○塩川国務
大臣 税制改正問題につきましては、昨年の暮れのときから、予算編成のときから、
税制改正は十五年度実施に向けて十四年度中に基本的な方針を決めるということでいたしました。したがって、平成十四年度は増減税なしにして、パラレルで、とにかく現状維持のままで
税制を終結さすということにいたしまして現在に至っておるのでございます。
したがって、本年一月から
税制改正に取り組む、
意見の集約を始めようということになったのでございますけれ
ども、三月中は、十四年度予算が成立するまでの間は具体的な議論については自粛しておこう、そして専ら十四年度予算の早期成立を期そうということでございましたので、伏水流としてはございましたけれ
ども、表面的に議論し出したのは、したがって四月以降になっておるわけでございます。
四月以降になりまして、それじゃどういうところから着手したかということになりますと、
税制問題の役割分担を明確にしておこうということでございまして、まず、政府税調と経済財政諮問
会議とのあり方の問題、そして与党三党、与党の
税制調査会担当者と政府税調との関係というような、各三つの
グループがございますので、その関係の調整ということをいたしてまいりました。
その概要を申し上げますと、まず、経済財政諮問
会議においては、税の問題点の列記と、それから改正をする
必要性の根本的な
考え方、これを明示してもらうということでございまして、それを受けて、各項目ごとに具体的な対策を、主税局が
中心となってこの具体案を書き、それを政府税調で審議していただいて、経済財政諮問
会議においてこれを是正、承認するという手順を決めたのであります。
同時に、それじゃ与党三党との協議をどうするかということでございますが、政府税調で原案が、
一つの方向が決まれば、それを党並びに国民
一般に対して
説明するということの、そういう手順で、直接政府原案の参画には、直接的な関係はしていない、そのかわりに
法案ができて国会で御審議いただく、こうなるわけでございますから、当然でございますが、そういう手順をまず決めました。
そして、四月の中旬以降は、税のあるべき姿ということで、総理から、二十年、三十年後においてもたえ得るような
税制改正をしてほしい、こういう要望がございまして、これをめぐりまして経済財政諮問
会議の中で、そんな長期にわたる
税制の樹立ということは非常に難しい、ですから、中長期的な
税制改正に踏み切るべきでいいのではないかということでございましたが、総理はさらに、少なくとも、年数は言わないけれ
ども、比較的長期にたえ得る改正をしてほしい、こういうことでございました。
そこで、問題点は何かということでございましたので、私の方から問題点を提起いたしました。それは、税と公共負担でございますが、その関係、つまり、料金、保険料、この関係はどうあるべきなのか。今、国民の総負担を、公的負担を見ますと四六%になっておりますけれ
ども、税負担は大体二二、三%から二四%ぐらいでございまして、あと一二、三%が料金、だから、要するに公共負担でございまして、そしてあとは国債によるところの潜在的負担、こうなっておりますので、そこでこの分担をどのようにするのかということが税のあり方の根本問題ではないかということで提起いたしました。
二番目の問題といたしまして、それでは公平に国民が分担するのにはどのような
税制構成、負担区分がどういうぐあいになったらいいのかということでございまして、ここで問題が、税の空洞化というのをどうするかという問題に焦点を絞ってきたのでございます。
同時に、税はただ公正だけではいかぬ、中立も大事だけれ
ども、税は経済の活性化に役立つものでなくてはいけないんではないかということがございまして、公正、中立、簡素という
財務省の主張と、公正、活力、簡素という経済財政諮問
会議との
意見の調整に一、二回、この辺の調整にかかってきたということでございます。
三番目の問題は、特定財源の問題について方向を定めてくれということでございまして、これは、道路財源とかいろいろ特別会計にございますが、要するに特定財源、これに対する
考え方。
それから四番目の問題といたしまして、国と地方との負担の区分というふうなことでございました。
それから五番目は、税の簡素化という問題である。
この五つの区分につきましての基本的な問題を提示いたしました。
昨日行われました経済諮問
会議におきましては、主として活力ある経済対策をつくるのにどうするのかという問題が
中心でございましたのと、それと、それに並行いたしまして、総務省の方から、国と地方との税のあり方というものについて提案がなされたということでございまして、この国と地方の問題はまた別途の問題として考えなければ、この問題は余りにも
対象の
範囲が広過ぎるので別途に考えていこう。しかし、これはあくまでも、経済財政諮問
会議で基本的な方針を出して、政府税調等において
検討してもらうようにしよう、こういうことに一応はきのうはなった。
そうしますと、きのう行いましたのは主として経済活性化への対策ということでございまして、そのためには、公共事業のあり方ということと住宅建設、あるいはまた産業特化によるところの投資減税等をどうするかというような基本問題について議論をしたということでございます。したがって、きのうはそういう経済活性化への
入り口の議論でございまして、もう一度、三十日に、もっと中身を詰めた議論になるということでございます。
ちょっと長うなりましたが、概要はそういうことでございます。