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2002-07-16 第154回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
平成十四年七月十六日(火曜日) 午前九時三十一分
開議
出席委員
委員長
田並
胤明君
理事
小野
晋也君
理事
宮本 一三君
理事
吉田六
左エ門
君
理事
今田 保典君
理事
松原
仁君
理事
遠藤
和良
君
理事
山田 正彦君
伊藤信太郎
君 岩崎 忠夫君 大村 秀章君 梶山 弘志君
北村
直人
君
左藤
章君 高木 毅君 谷本 龍哉君
中馬
弘毅
君 中野 清君 中本 太衛君
西川
京子君
原田昇左右
君
山本
明彦君
山本
幸三君
桑原
豊君 小泉 俊明君 後藤 斎君 鈴木 康友君 津川
祥吾
君
中津川博郷
君 前田 雄吉君
丸谷
佳織
君
塩川
鉄也
君
瀬古由起子
君 菅野 哲雄君 山内 惠子君
西川太一郎
君 …………………………………
国務大臣
(
防災担当大臣
)
村井
仁君
衆議院調査局
第三
特別調査
室長 柴田 寛治君
—————————————
委員
の異動 七月十六日
辞任
補欠選任
岩屋
毅君
中馬
弘毅
君
村上誠一郎
君
伊藤信太郎
君
谷津
義男
君
北村
直人
君
奥田
建君
桑原
豊君
赤羽
一嘉
君
丸谷
佳織
君
藤木
洋子
君
瀬古由起子
君 同日
辞任
補欠選任
伊藤信太郎
君
村上誠一郎
君
北村
直人
君
谷津
義男
君
中馬
弘毅
君
岩屋
毅君
桑原
豊君
奥田
建君
丸谷
佳織
君
赤羽
一嘉
君
瀬古由起子
君
藤木
洋子
君
—————————————
七月十二日
災害被災者
の生活と住居・
店舗再建
の
公的支援制度
の改善に関する請願(
塩川鉄也
君紹介)(第六六七八号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
災害対策
に関する件
東南海
・
南海地震
に係る
地震防災対策
の
推進
に関する
特別措置法案起草
の件
東南海
・
南海地震等
に係る
地震防災対策
の
強化
に関する件 ————◇—————
田並胤明
1
○
田並委員長
これより
会議
を開きます。
災害対策
に関する件について
調査
を進めます。
東南海
・
南海地震
に係る
地震防災対策
の
推進
に関する
特別措置法案起草
の件について議事を進めます。
本件
につきましては、先般来
理事会等
で御
協議
を願っておりましたが、
協議
が調いましたので、
委員各位
のお
手元
に配付いたしましたとおり
委員長
において
起草案
を作成いたしました。 本
起草案
の
趣旨
及び
内容
につきましては、
委員長
から御説明申し上げます。
遠州灘西部
から熊野灘及び
紀伊半島
の南側の海域を経て土佐湾までの
地域
並びにその
周辺
の
地域
における地殻の
境界
を
震源
とする大
規模
な
地震
である
東南海
・
南海地震
につきましては、高い
確率
で
発生
するとの
科学的評価
がなされ、
今世紀前半
に
地震
及び
津波
による甚大な
被害
が広い
地域
で
発生
するおそれがあるとされており、事前の
対策
を着実に進めておくことが必要であります。 本案は、この
趣旨
から、
東南海
・
南海地震
に係る
地震防災対策
の
推進
を図るため、特別の
措置
を講じようとするものであり、その主な
内容
は次のとおりであります。 第一に、
内閣総理大臣
は、
中央防災会議
に諮問し、
東南海
・
南海地震
が
発生
した場合に著しい
地震災害
が生ずるおそれがあるため、
地震防災対策
を
推進
する必要がある
地域
を、
東南海
・
南海地震防災対策推進地域
として
指定
するものとしております。 第二に、
中央防災会議
は、同
推進地域
の
指定
があったときは、
東南海
・
南海地震防災対策推進基本計画
を作成し、その
実施
を
推進
しなければならないものとしており、また、
指定行政機関
、
指定公共機関
及び
地方自治体等
は、この
基本計画
を
基本
とし、それぞれの
防災計画
において、
避難地
、
避難路
及び
消防用施設等
の
整備
に関する
事項
並びに
津波
からの
防護
及び円滑な
避難
の
確保
に関する
事項等
を定めなければならないものとしております。 第三に、同
推進地域
内の病院、劇場及び
百貨店等
その他不
特定
