、スイス
政府は七回にわたって
防衛庁に抗議をしてきた。
外務省を通して
防衛庁に抗議をしてきた。スイスの国内では大きな問題となっているわけであります。現に、ここに二つだけスイスの新聞を持ってまいりましたけれども、スイスの新聞でも、大新聞ですよ、スイスの大新聞が何回にもわたってこうして大きな
記事を書いておるわけです。
この翻訳の一部を紹介いたしますと、こういうことを、最近、四月三日にスイスで出た新聞のフレデリック・シャルル氏の
記事の一部を紹介しますと、航空
自衛隊練習機調達をめぐる受注競争で二度にわたってピラタス社が締め出された事件が
日本の
国会で今日再び取り上げられた、同社が
日本の富士重工と受注を争い、二度にわたって被害を受けたことは疑う余地がない、あるいは、当時の防衛政務次官にわいろを贈っていた、あるいは、会計検査院の調査においても、調査担当者は評価手続のための行政的ガイドラインが不十分だったと回答しているとか、そういうことを、要するに
日本政府は自国の軍需産業を
外国のあらゆる競争相手から
保護し続けているのであるというようなことを、再三スイスでも大きくマスコミが扱っているというわけであります。
こういう中で、そのスイスとの七回のやりとりの中で、昨年十二月に
防衛庁はスイス
政府に対して会計検査院の検査報告というものを送付したわけであります。お手元に資料として配らせていただいておりますが、これは
防衛庁がスイス
政府に送った書類です。このタイトルには、「
防衛庁の新初等練習機の調達についての会計検査報告のポイント(会計検査院作成)」、こういうふうに書いてあるんです。英文の方にはもっと赤裸々に、会計検査院というふうに書いてあるんです。
そして、そこに要点が三つ書かれておるけれども、その三つとも会計検査院の報告の中に書かれていない文章であります。
特に、最初に書かれておりますのは、「会計法令等に照らして特に不適切と認められる
事態は見受けられなかった。」こういうことを書いているわけですね。これは、先日の安全保障
委員会あるいは決算行政監視
委員会において会計検査院に確認をいたしました。
会計検査院長は、これに対して明確な
答弁をいたしております。
会計検査院長の
答弁、その前に、
中谷防衛庁長官は、会計検査院とこれは
基本認識が同じだからいいんだという
答弁をしているんですよ。それに対して会計検査院は、こういうふうに
金子検査院長は
答弁をしているんです。
我々の検査結果は、検査報告の中に記述してあるとおりであるわけです。したがって、これ以外のこと、あるいはこれ以上のことは、我々は述べておりません。したがって、検査報告について、
防衛庁が我々の
意見と同じであるということであれば
基本認識は一致していると思いますけれども、そうでないということであれば認識は一致していないということになると思います。
というふうに、非常に立場の弱い会計検査院は微妙な言い方をしているわけでありますけれども、これははっきりと、検査報告に書いていないことは我々の
基本認識ではないんだ、したがって、
防衛庁がつくったこの文書は、あるいは
防衛庁長官が言うところの
基本認識が一致しているということは、会計検査院はそうは認識していないんだ、この文章も違うし、
防衛庁長官の
答弁の
基本認識が一致しているというところも違うんだということをはっきりと
答弁をしているわけであります。
あるいはまた、
中谷長官は、このスイスに発したところの回答書簡、この英文がついているわけでありますが、英文は
外務省がつくったものだという
答弁を二回にわたってしておりますけれども、先ほどまでおられた川口
外務大臣は、この四月十七日の
答弁の中でも、はっきりとこういうふうに述べております。
その前に、
中谷長官はこういうふうに言っているんですね。「事実
関係としましては、この報告そのものの英文、仮訳は、スイス側の
理解を得るべく
外務省の方で作成をしております」「報告の概要については
防衛庁が作成をいたしました」と。そして同時に、これはだれがどういう責任で出したんだと言ったら、
中谷長官は、「私の責任において出したものでございます」というふうに言っているわけですね。さらにもう一回
中谷長官は繰り返して、「英訳につきましては、
外務省の方で作成をしていただきまして、
防衛庁の方で確認をしたわけでございます」、こういうふうに述べている。
そうすると、今度は、たまりかねて川口
外務大臣が
答弁を求めてきたわけですよ。川口
外務大臣は、その前に、
外務省の佐々江
局長、これは、
防衛庁の方で会計検査院の確認を得てこの文書は作成したものだというふうに
理解をしていたんだと。だから、
外務省の方もこれはだまされたということですね。それで、今言った川口
外務大臣の
答弁、川口さんは、この英文は
防衛庁の方で作成したものでありまして、
外務省が作成したものではありません、こういうふうに
答弁をしているわけです。
ですから、
防衛庁はそういうふうにして、
中谷長官、あなたがいろいろとおっしゃったことは、結局、大変うそが多かったということになりませんか。
要するに、当初は、これは
防衛庁がスイスに対して、この文書は
防衛庁が会計検査院といかにも打ち合わせたかのごとくおっしゃったのですね。昨年十二月に、打ち合わせをしました、それで出したものですというふうに
答弁をした。会計検査院は、いや、それは、何か回答を出すということは聞いていたけれども、しかしどういう文書を出したのかということは出した後で知ったんだということを会計検査院の方は
答弁しておる。この会計検査院の名前を使ったということについても、会計検査院は、私に
指摘されて、この四月の三日の日に
防衛庁に抗議文を発したんじゃありませんか。そういうことを受けて、
防衛庁はスイス
政府に対してうそを言っていたということがはっきりしたわけですね。
これは、
防衛庁としてはうそを言っていた。スイスに対して、実存しない、事実でない会計検査院の報告を偽装して出した。少なくとも、最初にくっつけた文書は偽装したものだ。それから、中の英文における翻訳も一部これはごまかしがあるわけですがね。そういうことを
防衛庁はここでもって最終的にお認めになるのかどうなのか、そして、それに対する
防衛庁の
対処方といいますか、
防衛庁はどういう善後策をとるのか、それを伺わせていただきたいと思います。