○山名委員 公明党の山名
靖英でございます。
私は、自由
民主党、公明党及び保守党を代表いたしまして、ただいま議題となっております
郵政公社関連四
法案、
与党三党
提出の
修正案に対し、
賛成の討論を行うものであります。
まず、
日本郵政公社法案及び
日本郵政公社法施行法案は、中央省庁等
改革基本法第三十三条の規定に基づき、
郵政三
事業を一体的に経営する国営の新たな
公社として日本
郵政公社を設立するものであります。
これにより、郵便、
郵便貯金、簡易保険など
国民の生活基盤
サービスを
郵便局ネットワークを活用して全国あまねく提供するという
郵政事業の意義は引き続き確保しつつ、予算の
国会議決等の事前管理から中期目標管理による事後評価に移行するなど、独立採算制のもと、
郵政事業の自律的かつ弾力的な経営を可能とし、引き続き全国公平な
サービスの提供を確保しつつ、より一層の高い
サービスを
国民が利用できるものであります。
次に、
民間事業者による
信書の
送達に関する
法律案及び
民間事業者による
信書の
送達に関する
法律の
施行に伴う
関係法律の
整備等に関する
法律案についてであります。
郵便事業は、明治四年の創業以来百三十年にわたって、ポスト投函や全国均一料金といった、全国あまねくできるだけ安い料金で
サービスを提供するといういわゆるユニバーサル
サービスを提供し、
国民生活に定着するとともに、全国的に統一された政治、社会、経済、文化その他の諸活動が
信書送達サービスによって可能となり、
国家国民の一体感を醸成し、大きな貢献をしてきたものであります。このユニバーサル
サービスを確保するために、
郵便事業は、
信書の
送達を独占としてきたところであります。
このような
郵便事業に対する
民間参入のあり方については、平成十年、中央省庁等
改革基本法におきまして、「政府は、
郵便事業への
民間事業者の
参入について、その具体的条件の検討に入るものとする。」と規定されていたところであります。また、平成十二年の
行政改革大綱においては、
民間参入について、
公社化にあわせて実現するとされてきたところであります。これまでの間、
総務省において
民間参入に関する制度設計につき着実に検討を進め、その成果を踏まえて
法案が
提出されたものであります。
賛成する理由の第一は、
郵便事業への
民間参入に当たって、郵便のユニバーサル
サービスの確保を大前提としつつ、
競争導入により、利用者の選択の拡大や料金の低廉化を図ることとしている点であります。具体的には、クリームスキミング防止のための一定の条件を課しながら全国
全面参入を行う一般
信書便事業、及び高い付加価値などの特殊な需要に応ずるための
特定信書便事業を設け、ユニバーサル
サービスと
競争導入の成果のバランスを図っております。
第二に、
民間事業者が
信書の
送達の
事業を行う場合にあっては、憲法上保障された
信書の
秘密が
郵便事業の場合と同様に確保されるなど、利用者保護が十分に図られております。具体的には、
信書便事業に従事する者が
信書の
秘密を侵した場合には、
郵便事業に従事する者と同様に加重された罰則が科されるほか、
信書便管理規程を通じて適切な業務運営が確保される等、
信書の
秘密を確保しております。
第三として、これまでいろいろ
議論のあった
信書の定義につきまして、判例に従い、
法律に定義が定められたことについて、
信書の
秘密及びユニバーサル
サービスの確保の観点から一定の評価ができると思います。そして、この
法律の定義の範囲内で
総務省において
ガイドラインを作成し、具体的な当てはめについては、一層の明確化を図るという方向性が示されたことについても評価できます。
次に、
与党三党
提出の
修正案は、
郵便局のあまねく全国における設置を明記するとともに、
郵便事業への
民間参入を踏まえ、
郵政公社の経営の自由度を付与する観点から、郵便の業務に密接に関連する
事業を行う者への出資規定を追加するほか、国庫納付金については、
郵政公社の経営の健全性をより確実にする観点から、中期経営計画の期間中の積立金の増加額の一部を納めることに改めることとしています。
これらの
修正は、
郵政のユニバーサル
サービスを確保するとともに、
国民生活に不可欠な
サービスを提供する
郵便局ネットワークを引き続き維持するものであり、適切かつ妥当なものと考えます。
以上のような理由により、
修正案に
賛成の意を表するものであり、さきに述べた四
法案とあわせ、引き続きユニバーサル
サービスの提供を確保しつつ、より一層質の高い
サービスを
国民に御享受いただけるようにするものであり、平成十五年四月一日の設立に向け、一日も早くこれらの
法律が成立することを強く要望いたしまして、私の
賛成討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)