かつ多数の者が出入りする
施設等
を管理し、または運営する者は、あらかじめ、
当該施設
または
事業ごと
に、
津波
からの円滑な
避難
の
確保
に関する
事項等
を定めた
対策計画
を作成し、
都府県知事
に届け出なければならないものとしております。 第四に、国及び
地方公共団体
は、同
推進地域
において、
避難地
、
避難路
、
消防用施設
その他
東南海
・
南海地震
に関し、
地震防災
上緊急に
整備
すべき
施設等
の
整備等
に努めなければならないものとしております。 第五に、国は、
東南海
・
南海地震
に関する
観測
及び
測量
のための
施設等
の
整備
に努めなければならないものとするとともに、この
地震
に係る
地震防災対策
の
推進
のため、必要な
財政
上及び金融上の配慮をするものとしております。 以上が、本
起草案
の提案の
趣旨
及び主な
内容
であります。
—————————————
東南海
・
南海地震
に係る
地震防災対策
の
推進
に関する
特別措置法案
〔
本号末尾
に掲載〕
—————————————
田並胤明
2
○
田並委員長
本件
について
発言
を求められておりますので、順次これを許します。
松原仁
君。
松原仁
3
○
松原委員
東南海
・
南海地震
に係る
地震防災対策
の
推進
に関する
特別措置法案起草
の件につきまして、
民主党
・
無所属クラブ
を代表して、
賛成
の
立場
から
意見表明
をさせていただきます。
東南海
・
南海地震
は、
東海地震
と同様、百年から百五十年のサイクルで大
地震
が
発生
しており、一九四四年の
東南海地震
では千二百五十一人、そして、一九四六年の
南海地震
では千三百三十人もの死者を出す甚大な
被害
を受けております。
東海
から
九州
にかけて
地震
の
揺れ
や
津波
による相当甚大な
被害
をもたらすおそれがあり、そして、
今世紀前半
にも
発生
のおそれが指摘されております。
政府
の
地震調査委員会
が公表した
南海地震
の
発生確率予測
では、今後十年以内一〇%未満、二十年以内二〇%
程度
、三十年以内四〇%
程度
、四十年以内六〇%
程度
、五十年以内八〇%
程度
となっております。そのため今後、早急に
観測施設
の
整備
を図り、
防災対策
を確立していく必要があります。特に、過去に甚大な
被害
をもたらした
津波対策
は、
避難訓練
を初め、
護岸工事
や
港湾整備事業
など速やかなる
実施
が求められております。 ただし、我が
民主党
を代表して一点申し上げたいことは、今回のこの
法案
を採決するにおいて、
法案
の
必要性
という
立場
では同じ認識でありますが、
東南海
・
南海地震
に限定するのはいかがなものかということであります。
日本
は多くの活火山を有した世界一の
地震国
であり、どの
地域
にも
地震
が
発生
する
可能性
があるにもかかわらず、
特定
の
地域
の
地震
だけを
対象
としている点についてはいささか疑問を感じます。ここ数十年以内に
発生
した
地震
を取り上げても、
北海道
、宮城、新潟、長野など、
法案
の
対象地域外
で
発生
している
地震
が多いわけであります。 例えば、
阪神
・
淡路大震災
についても、当初ほとんど
想定
されていなかった
地域
に起きて、予想を超えた大
規模
な
地震
が
発生
したことによってその
被害
が甚だしくなったものであります。また、鳥取を中心とした
芸予地震
も、当初、最も
地震
の
発生
が予想されなかった
地域
における大
規模地震
が
発生
したものであります。 それゆえに、大
規模地震
のおそれのある
日本全国
の
地域
を
対象
とするべきであるし、一つの
普遍的基準
で言うならば、
海溝型地震
の
発生
するすべての
地域
を
東南海
・
南海
にとらわれずに
地域対象
とし、かかる
事態
への
対策
の
推進
を図るべきではないかと思われます。 もとより、こうした
地域名
を冠した
地震対策
がその
地域
における意識を高める効果を持つことは認めますが、大
規模地震
の
可能性
のあるすべての
地域
を
対象
とし、かかる
事態
への
対策
を考えるべきということを申し上げ、私の
意見表明
といたします。 以上であります。(
拍手
)
田並胤明
4
○
田並委員長
次に、
塩川鉄也
君。
塩川鉄也
5
○
塩川
(鉄)
委員
日本共産党
の
塩川鉄也
です。
東南海
・
南海地震
に係る
