○伴野
委員 民主党の伴野豊でございます。
本日は、
全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する
法律案ということで、この法案に直接かかわる事柄と今回話題になっておりますいわゆる大
規模改修に伴う技術の話題、それから、時間があるようでございましたら、
新幹線を初めとする鉄道
周辺の話題につきまして、順を追って
質問させていただきたいと思っております。
まず、今回の法案に一番直接的にかかわる
質問からでございますけれども、今回の
趣旨説明にございますように、
東海道新幹線を初めとする
新幹線が今まで果たしてきた役割、それから今後も果たしていただかなければならないその使命というものをかんがみた上で今回の法案が必要であるという
趣旨でございますけれども、この
東海道新幹線も、発案されたといいますか、計画の前は、これは
大臣もどこかでお耳にされたことかもしれませんが、むだな投資の代表例として、よく世界の三大投資というようなことで、文化的な価値は別としまして、ピラミッド、万里の長城、それから、これは戦争末期の旧帝国海軍がよく言ったというんですが戦艦大和、この次に
東海道新幹線だと批評をしていた人も当時はいるんですね。
ただ、この
東海道新幹線がなかりせば、多分、今の
日本の鉄道、特に高速鉄道のネットワークというのは存在し得なかったでしょうし、あるとすれば地方のローカル線と民鉄が一部あったぐらいで、ということになれば
鉄道局長さんのポストも今はなかったというようなことになっているわけでございまして、こういういろいろな世論、当時の新聞なんかも結構そういうことを書いていまして、多少世界的に斜陽になっている鉄道に何で、しかもモードの違ういわゆる標準軌、
日本の狭軌に対して広軌でやらなきゃいけない、乗り入れができなくなるんじゃないか、そんなのよりももう一つ狭軌で横に敷いた方がいいんじゃないかとか、そんなようなことをいろいろ言われてきたんですよ。
そこで、そうではないんだよと。よく、世界、社会に貢献した人が何か発言をしたときに、案外その発言した当時というのは認められなくて、コロンブスもそうだったと思うんですが、後になって評価されるというのは、多分、
東海道新幹線を初めとする
新幹線もその典型的な例だと思うんですけれども。最初は弾丸鉄道構想で始まったこの
東海道新幹線というのは、当時の十河信二総裁、七十一歳で第四代国鉄総裁になられた方のリーダーシップと島技師長の構想力によって現実に日の目を見たんだと思うんですね。
それで、昭和三十四年に着工し出した。三十九年の
東京オリンピックを目指して始まったわけでございますから、今の
整備新幹線の進捗
状況から見ると、五年でつくり上げたというのは、今にしてみれば奇跡的な、すごい一大
プロジェクトに向かって国家が力を注いだ結果であるというような感じもするわけでございますし、当時の国鉄が公社制度であった、財投を投入して行うことができるというような、非常に組織的な柔軟性もあったんじゃないかという評価もあるわけでございますが、いずれにしましても、昭和三十四年といいますと、私は三十六年生まれなんですが、私の両親も私を世に出すためには多分昭和三十四年ぐらいから一生懸命準備したんだと思うんですけれども、だから、そういう意味じゃ
東海道新幹線は同じ世代なんですね。
これであと十何年もすると私も五十を超えるのかと、これを見ながら思っていたんですけれども、やはりどんないいものでも年月とともに、女性のお化粧に例えるわけじゃないですけれども、多分年齢とともに、
大臣はすっぴんで十分通用されますけれども、世の
皆さん方は年齢とともにいろいろ補修をされて、毎朝御努力されているんじゃないかと思うんですが。
今評価を受けている
東海道新幹線を初めとする
新幹線。国鉄改革のときも、最終的に三十七兆円の債務を背負って、ドル箱である
東海道新幹線に五兆円の荷重をさせる、そして、さらには
新幹線内で調整する。当初は、リース料という形。簿価とは随分違う評価の仕方をして、調整をすることによって、分割・民営化、さらには、先般行われたいわゆる完全民営化も実施できた。
ただ、一方で、二十八兆円もの
国民負担を強いられたというこの
環境下において、先ほど一川議員の方からも御
質問があったように、
国民の側から見れば、やはりちょっと民営化の方向とどうなのとか。あるいは、これを例えばお店に例えた場合、しにせの、非常に一等地の、非常に売れるまんじゅう屋さん。しかし、そのまんじゅう屋さんはすごく老朽化していて、このままだと風雨にさらされて、まんじゅうもまともに売れない。だから固定資産税ちょっと十年十五年待ってね、その間に補修するからねといって一般
国民は許されるかどうかといったときに、やはりそれなりの
説明責任や
国民感情を害さない対応を、これから
JR各社にも努力してもらわなきゃいけませんし、十河信二総裁のいわゆる経営者としてのリーダーシップをいま一度思い起こしてやっていただくことが必要になってくるんではないかと思うんですが、監督官庁として、
説明責任や今私が申し上げたお話についてどう御所見をお持ちか、
大臣の御答弁をいただきたいと思います。