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石井(紘)
委員 株式会社にしても、その株が圧倒的に
政府保有ということの中で、それは、今までと格段に違う
民間経営というものが想定できるわけはないわけであります。
償還期限が五十年といったって、相変わらず
政府の
会社なわけですから、これまで同様に、最初は三十年だった、それが三十五年になり四十年になってどんどん延ばしてきて、今度は五十年が
上限だというふうに延ばしてきた。そんなことは、ちっとも今回の改革の何か評価されるべき点にはならないわけですよ。
そういうお
考えを聞いていますと、果たして、これは
民営化というけれ
ども、相当ごまかしの、あいまいな、いいかげんな
法案だとやはり言わざるを得ない。
民営化ということについて、私は、この
法案では一歩も前進していないというふうに言わざるを得ないと思うんです。
また、では、
民営化というものが現時点でいいのか悪いのかといったら、私にはここは到底想定できないんです。今、この先数年の間にこの
道路公団というものが純粋な
民間の企業になり得るなんていうはずはないんですよ、あり得ないんですよ。先ほどNTTなんかの例も言われましたけれ
ども、NTTのようなものは、これは事業の内容として
民間の事業ですから。しかし、
道路とかというものは、これは基本的な国のインフラでして、
民間にしても、競争相手というものは基本的には同じエリアではできないんですよね。
そういうものでありまして、私は、この改革の唯一の
方向があるとすれば、それは、基本的に新規事業をストップして、そして今のこの借金返済、大体三兆円前後は毎年借金返済にかかるわけですから、それに匹敵する金額を新たに借りてくる。一方では、一兆円の新規
道路建設をやっているから、その分がどんどん借金が積み重なっていくわけですからね。ですから、この新規の
建設を、これは借り入れてつくるわけですから、やればやるほど借入残高がふえる、そういう傾向になっているわけです。ですから、新規
建設、しかも効率の悪い
建設はやめて借金返済に専念する。
それでも、やはり新たな
借入金というのがなければ返済もできませんよ。それは、
一定の国庫の
負担も必要になるかもしれませんよ。だから、当面、
民営化なんということは言わない方がいい。そして、十五年か二十年先まで新規
建設をとりあえずストップしておいて、そして借金の返済のめどがつけば、そのときは
民営化するにしても株の評価がつくようになりますから、そうすれば
民営化もできるわけです。今
民営化したって、株の評価も何もつかないものが
民営化と言えるわけがないじゃないですか。
そういうことを私は申し上げて、これについての
答弁といってもなかなか大変でしょうから
答弁を求めませんが、一応、こうした重要な
法案の
審議に当たって、将来のことがありますから、そういうことは申し上げておかなきゃなりません。それをあえて、こういうあいまいな
法案を通して進めようとされるということになりますと、当然、それを推進した方々の責任というものは将来生じてくるということも認識していただかなきゃならぬだろうと
思いますよ。
さて、そこで、
道路建設がいかに利権に利用されているのか、いかにおっしゃるような
採算性がとれて、そして将来それが償却されるというようなものではないんだということの端的な例を
一つだけお示しをしたいと思うんです。
例えば、北海道にムネオ
道路と言われる
道路があるんです。これは、高規格幹線
道路の、国交省が進めているものですね、釧路外環状
道路。もう
一つは、同じく、釧路中標津
道路という
地域高規格
道路であります。これについて資料を配付させていただいているかと
思いますが、最近五年間の工事発注先のリスト、発注金額、そして受注企業を載せてございます。釧路外環状
道路については、平成十年度からでありますので四年間でございます。
そこで、釧路外環状
道路について申し上げます。この表もお配りしてあると
思いますが、表に沿って申し上げますと、平成十年度、工事件数が三件、したがって、受注企業は、JVがありますから三件、JVを解体した受注企業数というのは七件、その受注企業者数に対応するところの鈴木宗男氏への献金業者数は三件ですね。ですから、三件とも一〇〇%献金企業である。献金業者であるというふうに言った方がいいでしょうか。企業というのと業者というのを分けて、ちょっと便宜的に申し上げます。その次は献金企業数であります。これはJVを分けて数えますと七社でございます。これもまたすべて献金業者であります。
ちなみに、十一年度も、一番最後の献金企業について申し上げますと、八社で一〇〇%、十二年度は十二社で七〇・六%、十三年度は十二社で七五%、合計三十九社で八一%というふうになっております。
それからまた、釧路中標津
道路について、これも同様にして、全体で鈴木宗男氏への献金企業は四十三社、全体の企業数が五十九社、そのうちの四十三社でありまして、七三%を占めている、こういうことになっております。
鈴木宗男氏は多少飛び抜けているかもしれませんが、いわゆる
道路族とかあるいは
道路建設に何らかの形でかかわる国
会議員というものは非常に数が多いわけでございます。そして、こうした
道路関係の企業あるいはファミリー企業から献金を受けている方というのも非常に多いわけです。こういうような中で、一般的に、
道路建設というものがいかに、本来のユーザーのため、あるいは
国民のためではなくて、利権のために使われているかということがここでは明らかになると思うんですね。そういう
意味も含めて、ひとつ
道路建設、これは高規格
道路のことを今申し上げましたけれ
ども、
高速道路についてもほとんど似たり寄ったりでございます。
高速道路の
建設というものは、先ほど私が、新規事業、新規
建設はやめるべきだ。
石原大臣も当初はかなり明確にそういうふうに言っておられたと思うんです。
さて、今の時点で、
高速道路ないし高規格
道路というものの新規
建設というものは、どうせこれは借り入れをして、投資事業という形で行って採算をとって返そうというわけですから、これは行政がやっているわけですから、到底、将来これが採算が合うとかもうかるとか、そんなようなことになるわけがないんですね。ですから、新規
道路についてはストップしなければ返済もできないんですよということを今おっしゃることはできませんか、
大臣。