地震防災対策
の
推進
に関する
特別措置法案起草
に関して、
意見
を表明します。
我が国
は、一九九三年の
北海道南西沖地震
や一九八三年の
日本海中部地震
など
日本列島
及びその
周辺
で
発生
したものだけでなく、一九六〇年の
チリ地震
のように、外国の沿岸で
発生
した
津波
によっても大きな
被害
を繰り返し受けてきました。
観測
、
研究体制
の
強化
を初め、
行政
と
地域住民
や
事業者
が一体となった
避難体制
の拡充など、
津波
による
被害
を減らすためのハード、
ソフト両面
からの
対策
の
強化
は、
東南海
・
南海地震
の
被害
が
想定
されている
地域
に限らず、
海岸
に接する
日本列島
すべての
地域
にとって緊急の課題と言えます。 敏速な
避難
こそが究極の
津波防災
と言われるように、本法が
津波対策
を抜本的に
強化
する
契機
となることを期待したいと思います。 その上で、
東南海
・
南海地震
を初め
全国
の
地震
・
津波対策
を進めるため、以下の点を
強化
することを強く求めたいと思います。 第一は、科学的、全面的な
被害想定
を
対策
の前提とすることです。 夏には各地の
海岸
にあふれる
海水浴客
、
都市部
では、
大型船
が陸上に乗り上げたり、地下街が水没するなどの危険が指摘されているほか、直前までの降雨で緩んだ斜面が
地震
で崩壊したため
津波
から逃げられず
犠牲
が拡大した過去の例もあります。 第二は、
避難計画
は現状に合った、実効あるものにすることが必要だということです。
海水浴客
を収容しているのは、主に
個人経営
の海の家と言われる
施設
です。海に入っている
観光客
を含め、実効ある
避難計画
にするためには、
事業者
任せでなく、
海水浴場単位
での
計画
とすることが不可欠であり、
行政
の責任も明確にする必要があります。 第三は、
地震
や
津波観測体制
の
強化
です。
東海地震
や
南関東地震
をターゲットにした
観測
だけでなく、
阪神
・
淡路大震災
を
契機
に
全国
的な
地震観測
が
強化
されてきており、膨大な量の
データ処理
や監視がますます要求されることになります。
観測機器
の
計画的更新
や
人的資源
の
確保
は、待ったなしの状況です。 第四は、
防災施設
の
整備
、
学校等
の
耐震強化
を
推進
することです。
津波防護施設
を初め、
地域防災拠点施設
や
避難地
、
避難路
、
消防用施設
などの
整備
は、
地震防災緊急事業
五カ年
計画
として進められていますが、
学校施設
の
耐震補強
などのおくれが深刻な問題となっており、
財政負担
のあり方を含め
抜本的対策
を講じるべきです。また、住宅の
耐震補強
は、
地震
による
犠牲者
を減らすだけでなく、
津波
からの
避難
を可能にし、
地域
の崩壊を防止し、
救助活動
を
確保
する上からも必要であり、国による
支援
をさらに拡充することが求められています。 利潤や
利便性
だけを追求した
開発行為
や
土地利用
を見直し、これ以上
災害
の危険を増加させないことも不可欠です。
日本共産党
は、
地震
・
津波
の
被害
を最小限に食いとめるため、
地域
の皆さんの英知を集め、御一緒に奮闘する決意を申し上げ、
起草
に当たっての
発言
といたします。(
拍手
)
田並胤明
6
○
田並委員長
これにて
発言
は終了いたしました。 お諮りいたします。
東南海
・
南海地震
に係る
地震防災対策
の
推進
に関する
特別措置法案起草
の件につきましては、お
手元
に配付しておりますとおりの
起草案
を
委員会
の成案とし、これを
委員会提出法律案
と決するに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
田並胤明
7
○
田並委員長
起立総員
。よって、そのように決しました。 なお、ただいま決定いたしました本
法律案
の
提出手続等
につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
田並胤明
8
○
田並委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。
—————————————
田並胤明
9
○
田並委員長
次に、本
法律案
の
提出
に際しまして、
東南海
・
南海地震等
に係る
地震防災対策
の
強化
に関する件について
決議
