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津川委員 その決議に
参加されない方ですとか反対される方ですとか、
計画に同意されない
方々、基本的には何らかの事情があるわけですから、その事情に対して方策を、手当てをとれば、何らかの、立ち退いていただくなり
参加していただくなりというようなことになるというお話だと思いますが、別に理由は何でもいいわけですよ、反対される方は。何かわからなくてもとにかく反対だという方がいた場合、やはりこれはうまくいかないじゃないですか。
法律の
目的ですとか内容、非常によくできているし、でき過ぎじゃないかという部分もあるのではないかということを申し上げたぐらいですが、そこまでやっても、でも、とにかく嫌だという人が一人でもいたら、実はこれはうまくいかない。実効性という点でやはり疑問符がつくのかなというふうに思います。
特に、その方が別にそんなに理不尽なことで言っているんじゃなかったとしても、個人的な理由ですぐには今同意できないんだ、あるいは、同意したいけれどもすぐには今移れないんだ、いろいろな事情によってちょっと待ってくれ、ちょっと待ってくれと、少しずつでも時間がかかるとどうなるか。方向性としては何とか前に進んでいるように見えますが、やはりこの
計画でいくと、時間をかけるのは相当まずいですよ。つまり、今不動産物価がどんどん下がっています、基本的に。時間をかければかけるほど、
計画どおりの値段で売れなくなる
可能性があるわけですよ。そうすると、
計画そのものがうまくいかなくなる。
計画を直さなきゃいけなくなる。時間がかかることによって、
最初同意した
方々も、いや、ちょっとこれは困ったことだなということに、結局今の状況と余り変わらないんです。そういう状況が、やはりこの
法律ができたとしても、非常に想定しやすいものとしてあるということは
指摘をさせていただきたいと思います。
それで、ただ、いろいろな状況が想定されますから何とも言えませんけれども、多くの場合、何割かわかりませんが、この
法案ができることによって少しは前進するということもあるのかもしれないというふうに、私は実はそういう認識をさせていただいております。
やはりこの
計画そのものがちょっとおかしいんじゃないのかなと思うのが、
余剰床をつくってそれを売るという話ですが、これから人口がどんどん減っていく中で、本当にその
マンションを買いたいという人が常に出てくるのかどうかというのも疑問です。
大臣がこの間おっしゃった話の中では、地方に行った方が、通勤時間が長いからやはり東京に帰ってこよう、都心に帰ってこよう、こういう話は当然あると思いますが、地方においてはありません。逆です。どんどん人が減っちゃうわけですから、
マンション建てかえはこのスキームじゃ非常に難しいという話になると思います。
全体的に人口がどんどんふえている状況であればこういうやり方もあり得るでしょうけれども、今の状況、今後の状況から考えれば、実は、これでできるのは、東京ですとか大阪ですとか名古屋ですとか、大都市圏の中心部、そういったところに結局限定されるのかなと。地方都市の中心部もあるかもしれませんが。
実はこれ、
最初にいただいたレジュメの中の太文字になっているところ、「背景」というところで、
マンションストックの総数がこのぐらいになった、それから三十年以上の
マンションがこのぐらいになった、どんどんふえていく、「
マンション建替えの円滑化が、都市の再生と
居住環境向上の観点から急務。」だと。だから、都市の再生の発想から考えて、都市の中心にどんどん
皆さん来てください、その住むための
マンションをこれで提供しましょうという発想があるんだとしたら、これは、ひょっとしたらですよ、これからつくられる
マンションが仮に六十年、百年もつものだとしても、その期限が来たときに結局今と全く同じことが起こるんです。
建てかえ、どうするんですか。
そこで、これは個人的な見解もありますが、
マンションを所有することにそもそも若干無理があるんじゃないかなというのが正直ございます。定借で借りた方が、期間が決まっている、つまり、
建物として
建てかえなければならないという期間が決まっている場合でも、定借で借りていただくのであれば、いろいろな契約の中でどんどん活用していくということもあり得るでしょうけれども、所有していただくというのを前提にするやり方は、実はちょっと難しいのかなというのは正直
感じます。今喫緊の課題としてどうするかという、対処としては必要な話ですが、これをやっても、要するに、言葉は大変悪いですが、問題を一時的にしのぐ、先送りするにはある程度の効果はあるかもしれませんけれども、本質的な問題の解決にはやはりなかなかならないというふうに思います。
先日の当
委員会で、私どもの民主党の
委員から、他党のほかの
委員の皆様からも御
指摘がございましたが、当
法案の以前の問題であります
区分所有法の
建てかえ決議ですとか、あるいは私もきょうも申し上げましたが、法制
審議会の
区分所有法改正論議について、こういった
マンションというものそのものが持つ大変難しい問題であります
建てかえ、こういった問題に対する
指摘が随分ございました。要するに、この
法案の必要性は十分認識をいたします。
建てかえ決議がされた後、
組合のしっかりとしたものが決まっていなかった、
権利の変換がなかなかうまくいかなかった、それを円滑化しよう、そういう意味でのこの
法案の存在意義は十分認識をします。
冒頭申し上げたとおりでありますが、
マンションの
建てかえというのは、必要であるとともに、相当慎重に考えなければならない部分もあろうかというふうに思うわけであります。やはり、
マンションのあり方そのものについて、どういう位置づけなのか。つまり、一戸
建て、ほかの
建物、住み方、所有するかあるいは借りるか、定借で借りるかといったものをすべて含めて、住宅政策の中で
マンションをどう位置づけるかということがない限り、これは先送り先送りになってしまう。最後のところでは、結局似たような問題が出てきてしまう。
今考えれば、
建てかえを要する築後三十年以上の
マンションが、
平成十二年で十二万戸、二十二年で九十三万戸、どんどんふえてくるというような状況になったときに、このような
法律をつくるということ自体がちょっと奇妙に
感じます。
建てるときに、もうある程度想定できたんじゃないですかという話です。
高度成長期時代にせっせと
マンションを
建てながら、それが
老朽化したときのことを考えていなかったというのは、やはり、今考えればですが、少し配慮が足りなかったのかなというふうに言わざるを得ない部分もあろうかと思います。これから再建されたり新築されたりする
マンションが将来どうなっていくのかという問題も、やはり先送りするのではなくて、今の段階、まさにどんどん
建てかえをしていかなければならないという今の段階に十分な議論をしていかなければならないというふうに思います。
実は、私ども民主党は、まさにこの点について、自画自賛ではございませんが、相当骨太の住宅政策というものを現在検討中でございます。こういったものをそう遠くないうちに出させていただくという気概で今取り組んでいるということを申し上げまして、私の
質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。