○
中野(清)
委員 今
理事長の
お話でございますけれ
ども、私は大してできていないと思っているんですよ。事実、今までは
RCCは
回収専門だと、
大臣、言っていたんですよ。だから簡単に、そんなこと言っても無理ですよと言ったのが半年前なんですよ、はっきり申し上げて。それがやっとこのごろ——だから私は今一番お願いしたいのは、
金融庁や預保や
RCCに対して
意識改革だと思うんですよ。
そういう
意味で
一つ申し上げますと、そういう
意識改革がなぜ必要かといえば、今までいわゆる
過剰債務、
債権の問題、しかもその
回収ということが非常に言われてきました。それは当然なんですね。当然だと思いますけれ
ども、果たしてそれだけでもって
不良債権問題は
解決できるかということになれば、私は違うと思うんです。
そうしますと、その問題も大事だけれ
ども、それと
一緒に
キャッシュフローという
考え方についても、もう
一つの大きな要素としてもっと前面に出していいんじゃないかという
感じがしております。例えば、これはもう
大臣なんかに釈迦に説法ですけれ
ども、よく
財務というかそういうものは野球で、
資金繰りはボクシングだと言われているんですよ。十対一でも二十対一でも、九回が終わらなければ、これは負けたことにならない、つぶれたことにならないんですよ、これが
財務ですよ。ところが、どんなにいい黒字の
企業だって、どんなに資産があったって、
資金繰りでショートすれば一発でもって
倒産なんですよ。そういうことを考えれば、逆に言えば、その
債務の、大きな
債務超過かもしれないけれ
ども、まず
資金繰りをきちんとやってやる、そういうことが実は一番、まず第一の盲点だと思うんです。
あえて申し上げますけれ
ども、
中小企業白書によりまして、
有利子債権の
返済について、大
企業で大体六年から九年と言われているんです。それからいわゆる
中堅企業が八年から九年と言われているんですよ。ところが、
中小企業は十九年と言われている。つまり、借金した金を十九年かけなけりゃ平均的には返せないんだということなんですよ。しようがないから、借りかえとかなんかいろいろなことをやっている、そのとおりだと思うんですよ。
大臣の前ですけれ
ども、これは普通の
中小企業です。ましてや
破綻懸念先なんといったらば、これはどうなんだということになれば、さらに厳しいということを、
再生とおっしゃる以上、
RCCも
金融当局も本当に理解しているかどうか、これを私はまず確認をさせていただきたいと思うんですよ。
そしてその中で、きょうは時間がございませんから、六点について具体的にそのことを私は提言をしたいと思うんですよ。これがきょうの私の一番申し上げたいことでございますから、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
これは、やはりこれから、今
金融政策として、
中小企業の
金融の特に
不良債権の
処理について大事なのは、
RCCとして、今まで、
民間の
金融機関も含めて、社会全体に対して
一つの新しいルール、新しい原則、そういうものがはっきり言って不明だったんじゃないだろうか。
RCCの姿勢も含めて、そうだと思うんですよ。だから、私は六つのことをここで
大臣に申し上げたいと思うんです。これは大事なものですから、
一つ一つを丁寧に答えていただきたいと思うんです。
というのは、第一には、今までいろいろなことがありました。でも、
中小企業については、
回収について申し上げたいのは、つぶしてもいいから早く
回収しようという姿勢はだめだと私は思うんですよ。なぜかといえば、先ほど埼玉県の話が出ましたけれ
ども、連帯保証をさせられているんですよ。ですから、つぶれるときというのは、はっきり言って家屋敷全部なくなっちゃうというのが実情なんです。埼玉県の方では、月に四人も犠牲者が出ているというようなことも言っているくらいです。
ですから、まず、
回収が前提なんです。しかし、一生懸命やったってだめなところもあります。これはやむを得ない。ですから、まずそれをやはりもっともっと、まず第一に原則として表に出すべきじゃないかと思うんですよ。それが第一点。
それから、先ほど
キャッシュフローの話を申し上げました。結局、普通にやっても十九年もかかるんだというのをどういうふうにやっていくかということですね。何も、そうなってくれば、今預保の
理事長も、
条件変更がある。それはこれからの大きな要素だと私も思っているんです。そのとき、いわゆる
民間金融については、
大臣が御
承知のとおり、
金融検査をやっているわけですよ。そうすると、そう簡単に、やたらに長いものなんかつくれば怒られるに決まっているじゃないですか、