をいたしたいと存じます。
本件
に関しましては、各党間において御
協議
願っておりましたが、
協議
が調い、
案文
がまとまりました。 便宜、
委員長
から
案文
を朗読し、その
趣旨
の説明にかえたいと存じます。
東南海
・
南海地震等
に係る
地震防災対策
の
強化
に関する件(案)
東南海
・
南海地震
は
海溝型地震
の中でも大
規模
であり、
発生
した場合において
国民
の生命、身体及び
財産等
に重大且つ広範な
被害
を及ぼすおそれがあることに鑑み、
政府
は
東南海
・
南海地震等
に係る
地震等防災対策
の
推進
を図るため、特に次の諸点について適切な
措置
を講じ、万全を期するべきである。 一
東南海
・
南海地震
に係る
防災対策推進
のための国・
地方公共団体
の
組織体制
の
充実強化
を図るとともに、必要な
施策
の速やかな
実施
に万全を期すること。 二
地震
に関する
観測
・
測量
のための
施設等
の早急な
整備
をはかると共に、
東南海
・
南海地震
における
地震予知
の
重要性
に鑑み、
予知
に資する科学的な
技術水準
の向上に努めること。 三
東南海
・
南海地震
において最も警戒をすべき
津波災害
については、緊急を要する
危機管理
の
視点
に立って、
津波災害
の特性について
国民
への
周知徹底
を図るとともに、
定期的避難訓練
の
実施等
に配慮すべきこと。 四
津波災害防止
という
視点
に立ち、
港湾整備事業等
の速やかな
実施
、
避難地
、
避難路等
の
避難施設
の
整備等
、必要な
施策
を講ずること。 五 他の
海溝型地震
についても同様の
措置
を講ずること。 右
決議
する。 以上であります。 何とぞ
委員各位
の御賛同をお願いいたします。 お諮りいたします。 ただいま読み上げました
案文
を本
委員会
の
決議
とするに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
田並胤明
10
○
田並委員長
起立総員
。よって、
本件
は本
委員会
の
決議
とすることに決しました。(
拍手
) この際、本
決議
に対し、
政府
から
発言
を求められておりますので、これを許します。
村井防災担当大臣
。
村井仁
11
○
村井国務大臣
東南海
・
南海地震
に係る
地震防災対策
の
推進
に関する
特別措置法案
の
提出
に際しまして、
委員各位
の御
努力
と御熱意に深く敬意を表する次第でございます。 ただいま御
決議
をちょうだいいたしましたので、
防災担当大臣
といたしまして、一言申し上げさせていただきたいと存じます。
東南海
・
南海地震
は、
東海地震
と一連の
フィリピン海プレート
と
ユーラシアプレート
の
境界
を
震源域
とする
地震
でありまして、過去にも、
東海
から
九州
にかけての広い範囲で
津波
や
地震
の
揺れ
による大きな
被害
をもたらしております。
東南海
・
南海地震
につきましては、
今世紀前半
にも
発生
するおそれがあるところから、今後、必要な
対策
を進める必要があると考えておりまして、
中央防災会議
に
専門調査会
を設置し、予想される
地震
の
揺れ
や
津波
の高さの分布やこれに基づく
被害
の
想定
、必要な
対策等
につきまして、本年度中を目途に検討を行っているところでございます。
政府
におきましては、本日の御
決議
を十分踏まえまして、
関係省庁
と密接な連携をとりつつ、
東南海
・
南海地震対策
を着実に
推進
してまいる
所存
であります。 また、
我が国
は
全国
どこでも
地震発生
のおそれがある
地震国
であり、
東南海
・
南海地震
に限らず、
我が国
全体の
地震防災対策
の
推進
に最大限の
努力
を払ってまいる
所存
でございます。 ありがとうございました。
田並胤明
12
○
田並委員長
お諮りいたします。 本
決議
の議長に対する報告及び
関係政府当局
への
参考送付等
の
手続
につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
田並胤明
13
○
田並委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、来る十八日午前八時五十分
理事会
、午前九時
委員会
を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前九時四十六分散会