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山田(正)
委員 大臣、ちょっと私、ほかのことを聞こうと思っていたのに、時間が随分来てしまったんですが、これ以上この問題でするつもりはありませんが、いわゆるEUの回収
価格制度というもの、これと日本の
調整保管とは
制度そのものが全く違って、EUは直接、
漁業者そのものから
漁業組合等々を通じて買い入れしているという事情があるということ、それも同時に調べていただきたい。
それからもう一つ、EUでは、指標
価格を
もとに参考
価格制度というのがまだ現存していて、そして
輸入価格に対して参考
価格を下回るようであったら、いわゆる
輸入をストップする。また、量においても、それぞれの
魚種において量が決まっておって、それを超えて入るようだったら、クオータ制がとられておって、
輸入をやはりそこで制限する、そういういわゆる
輸入価格についても十分な
措置がとられている。このことも、まあきょうは時間がないので聞きませんが、いわゆる
価格安定制度に加えて、
輸入の問題についてもそれなりの厳しい規制がとられていて、
漁業者が
生産に安心して従事できるようになされているという事情、これは十分調べていただきたい、そう思います。
そこで、次の質問に移りたいと思いますが、実は
大臣に質問通告しておったんですが、
魚価が
低迷しているのと同時に、今日本では非常に
漁獲量がどんどん減ってきている。いわゆる資源が減ってきた、これはどこにあるのか、その
理由ですね。
それについて、実はお隣の中国で、二百海里の面積が日本の四分の一しかない、ところが、今中国は、日本の約七倍、四千二百万トンの
漁獲量を上げるようになった。それは内水面も幾らかありますが、海面だけでも日本の四倍は少なくとも水揚げするようになってしまった。
どうして中国はどんどん
水産漁獲高がふえていき、かつ日本は減ってきた、いわゆる六百万トンにまで減ってきた、その
理由なんですが、実は、時間がないので私の方から話しますが、これについて
大臣に資料としてお配りし、ぜひ読んでいただきたいと、いわゆる
北海道大学の
水産学博士、境一郎氏の昆布についての朝日新聞に載った論文があります。
これによりますと、中国は、ちょうど海面の水揚げ高、これが、昆布の養殖、もう南の台湾海峡まで昆布の養殖を、
もともと中国には天然のものはなかったものを、
北海道の昆布の種糸を
もとにして養殖を始めたようですが、今やその昆布の養殖が二倍になったら海面漁獲高が二倍になり、三倍になったら三倍に、四倍になったら四倍になったというふうに、非常に資源の回復に大きく役立った、そういう論文があるわけです。
大臣、日本は逆に、いわゆる魚礁、コンクリート魚礁を次々に投げ入れて、そして護岸工事を、コンクリートでどんどん固めていった。いわゆるいそ焼けが進んでいくような
状況をどんどんつくっていって、それで資源がますます少なくなってしまった。逆に、中国では、まさに昆布の増養殖を図ることによって、生きた魚礁、いわゆる魚の産卵場そして揺籃場、それを大々的につくっていった。この効果は大きいと思われるが、
大臣、ぜひ論文を読んでいただきたいと前もって渡しておいたと思うのですが、読まれたかどうかわかりませんが、どう思われるか。
〔鮫島
委員長代理退席、
委員長着席〕