金融庁から。それは決まっているんですよ。それだったら、そういう
意味での政策的な問題については、
RCCが負担すべきだと思うんですよ。それの期間はありますよ。十年でも十五年でも二十年でも二十五年でも、その
企業の実態に合わせてまず
計画をつくるべきだと思っているんです、はっきり申し上げまして。
ただ、私も、二十五年とか二十年まで先がわかるわけありませんから、そんなのはモラルハザードになっちゃいますから、それは、例えば五年なら五年でもって一回
見直しますよということがあったっていいですよ。ただし、
計画としては、それは借金だらけでもってつぶれる寸前の
企業がそう簡単な、きれいな
キャッシュフローなんかできるわけないんです。だから、そういうことを考えたときの長期の
返済の問題。
それから、三つ目は、これは今日までの、いろいろな
不良債権処理についてのトライがありました。いろいろなことをやってこられた。それについて、私
どもは、もっともな面が多いと思うんです。
ただ、不満なのは、不公平という話があるんです。
中小企業の方に行きますと、何で
大手の業者については
債権カットをやって、おれたちはしてくれないんだと。それはあなた、借金というのは返すのが当たり前なんだと、それはそういうことでもってやらなきゃしようがない。人の金を借りたんだ、返すのは当たり前なんだからやろうじゃないかと。ただし、
条件については、前に申し上げたように延ばしてもらうということは、それは事情によってしようがない、これはある
意味で考えなきゃいけないけれ
ども、やはり借金を返すというのが前提なんだから、そういう前提の中で、切り捨てはしない、これをやはりはっきりした方がいいと思いますよ。
生半可、今まで
幾つかの
事例があったから、だからおれたちもまけてくれなんて、それは私は、やはりこれからの日本経済全体を考えるときに、モラルとして、一生懸命やっている人はどうするんだということになってしまいますから、これはぜひ、三つ目としてそのことも申し上げたいと思うわけであります。
それから、四つ目としては、先ほどちょっと
RCCについて、
債権回収が、例えば一億円のものを二千万で買ったとかというような例がいっぱいあります。
現実には、ことしの一月から六月までは九・九%だ、前は二・二で上がってきたというのは、やはりそれはそれで結構だと思っているんですよ。
ですけれ
ども、そういう
意味で、
RCCが買った金額、それについては、例えば三年なら三年とか、悪くても五年ぐらいには、買ったものだけは、それはもうちゃんと返してもらいますよ、ちゃんと
回収させてもらいますよ、そういう原則を例えばやるということをはっきりしたっていいんじゃないですか。
ただ、私もそれについて、よく言えば、
幾らで買ったと言えなんていうと、それは交渉がありますから、言ったらそれはちょっと交渉ができなくなっちゃう、
RCCが。だから、それはやはり言わなくていいと思う。しかし、やはり
回収するという原則にだけは立ってこなければ、さっきの長期の、延ばすという話もなかなかできてこない。それから、
債権についての確定もできないんですよ。
だから、その
一つとしては、やはり
RCCが買った以上は、それは原則は三年だろう、できないものは五年までぐらいはしようがないだろうとかというようなものを、
大臣、こういうものをちゃんとつくった方がいいんじゃないですか。今、そんなのは何にもないんですよ。言えば、それは
RCCの恩恵としかとらえていないんですよ、はっきり言って。だからだめなんです。
中小企業、
金融機関も、ちっとも本気になって相談する気になんかなりっこないということを申し上げたいと思います。
それから
最後に、さっきも申し上げた、いわゆる契約や、その信頼性を、
RCCの姿勢を、一年なら一年ごとに全部はっきりするというようなことが必要だと思うんですけれ
ども、いかがでございましょうか。
そういうことがありまして、それを、私がさっき言いましたように、原則化、ルール化。
そしてもう
一つは、いろいろ言いますと、いろいろなことをおっしゃるわけですよ。確かに、
金融の世界というのはいろいろなことがありますから、それだったら、この間、
金融検査マニュアルでもって十六も
事例をつくったじゃないですか。そういうような、こういうケースだったらこうだということでやっておかなければ、全部、
一つ一つを
一つの原則でなんかできるわけないけれ
ども、具体的には、基本精神はそういうルールや原則があって、その中でこういう
事例というようなものをつくっていかなければ、
解決なんかできるわけないし、第一、第一線の諸君が何も手の打ちようがないんですよ。
そういう点、この六点についてまずお伺いをさせていただきたいと思います。