○田並
委員 それでは、きょうは二日目の質疑になりますので、今までの方の
質問と若干ダブるところがあるいはあるかもしれませんが、なるべく重ならないように聞かせていただきたいと思います。
一つは、まず
総務大臣にお尋ねをしたいのは、今審議をしておりますこの郵政関連四
法案、これの位置づけの問題なんですよ。
というのは、新しい、これからできる郵政
公社の
制度設計の基本について、いろいろ言われています。我が党の
委員からも言われました。
民営化を前提とする郵政
公社なのか、それとも将来にわたっても
国営の
公社としていく
制度設計なのか。これは明らかに、
中央省庁等改革基本法であるとか、あるいは郵政
公社化研究会の
中間報告であるとか、これを見ると
一つとして
民営化なんということは書いていないんですよ。勝手にある総理
大臣が言っているだけであって、ということなんですね。
前回の私どもの党の方で
質問をした
質問主意書、この中にもありますように、本年五月二十一日の郵政
公社法案外三
法案に対する質疑の際に、総理
大臣が答弁として、この
法案というのは
民営化に向けた一里塚である、こういう答弁をして、それが総理
大臣の発言なのか、あるいはどういうことなんだといって答弁を求めたところ、
閣議決定で、それは小泉総理の政治家の発言だ、別に
政府として
民営化を決めたわけじゃない、こういうことがはっきり言われているんですから、その辺は論争に終止符を打って、とにかく私たちは、国民のための郵政
公社をどうつくるかということを中心にして、この
基本法であるとかあるいは
中間報告に基づいてでき上がっているこの関連
法案を審議しているのだということを明確にしておかなくちゃいけないと思うんですよ。後は後ですよ。
後は後だけれども、しかし、
中間報告で言われている、郵政
公社化研究会でいろいろと論議を重ねてつくられてきた内容というのは、まさに五つほど基本が書いてあります、
公社設計の基本が。
一つは、確かに経済がグローバル化をして、
競争至上主義だとか市場主義、あるいは自己責任、これを求められる、そういうシステムになっているけれども、しかし、今まで
全国の
ネットワークを利用して国民のために提供してきた
郵政事業というのは、国民の共有のインフラ、いわゆる
ネットワークとして国民生活に大変な貢献をしてきた。どういう時代になったとしても、この
郵政事業と
全国ネットワークを持っている
郵便局のこの
ネットワークを利用して、
公社化後もこの機能を確保、充実していくことが必要なんだ、これがまず第一に書いてあるんですね。
これは
民営化を予想しているものじゃないんですよ。これからもそういう機能を果たしてほしいと。その中身は、市場万能主義あるいは経済原理、それだけじゃなくて、もっと社会政策的に、福祉政策として、
地域の発展やあるいは国民生活のインフラとしてその機能を充実発展させていかなくちゃいけないんだということが、まず冒頭書いてあるわけだと私は思うんですよ。
ですから、そのことをまず第一に私たちは確認をしてこの
法案の審議に入っていると思うので、その辺のところは、ぜひ、後ほど
大臣の方から改めて答弁をいただきたいと思うんです。
それと同時に、この
中間報告によりますと、国民
利用者の
立場から見て
公社になってよかったということが評価をされるようになることが大切だ。そのためには、
公社の
経営にはできる限り
民間企業的手法を取り入れて、国の関与はなるべく必要最小限度にとどめて、
公社の自律的かつ弾力的な
経営を可能とすることが不可欠だ。ということは、新しくできる
国営の
公社が長期にわたって安定的に
経営ができるようにしなさいよということを
意味しているのじゃないかと私は思うのですね。
そこで、ちょっと聞きたいのは、今までは、官業は民業の補完なんだ、官業は民業を圧迫してはならないんだ、こういうふうに言われていました。しかし、
郵便の
民間参入が始まりますと、郵貯も簡保も
競争へ入っているわけだし、
小包も
競争へ入っているんですし、幾ら官業といえども、民業を圧迫しないように、あくまでも官業は民業の補完物だ、こういうふうになりますと、もうかるところはどうぞ
民間がやってください、もうからないところは官業がやるんですよという思想にもつながると思うのですね。そうすると、結果的には
全国ネットワークのインフラが崩れてしまう、こういうおそれもあるのです。
ですから、それは余り肥大化しても困るのですが、その辺は、この
全国ネットワークの
郵便局の機能というのが、国民生活向上のためにあるいは
地域の発展のために使われる、そういう最低限度の
経営というものをやっていかないといけないと思うのですね。
そのことが、やはり今までのような、官業は民業の補完物だとか、官業は民業を圧迫してはならないんだ、ただそれだけの原理
原則でいったのでは、この新しい
公社というのは成り立たないし、またそのことを、三番目の基本
原則のところで、先ほど言ったように、できる限り
民間企業的手法を取り入れる、それから国の
公社に対する関与は必要最小限にとどめるんだ、独立採算制で
企業的な性格を持った運営をしなさいよ、これを私は示唆しているんじゃないかと思うんです。
そういうことで、そのほか四つ五つと五項目あるんですが、今言われたようなことが私は基本だろうと。
あるいは
郵便の
民間参入についても、現在の
ユニバーサルサービスの確保が大前提だ、そして、
競争の導入によって価格の低廉化とか
サービスの向上、高度化といった国民
利用者の利益の増進を図っていく必要があるんだというのが、この
中間報告の最後に、基本的な
立場として郵政
公社化研究会の方々の取りまとめとして出してあるわけです。
そこで、先ほど言った総理の答弁、
郵便事業への
民間参入ができることになるということは
民営化に向けた一里塚であると考える、こういうふうに言っているんですが、この
郵便事業への
民間参入が
民営化の一里塚であるという総理
大臣の発言というのは、まさにその
中間報告で述べている
公社化研究会でまとめた最後の項目、
ユニバーサルサービスの確保を大前提とした上で、要するに、なぜ
民間参入をするかというと、
競争導入によって価格の低廉化、
サービスの向上、高度化といった国民
利用者の利益の増進を図っていくんだと。別に
民間参入イコール
民営化の一里塚なんだということは
一つも書いてないんですよ、
中間報告には。
それをねじ曲げて、総理
大臣が国会の本
会議で答弁したものが、あれはそうじゃなくて政治家の発言なんだ、こんなばかなことが許されるはずないんですね。何か本人の趣味で
民営化をやっているような感じがするんですよ。こういうことは私は許されることじゃないと、総理が来るようですからどなたか
質問するんでしょうけれども。
まず、新しい郵政
公社の
制度設計の基本について、私は、何回も言うようですが、
中央省庁等改革基本法、
郵政事業の
公社化に関する
研究会の
中間報告、これに基づいて三
事業を一体として行う
国営の
公社を設立し、長期安定的な
経営を確保するために弾力的な
経営をしてもいいよということが今度の
法案の趣旨であり、そのことをつくり上げることが今の
政府の国民に対する責任ではないか、このように思うんですが、まず第一に、
総務大臣の御見解をお伺いします。