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古賀(一)
委員 私は、大変な疑問、
心配を持っております。といいますのは、今が四月でございまして、この
法案が通って人選あるいは候補者の選定というものがあって、実際上は動き出すのは六月以降であることは間違いないし、
任命手続あるいは事務局の立ち上げ、いろいろなことがあるんでしょう。そうしますと、半年はないんですね。半年ないその短期間に、七人の方、先ほど来
改革意欲のある方ということで言葉は出ておりますけれども、果たしてこれだけ大きい問題、今からちょっと述べますけれども、大変奥の深い重要問題、これを七人の
委員会がわずか数カ月で、今
採算性という言葉がありましたけれども、論議した上で方向性を本当に決めていいんだろうかという疑問を持ちます。
私はそういう面で、要するに拙速、ただ形をとるだけですね。中身は十分
審議せずに、
小泉内閣の看板だ、それ行けどんどんというようなことで、この問題というものが
一つの、実質よりも
手続、中身よりも形ということで進むんじゃないかということを
大変心配をします。
そこで、もう
最後の
質問になるかもしれませんが、一番重要なところを聞きたいんですが、私は、
道路公団ほかこの四
公団の
民営化を論ずる論点というのはあるんだと思うんです。これは別に
道路関係公団だけじゃないですよ。今後いろいろな
組織改革あるいは
行政改革が出てくるんだと思うんですけれども、とりあえず何か形をつくらぬといかぬということで走ってきた行革がこれまでもあった。それは決して私は成功ではなかったと思うんですね。やはり次の時代を見据えて、事の本質、
経済あるいは国際競争、いろいろな
分野に知恵等をめぐらし、論議を尽くし、分析も尽くした上で
国民が納得できるようなベストミックスを
考えるというのは大変な仕事、でも、これを本当は
国会を中心に
国民の
代表がやるべきだと思うんですけれども、とりあえず七人でやるとおっしゃるから、それについての問題提起をします。
といいますのは、これまでの論議はもう私はめちゃくちゃだと思うんです。
総理自身のお言葉を、いろいろなところをピックアップしても、私はいろいろな言葉が発せられてきたと思うんですね。国費不投入それから新規
路線凍結あるいは
民営化、それのどこに本当の目的があるのか。
民営化して無料化するというなら、これは二律背反だと思うんですね。そういうのが
整理されずに実は
委員会論議をやってもテレビ討論をやっても、ああ言えばこう言う、こう言えばああ言うという論議の中に、どうも収拾がつかなくなって、でも
改革は急がぬといかぬ、では
委員会設置という一種の形をとろう、悪く言えば、これまでの論議の矛盾、未熟ぶりをブラックボックスで固めちゃってとりあえず
委員会というふうに意地悪く
考えることも実はできると思うんです。
そこで、あえて私の方から
整理をするならば、
道路関係公団の
改革を論ずる論議の手順というのがあると私は思うんですね。
一番
最初は、
高速道路の
ネットワークがこれからどれだけまず必要なのか。それは、社会問題、
経済問題、国際協力問題、
扇大臣がよく言われるいわゆる他の交通
機関との連携もある。そんな面で実態に根差してどれだけ
高速道路が要るかという論議がまずあるべきなんです。これが一番目。二番目に、それをどういう
国民負担で、つまり税源、財源ですよ。どういう
国民負担でやるべきかという論議が二番目だと思うんですよ。その
前提の
もとに、では、今の主体である
公団方式ではなくて別の経営主体論があり得ないかという論議が来て、そして四番目に、よく
議論に出ております
公団の体質、経営の手法、いろいろな運用の問題があります。こういう個別の問題があると思うんですね。
でも、今までの論議を考うるに、四番のそういう人事の問題、八十二の子会社の問題、もちろんこういうのをやるべきなんですよ。でも、こういう論議といわゆる経営主体論というか
道路公団民営化という三と四を行ったり来たりしながら、一の論議というのは私は十分に尽くされていないように思う。そこに実は我々のいら立ちもあるし、要するに小泉さんの
道路公団改革というのは、
国民から見れば、新聞は、聖域なき
構造改革のトップバッター、こう書いてあるから何となく期待はするものの、でもイメージがわかない。小泉
改革とは何なんだという、
国民の心の中は実際はそうじゃないかと私は思うんですね。ここがやはり政治の
責任の部分だと思うんです。
私は、もう時間がなくなるので本当に焦りますが、
石原大臣にお聞きしたいんですけれども、
道路公団を
改革する論議というものがこれまで
大臣の
もとでもいろいろあったと思うんですね。
総理との
関係でもあったと思う。
大臣は一回、
総理に中間報告で七十二の案を持っていかれた。七十二もの案が出るということ自体、私はおかしいと思うんですよ。それは、
総理自身のこの
道路関係四
公団の
民営化の思想と理念と戦略、手順というものが示されていないからこういうことになった。そのあらわれが七十二の
石原大臣の持っていかれた案だと私は思うんですよね。そこに、発信源であり、言い出しっぺである
総理の
公団改革に関する理念、戦略がないという実は最大の欠点があるんじゃないかと私は
心配するんです。
したがって、ここで
確認をしたいのは、
道路公団をこれまで論議してきたその論理、手順というものは具体的にだれからどう示されてきたのか、なかったのか。そこら辺は非常に重要なことなので、とりあえず
公団改革だ、でかいところからやるんだ、そういう論理だけで私は進めるべき問題じゃない。その
道路公団の
改革の手順、論理立てといいますか、そこら辺を
総理からはっきりと指示があっての話なのかをちょっと
確認させていただきたいと
思います。